2015年05月

dffg2015年5月31日:レバノンのシーア派組織ヒズボラは、シリアのアサド政権支援ですでに数千人規模の兵員を送り込み、シリアでヌスラ戦線を含む反政府勢力と戦火を交える中、2015年2月には、限定的とした上で、イラクにも対ISに向け兵員を派遣し、現在、イラクのラマディでのIS攻撃に、イラクで創設されたヒズボラ同胞組織カタイブヒズボラ (KH:Kata'ib Hezbollah=イラク・ヒズボラ、イラクで2011年の米軍撤退まで反米闘争を継続した)も参加しているようだ。写真右は、イラクで進撃するヒズボラ部隊 過去ブログ:2015年5月バグダッドから東59キロで激しい戦闘 イラク

d61b2b16この組織は従来から、シリアで反政府スンニ組織を支援する米国を敵対視しているが、米軍からイラクでのIS攻撃に関する協議の申し入れがイラク軍を介してあったようだ。しかしイラクのヒズボラ部隊Hezbollah Brigadesの指揮官は5月29日、対IS攻撃での米国からの協議の申し入れに対し、改めて米軍とは協調しない立場を表明した。イラク軍、及びイラクのシーア派民兵への訓練を主導する米軍としては、対ISせん滅作戦で、各組織がバラバラな状態であるのを打開したくて、大胆な協議参加を打診したと想像できる。本来レバノンのヒズボラは、イランの支援で_47181017_bagh_hotel_blast226対イスラエルで組織された武装組織で、イスラエルを支援する米国とは水と油の関係である。イラクのカタイブヒズボラとレバノンのヒズボラ両方がラマディ攻撃に参加し、主力はカタイブヒズボラと解釈している。この組織は、ティクリートのISの攻撃にも、シーア派民兵として参加している。右の図は、筆者の判断では、おおよそ現実に近い各勢力の現在の支配状況と思われる図だが、ラマディからシリアに抜ける地域、バグダッドの西部、ファルージャ周辺ではISはかなり後退、もしくはせん滅されているようだ。まだ、チグリス川西部サマッラSamarra付近などでIS掃討が継続している。バグダッドでは29日、シェラトン、バビロンの2つのホテルSheraton hotel and Babylon hotel:位置は左図 が自爆と車爆弾の攻撃を受けISが犯行声明を出している。11人が死亡、負傷者28人 参照記事 参照記事 参照記事

無題07 AM5月17日にISに占拠されたラマディRamadiの奪還作戦を展開するイラク合同軍は、現地5月31日の記事ではすでにラマディ周辺の包囲作戦を完了し、ラマディ市の西部と南部を制圧し、ユーフラテス川とハバニヤ湖へ流れる川に挟まれた扇型の地域で抵抗するISに向け、ラマディ東部のハセイバ(フセイバ Husaybah:フセイバはISに占拠されている )方面から攻撃を開始すると公表している。北へのユーフラテス川にかかる橋は、すでに数日前、イラク軍が制圧している。周辺の地雷撤去や砲爆と空爆が完了したと思われ、退路の無くなったISには、降伏か全hqdefault滅しか選択肢はないように見える。これまで以上の、過激な自爆攻撃が繰り返されるのではないだろうか?30日には、8件のISの車両による自爆攻撃が確認されているが、イラク軍側は対戦車砲の使用でこれを粉砕したとされる(具体的にはKornet anti-tank guided missiles:ロシア製を使用の記述がある:写真右)。 参照記事 参照記事 参照記事  IS側の映像;22日ラマディの戦闘 映像: フセイバのIS シーア派民兵のISへのリンチ ラマディの戦闘映像(遺体が多いので閲覧注意)
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jisinn日本全国の地震を地図でアニメーション表示_日本地震マップ22015年5月31日:「日本地震マップ」で2015年5月18日から5月31日に起きた日本のを地図にしたのが右図で、5月30日の「小笠原西方沖地震」は、青い大きな丸で示されています。黄色い線はプレート境界線で、「小笠原西方沖地震」の前後の5月30日から31日午前8時までの地震情報を表にしたのが下の別表です。参照記事

3気象庁によると、今回の地震が起きた小笠原諸島西方沖ではフィリピン海プレートの下に沈み込んでいる太平洋プレートの先に当たり、過去にも地下100キロよりも深いところを震源とする規模の大きな地震が起きている。
このうち、5年前の2010年(平成22年)11月には震源の深さが494キロのマグニチュード7.1の大地震が発生し、このときは北海道から東海にかけての広い範囲で震度3から1の揺れを観測した。

東京大地震研究所の古村孝志教授によると、日本列島やその周辺の海では、複数のプレートが複雑に重なり合っている。sagami
太平洋プレートは最も深い位置にあり、フィリピン海プレートなどの下に沈み込んで、日本列島の地下深くまで続く。丹沢、伊豆半島は元々フィリピン海の小さな火山島だったものが、南から 「フィリピン海プレート」に乗っかってやって来て、本州にぶつかったもの。隆起して 地層がひっくり返っているところもある、地理学上珍しい地域。そのフィリピン海プレートを拡大すると、実に微妙な位置が境界線になっていて、しかも富士山と箱根山は、25キロしか離れておらず地下マグマでつながっていると考えられていることから、素人目には、富士山が今後何らかの影響を受けてもおかしくないように想像でき。用心に越したことはないだろう。
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556888b5c92f1中国・甘粛(かんしゅく:Gansu)省天水(Tianshui)の裁判所(天水市中級人民法院)2015年5月28日、女児26人に対する強姦・性的虐待で有罪となった元小学校教師の李吉順(Li Jishun)被告の死刑判決を支持し、刑は即日執行された。国営新華社(Xinhua)通信が報じた。
被告は小学校の教師だった2011~12年に、4~11歳の女児26人を、自宅や教室で強姦・性的虐待したとして有罪判決を受けた。裁判所は、女児らが被った被害の大きさと「社会への著しく有害な影響」を理由に、極刑が相当との判断を下した。中国の最高人民法院によれば中国では近年、児童への性的虐待が増加しつつあり、事件化したものだけで2012~14年に7145件2012年2017件,2013年2300件,2014年2828件)の虐待事件が報告されたと新華社は伝えている。写真は教師の自宅とされるもので、裁判の過程で被告は上訴しているが甘肅省高級人民法院はそれ却下し、最高人民法院が承認し刑が確定した。性犯罪が社会問題化する中で、中国社会は性に対して開放的になるべきだとの意見がある中、もっと厳罰を与えろという意見が目立ってきている。重要なのは教育と予防策だと思うが、役人のステータスが愛人を持つことだという風潮の中国では、女性に対しての偏見は簡単には無くならないだろう。このことは中国の国内問題ではなく、彼らの多くが外国まで遠征して少女買春を行うことは憂慮すべき問題だ。 参照記事 中国記事 中国記事 中国記事 甘粛省では過去にも、小学校教師が生徒へのわいせつや強姦で死刑判決を受けている。 参考記事 
レイプ事件の多発したインドでは、性犯罪に対する最高刑で2013年死刑が復活し、2014年4月に3人の男性に死刑が言い渡された。参照記事
しかしインドでは悪質な性犯罪は止まず、民衆が刑務所に収監中の容疑者を引きずり出して撲殺する事件も起きている。過去ブログ:2015年3月相次ぐ強姦事件に群衆が容疑者を集団で撲殺 インド
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2015年05月31日  個人 その他の 動植物
P5221023P5221024やっと気温が上がり、すごい勢いで緑が増えていく。
ある日、ずいぶんと早く、珍しく東側からセイヤがやってきた:写真上右。こちらが外にいたこともあるが、まだ明るい6時少し過ぎだった。えさ場を変えた後のカラスの様子を見たくて、近くでカメラ片手に焚き火をしながら様子を観察する。餌の食器は奥のほうにあり、計算通り、その前に立てかけた棒を警戒してカラスは中に入らない。しかし、餌をくわえたセイヤを低空飛行で威嚇するのは相変わらずで、餌をくわえてセイヤは近くの草むらに身を隠す。また出てきては餌を持って草むらに、、。この繰り返しだ。

P5221028P5221029温かいせいか、その日セイヤはずいぶんリラックスしていて、車の横で寝ぞべり、毛づくろいしたり、仮眠したり、ちょっと玄関の近くまで行って様子を覗いたりと、相変わらず好奇心が強い。
焚き火に寄って来たセイヤは、火を怖がりもせずに焚き火を観察し、そのくぼ地から、赤毛の来る東側をしばらく見ていた。最近は夕暮れが遅くなったせいか、来るのが7時近くになる。温かいから遠出しているのか、時間は不規則になっているが、欠勤なしである。えさ場を変えたせいか、赤毛はセP5221044P5221041イヤの食べ残しに近寄らない。多分、警戒心が強い赤毛は、暗い場所に入るのは苦手なのかもしれない。しかし、こうしないと餌はあっという間にカラスに持っていかれる。早く慣れて、と願うしかない。写真下は、焚き火のくぼ地から、赤毛の来る方向をじっと見ている様子と、場所を変えて、玄関の横で座っているセイヤ。我が家は、即席の「稲荷神社」となった。

30日夕方、セイヤは遅くやってきた。近くに赤毛のいるのを見ているので、なぜか分からないが遠慮して時間をずらしたのだろうか?もう食べただろうと食器を下げに行くと、ちょうどセイヤが近くに来た時で、こっちを確認すると小走りでこっちに向かってきた。多分会うのがうれしいのだろう。毎日のことだが、こっちもそうだ。

P5301047セイヤの食事を用意して部屋に戻れば、猫のフーが、枕の横で待っている。フーもかなりの年配になったが、かわいさは子猫のころから変わらない。相変わらず常に冷静沈着で、毎日食後は必ず「お父さん」の足を枕に寝るのが決まり事で、毎日平和に暮らしている。時折家の中を、意味不明のまま駆け回る若いミーとは対照的で、たまにミーに喧嘩を売られても、自分から先にゴロンと横になって「喧嘩は止めよう」と若いミーに訴える。しかし、本気で怒ればフーはかなり怖い。そんな時ミーは、さっさと2階の自分の寝床に戻って「タヌキ寝入り」を決め込むのが常で、世渡りのうまい奴である。


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北京市環境保護監測中心smog-beijing-may-2014-h-pleijel-4322015年5月26日、市中心部6区のオゾン濃度ozone concentrationが270マイクログラム/立方メートル、北部地区では300マイクログラムを記録したことを明らかにした。
北京市の大気のオゾン濃度は、25日午後も294マイクログラムに上昇していた。PM2.5の濃度が低い昌平、延慶、密雲など郊外地区でも同日、オゾンは300マイクログラムの大台を超えている。
京津冀(北京・天津・河北)エリアでは毎年6~8月にかけて、PM2.5に代わりオゾンが主要な大気汚染物質となる。オゾンの有害性はPM2.5(微小粒子状物質)と同等。呼吸器系統を刺激し、肺気腫や気管支炎患者の症状を重くする恐れがある。通常は地上30キロメート ルの高層にあって紫外線を防いで人体を守るが、地上では有害だ。自動車の窒素酸化物が日光に当たって変化し、生成される。参照記事 参照記事

ozon「ppm」は、100万分のいくらの割合で含まれているかを示す数値であり、1ppmは1kg中に1mg(1000マイクログラム)含まれていることになる。これをもとに逆算すると、300マイクログラムは、0.33ppmになるのだが、合っているのか自信はないが、この計算が合っているとして右の表に照らせば、北京Beijingの大気は随分と有害で、これは、マスクで予防できるものでもない。参照記事 日本で光化学スモッグが問題になった時、よく聞いたのは「目がちかちかする」というもので、もしかすると北京はこの状態に近い。
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2015年5月30日:子どもが聞いている音楽をくだらないと思っている親の意見が正しい可能性が出てきた。最近行われたある研究によると、平均的なヒット曲の歌詞の読解レベルは小学校3年生程度であることが判明した。チケット販売シートスマート(SeatSmart)が実施した調査の対象は、2005年以降、米ビルボード(Billboard)のシングルチャートのポップ、ロック、R&B・ヒップホップ、カントリー部門に少なくとも3週間ランク入りしていた225曲の歌詞。、、研究を行った専門家によれば、比喩や内省的img_0_mな表現ではなく、文章の複雑さのみを基に分析したという。その結果、ヒット曲の歌詞の標準的な読解レベルは小学校3年生――アメリカの教育制度ではおよそ8歳――で、この10年で低下したことが分かった。音楽のジャンルの中で読解レベルが最も高いのはカントリーミュージックで小学校3.3年生、R&Bとヒップホップは最低の2.6年生レベルだった。参照記事より抜粋

R&Bとヒップホップが、比較的有色人種の音楽ということで考えれば、彼らの歌詞に、反社会的、性的、暴力的歌詞の多いのも問題なのだろう。確かにカントリーには、日本の民謡に通じる、故郷への郷愁や自然の恵みを歌った名曲や陽気な曲が多く、米国の親も意外と保守的なのか?歌詞の内容だけで音楽を判断はできないと思うが、日本の歌から最近、ちょっと口ずさんでみたい様な楽曲が少ないのは残念で、結果的に随分長く、歌番組を見たりCDを買ったりもしてない。昔はDJで生活していた時期もあるのに、、。



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学説では、人類の二足歩行は500~700万年前頃からと推測されているが、確定できる化石資料が見つかって居ない。今の所、確認された最古の人類の化石は1994年にエチオピアで発見され2009年に復元された440万年前のラミダス猿人のもので、見つCi110911091258かった最古の女性は'Ardi'と名づけられているが、歩行に適した骨盤と土踏まずが無い事から、樹上生活と地上では何とか二足歩行していたとされ、二足歩行は不完全だったとされる。右の図は、最近の発見を元に独自に作った図で、教科書などとは違うかもしれません。

370万~290万年前にいた初期人類アウストラロピテクス属の中では、エチオピアのルーシー "Lucy" で有名なアウストラロピテクス・アファレンシスAustralopithecus afarensis(アファール猿人A. afarensis )の、約320万年前の足の指の化石から二足歩行が証明され、現在のところ、彼らが人類に直結する祖先と言われている。これまで、人類の二足歩行は500~700万年前頃からと推測されているが、アウストラロピテクス属アファール猿人以前の猿人は、地上と樹上生活が混在していたと判断されている。現在、地上生活に欠かせない完全二足歩行を人類の起源とする見方では、上記の分析結果で人類の起源は320万年前となっている。しかし、今後の化石の発見や研究では、人類に直結する猿人の起源は更にさかのぼる可能性がある。過去ブログ:2011年2月人類の320万年前の完全な二足歩行確認される。

291E80BD00000578-0-image-a-7_14327492564372015年5月29日アフリカ東部エチオピアの350万~330万年前between 3.5 million and 3.3 million years agoの地層から2011年3月に見つかっていた初期の人類である猿人の上下の顎の骨や歯の化石の分析から、アウストラロピテクス属(370万年~300万年前between 3.7 and 3 million years ago)の新種に分類したと、米クリーブランド自然史博物館Cleveland Museum of Natural History in Ohioなどの国際研究チームが28日付の英科学誌ネイチャーに発表した。新種の名前は、現地の言葉Afar languageでその後の人類と「近い関係がある‘close’ and ‘relative’」という意味の「アウストラロピテクス属デイレメダ:Australopithecus deyiremeda 」と名付けられた。
ただ、新種化石の発見場所はアウストラロピテクス属アファール猿 人の化石が多数見つかっている場所c829df3bhadarHadar siteから約35キロしか離れておらず、同時代にどのようにすみ分けができたかが謎となる。猿人化石は頭骨や全身骨格が見つか ることが少なく、断片的な化石に基づき種を細分化することを疑問視する意見もある。新種化石は、顎の骨の全体構造や歯の大きさ、形状などが、他のアファール猿人と違う別種 distinct speciesとされた。しかし、これらの特徴の違いは、単に食生活の違いを反映している可能性があるとする考えもある。参照記事 英文記事
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E1A73707-0CB1-448C-A455-E6E9AB6BBD94_w640_r1_stadmor1-copy2015年5月28日:イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、シリアにある、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているパルミラ(Palmyra=Tadmur)の遺跡の古代ローマの劇場Roman theaterで、群衆を前に、シリア政府軍側のシーア派やアラウィー派の男性20人を「処刑」したと27日確認された。市内の刑務所には、体制側の兵士、民兵、シリア軍に協力したとされる民間人600人ほどが収容されているといわれる。ISは、パルミラを制圧した2日後の5月16日から処刑を始めており、刑務所の600人の運命も悲観視されている。28日の記事によれば、これまでにシリアでISが処刑したと公表した人数の合計は2618人になるが、人権監視団によれば、数百人の行方不明者がいること から、実際はもっと多くが犠牲になっていると推定されている。処刑された人数には、多くの女性や子供、IS組織内のメンバー139人も含まれている。ISが解放した刑務所の様子

英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかに1073050931し、代表はAFPに対し、約1週間前に同国中部の古代都市パルミラを制圧したISは、アサド政権側に協力、または反ISの戦闘に参加したとする20人を劇場跡に集め、銃殺したと述べた。シリアの古代文化財当局の責任者は、今回の銃殺が、世界の偉大な古代遺跡の恐ろしい破壊の前触れとなる可能性があると懸念を表明した。参照記事 英文記事 英文記事  英文記事  参照記事 参照記事 過去ブログ:2015年5月2015/5/23 ISの動き イラク シリア

2587b13c1195492dadb0b58c9f94b5c1_18492015年5月31日;ISが市内の刑務所を爆破したと報じられた。刑務所はすでに破壊されていて、爆破に際し、刑務所内には人はいなかったとされる。アサド政権が1980年代、反政府市民を大量に拘置し、拷問や処刑を行ったとして悪名高い軍刑務所だった。 写真は、刑務所爆破の写真と爆破後の刑務所とされるもの。参照記事 参照記事
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過去ブログ:2015年5月 2015/5/23 ISの動き イラク シリア バグダッドから東59キロで激しい戦闘 イラク ラマディ付近の戦況図 イラク
への継続記事
ebeaad432015年5月27日:イラクの政府軍とシーア派民兵組織Shi’a paramilitary forcesは現地時間2015年5月26日、(日本時間27日午前)イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に制圧されたアンバル(Anbar)県(Ramadi)の奪還を目指す大規模な攻撃に先立ち、包囲網を狭めてIS戦闘員らを孤立させる作戦を開始した。イラク最大のアンバル県の県都であるラマディがISに制圧され、衝撃が走ったのは5月17日。それ受けて政府は、主にイスラム教シーア(Shiite)派の民兵と志願兵からなる「人民動員隊(国民動員隊)People's Mobilization Forces」を投入した。治安部隊と民兵組織の合同部隊がサラハディン(Salaheddin)県から南下しラマディを目指し、現在4000人がラマディの北の辺縁部に向かっているという。治安部隊と民兵はラマディの南と西にも迫り、イラクの治安部隊と人民動員隊はラマディにいるISへの南方からの全ての供給ルートを封鎖したとされる。地図の赤い場所は、戦闘や掃討、爆弾テロの起きている地点 ISはオレンジの矢印方向へ攻撃を拡大している。 参照記事 英文記事

cggggggggラマディ包囲に並行して、イラク治安軍とシーア派民兵(「ハシド・アル‐シャービHashd al-Shaabi、Al-Hashed al-Sha’bi」と自称する義勇兵がシーア派民兵の代名詞となっている。2014年、マリキ政権時に創設され、今回ラマディのスンニ派部族がIS侵攻の危機から要請し、イラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)現首相がラマディ攻略に派遣した。「人民動員隊People's Mobilization Forces」も同義として使用される)の一部は現在、ラマディの東7キロのフセイバ村Husaybah(al-Hasiba)、カリディアKhalidiyaで(ラマディから23キロ東)に集結中で、ラマディへの本格的な攻撃に際し、砲爆や空爆とのタイミングを測っていると思われる。28日には、ラマディから30キロのハバニヤ基地Habaniyah military baseに、1700人以上の警官も終結したと言われる。戦闘は、ファルージャFallujahに近い、カルマKarma(al-Karma ラマディから53キロ東)地区でも継続中で、イラク軍は26日、13人のIS兵士を砲爆で殺害したと報じている。ファルージャFallujahではIS兵士の自爆テロが続発している。参照記事 参照記事 参照記事
民兵組織「ハシド・シャービ(Hashed al-Shaabi、別名『人民動員隊、国民動員部隊(Popular Mobilisation)』)は、イランが後ろ盾となっているシーア派民兵組織で、その戦闘員らは、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の進撃を食い止めようとするイラク政府軍の中で、先導的な役割を果たすことが多い。2014年マリキ政権時に創設

IS最近の映像では、ラマディ付近で戦意喪失したIS兵員数百人が1日で捕獲されたとの映像もあるがが、市内や郊外に残った市民の可能性もあるだろう。記録映像
現在ラマディは、市の3方向から地上と空から攻撃を受けているが、ラマディにはISの支援兵員が今も増強されていると言われる。別な記録映像は、IS側から撮られた市内、もしくは近郊の戦闘の様子で、映像で見る限り、市街地では互いに手榴弾を投げ合う白兵戦に近い状況になっている。

2015年5月29日:クルド側の情報収集によれば、現地27日時点でイラク合同軍はラマディ包囲を完了し、ラマディのISは孤立し、今後の市内へのIS兵員増強は不可能になったと報じている。このことは、ファルージャのISも孤立したことになる。同記事はさらに、米軍のシーア派への支援は成功しつつある中で、イラク政府の民兵組織「人民動員隊:People's Mobilization Forces[PMF]、(マリキ政権時のシーア派武装組織ハシュド・シャービ Hashd Shaabiを含む)」がシーア派宗派色を強めれば、宗派対立かアンバル県のスンニ派部族がIS擁護に回る可能性をペンタゴンが憂慮していると報じている。 参照記事 参照記事
いくら呼び名を工夫しようが、イラク国軍より強大になりつつあるこの組織の裏に、シーア派国家イランがいることは明白で、スンニ派が警戒する背景には、それほどにシーア派イラク政権(特にマリキ政権時)は、スンニ派部族を虐待した歴史を持っているからだ。以前からのシーア派民兵組織を「人民動員隊」と言い換えたのは、従来言われた「シーア派民兵組織:Shiite militia」から、表面上シーア派色を薄くして反ISスンニ派部族民兵の参加を考慮したものと筆者は推測しているが、双方が武器を手にした以上、もし対立が起きれば、対立はこれまで以上に血なま臭くなるのではと想像できる。この組織は2014年2月、サマッラsamarraをISから解放後、ティクリートTikrit攻略に際して結成され、その後「人民動員隊:People's Mo107154Image1bilization Forces:PMF」+「イラク国軍、治安軍;Iraqi army and security forces」が合流した「イラク合同軍:Iraqi joint forces」として、イラク政府の指揮下でティクリートに進撃した。その際にイラン特殊部隊は、意識的に表舞台から影を薄くしているが、イラクへの影響力は依然として保持していると思われる。写真右は、2015年2月、結成したての「人民動員隊」。しかしこの後、組織の一部はティクリート侵攻で、スンニ派地域での略奪や民家への放火、敵を切り刻むなど残虐行為を繰り返し、混成部隊の秩序の無さを露呈し、地元スンニ派部族、世俗的スンニ派クルド側から警戒される存在でもある。いずれ、宗派対立や武器の取り合いから内部分裂したという記事を目にする事になるだろう。現地28日記事では、バイジ精製施設地域 Beiji(Baiji) oil refineryから、イラク合同軍がISをほぼ排除したとされるが、作戦は続行中だ。参照記事 過去ブログ:2015年5月バイジの精油施設は炎上、壊滅的被害 イラク 4月IS側が毒ガス兵器使用か?大量処刑の確認と報復 イラク
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2015年5月27日:中国政府は、2015年5月26日に発表した国防白書で、海上では軍事力の及ぶ範囲を領海外まで拡大するとともに、空の軍事力を強化する方針を打ち出した。また、米国の懸念を生んだ南シナ海(South China Sea)での人工島建設についても正当化している。中国国務院(内閣に相当)は白書の中で、人民解放軍(People's Liberation Army、PLA)海軍は今後、「近海防御」のみではなく「遠海防衛」も重視していくと述べた。同時に空軍は「『国土防空型』から『攻撃と防御兼備型』」へ転換するとしている。また陸軍は世界規模の機動力を増強し、砲兵部隊は「中・長距離の精密照準爆撃」に備えて強化すると述べている。参照記事

1575283これに先立ち、中国共産党機関紙である人民日報系の日刊紙「環球時報」は25日付で、「米中が南シナ海で軍事衝突する可能性が大きい」と題する社説を掲載した。米軍が「挑発」と「侮辱」を続けるなら、「中国軍は尊厳のために戦う」と論じた。環球時報の社説は、さらに、米軍は「間接的にフィリピンとベトナムの支持を得て、中国の島建設に挑発を加えた」、「米軍は中国との『摩擦の臨界点』に迫っている」と主張。  中国としては「譲れない最低ライン」は埋め立て工事の完成であり、「もし、米国の譲れない最低ラインが中国の埋め立て工事の停止であるならば、米中の南シナ海における一戦は不可避」と論じ、米軍に「中国に“教訓”を与えようという狂った妄想」があれば、衝突の回避は極めて難しいと論じ、「中国軍は尊厳のために戦う」と主張した。、、参照記事

vgf中国の習近平シージンピン国家主席は2015年5月17日、北京を訪問したケリー米国務長官と人民大会堂で会談し、中国が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で進める岩礁埋め立てをめぐる米中間の摩擦などを念頭に、「双方は意見の違いを適切に管理・解決し、両国関係の大局が妨げられないようにしなければならない」と述べ、同時に、「すでに何度も言ってきたことだが、広大な太平洋には中米二つの大国を受け入れる十分な空間がある」と主張。中国が「核心的利益」と位置づける南シナ海の海洋権益について、米国が干渉すべきではないとの中国の立場を強調したと言われている。参照記事

習近平国家主席は顔がでかいだけでなく、つらの皮も厚いのだろう。米国に向け「互いに世界を2分する大国だ。どうだ?米中で太平洋を分けようではないか」と持ちかけた。
米国がいい顔をしないと見るや今度は威嚇である。調子に乗ったお抱え機関誌は、一気に戦う姿勢を書き殴る。戦争などする気もなければ、できる訳もないのにこの調子だ。
迷惑なのは、国境を接する周辺国で、日本もそんな立場にいる。今後日本へは、強面(こわもて)で物を言ってくるだろう。こんな、毎度自ら騒動を起こして、挙句に、国際法無視の侵略を防御と言って被害者面する相手に、ヘラヘラして付き合っていくのが賢明か、老害ただよう自民党にはよく考えてほしいものだ。国際法無視の例をあげれば、国際法は、国家が排他的経済水域EEZ内部に人工島を建設することを認めているが、海洋権益の主張は自然に形成された地形だけを基盤にできると規定している。人工的に島を拡張し、その人工的な海岸線から何カイリが領海だと主張すること自体がナンセンスであり、吠えるほどに、金で買えない国際的信用を失っているのを理解できない、行儀知らずの大国である。 過去ブログ:2015年5月CNN取材班が米軍偵察機で中国軍事施設上空を飛行
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過去ブログ:2015年5月2015/5/23 ISの動き イラク シリア     イラク軍はバイジ、ラマディで苦戦 イラク  への継続記事

baiji2015年5月26日:イラク最大の精油施設oil refineryを抱える北部バイジBaiji(Beiji)へは、2015年4月下旬からイラク合同軍の攻撃が本格化し、ここ数日はイラク軍が勝利し、地域を奪還したといわれていた。
しかしその実態は、市郊外の広大な地域に広がるバイジ製油所はISに破壊され、製油所のいたるところから黒煙が上がっている。最近ISが公開した記録映像の記事では、ISは9か所で施設を破壊したとある。イラク軍は、劣勢なISが道路や施設に多くの爆弾を仕掛け、また石油施設を破壊することでイラク軍の進撃を妨害しようとしたと語っているが、戦況を客観的に見れば、空軍の支援があり、兵員数や武器ではるかに有利なイラク軍の士気の無さや作戦の甘さが原因と思われ、このことは米軍も指摘している。精油施設からISは敗退したようだが、イラクにとって被害は甚大で、決してイラク軍の勝利とは言えないだろう。現在イラク側のバイジ周辺での掃討が進行中で、25日、15人を殺害し、3件のISの自爆テロが確認され、300個余りの爆発物を処理したと報告されている。英文記事 参照記事

e3ed4926indexバイジBaijiからハディーサ Haditha間の道路では、かなり以前からイラク側によりISは排除され、ハディーサ Hadithaはアンバル県province of Anbarで唯一イラク政府軍が安定的に制圧していた。ラマディへのイラク側の反撃が始まるとすぐに、ISはハディーサへも兵員を送り込んだといわれていた。5月23日夜、バイジから野菜など食料などをハディーサへ搬送していた商人ら16人が道路上で拉致され、その後、銃殺やのどを切られるなどで処刑されたと報道された。遺体は、ISに強制された住民により発見され埋葬されたといわれる。ハディーサでの攻撃では22日早朝、IS-French-suicide-bombers-Hadithaシリア国境に近いアル・カイムAL Qaimからハディーサへ乗り込んだ2名のフランス国籍のIS兵士:写真右下 が、車に爆薬を搭載して自爆テロを行ったとIS側が公表しているが、西側メディアは確認していない。ハディーサは3方向からISの攻撃を受け、現在もイラク合同軍との激戦が続いているとされる。参照記事

ハディーサの住民によれば現在、バグダッドで50キロ30ドルの小麦が、ハディーサでは900ドルにまで高騰していると言indexわれる。ISは通常、生活物資の運搬に関しては黙認する代わりに通行料を徴収している。ここでも、イラク軍の対応が後手に回っているように見える。ハディーサの重要性は、近くにモスル・ダムMosul Dam)に次ぐ、イラク第2の水力発電ダム、ハディーサ・ダムがあり、電力と給水を首都バグダッドに行っているからで、過去2014年6月には、ISにダムが制圧されかかった事がある。過去数週間前にイラクの軍高官は、バイジは数日、ラマディは数時間で奪還できると豪語していた。イラク合同軍の、ラマディRamadi、ファルージャFallujahの奪還は、まだ成功していない。
018071576_30300-660x330-650x32525日には、バグダッド北部アル・サイディア地区al-Saidiyah District南部のバークバBaqubahにあるISの秘密軍事キャンプ secret military campを破壊したと地元警察が発表している。首都からは55キロほどで、周辺には手製地雷( improvised explosive devices ;IEDs)の製造所や戦死したISリーダーの墓もあったとされる。首都への爆弾テロ攻撃の基地だったのだろう。また、26日の記事では、有志国軍はモースル東部の村へ相当な空爆を行い、クルド側が、IS側に相当な死傷者が出ていると報じている。また、サマッラSamarra東部でイラク合同軍は、124名のIS兵士を殺害し、多数の装甲車を破壊したと報じ、同記事はサマッラ西部でIS70名を殺害したとしている。 英文記事 英文記事 英文記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2014年6月追記:日増しに複雑になるイラクの状況
nappi11 at 09:52│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

1198407222015年5月25日:中国とタイは広州でクラ運河協力覚書に調印した。クラ運河プロジェクトは10年がかかり、投資額が280億ドル(約3,4兆円)。開通するとマラッカ海峡に代わり大きな役割を果たすと思われる。寧波海事局公式微博(ウェイボー)が15日に公表した。台湾サイト「中時電子報」の18日付報道によると、クラ運河はタイのクラ地峡から太平洋のタイランド湾をインド洋のアンダマン海と結ぶ運河で、完工 すると、国際海運はシンガポール、マラッカ海峡を通らずに済むため、航程は少なくとも約1200キロメートル短縮され、運航所要時間を2-5日間短縮可能 である。10万トン級タンカーで試算すれば、1回に35万ドルの運賃を削減できる。、、参照記事 調印を報じる別記事:参照記事

ここまで詳細に2015年5月19日付けの「新華ニュース」が報じたが、5月21日の「バンコク週報」は、この計画の全面否定の記事を載せた。

「タイ南部のクラ地峡(Kra Isthmus)にアンダマン海とタイ湾をつなぐ運河を建設するためタイと中国が協力して事前調査を実施することになった」と中国などのメディアが報じていることについて、プラユット首相は5月20日、「そんなプランはない。ばかげている」と全面的に否定した。クラ地峡の幅は44キロほど。報道では、先に中国で2国間協力に関する覚書が取り交わされたことになっている。なお、クラ運河の建設については、以前からたびたび話が出ているものの、巨額の費用が必要なことから具体化には至っていない。、、、参照記事

Martiallawth_001というもので、(「新華ニュース」(xinhuaxia.jp)は、中華人民共和国の国営通信社「新華社」とは無関係) 誤報というには随分とスケールの大きな誤報である。もっとも、領土権の明確さなど無視して「ここは自国領だ」と言い切る中国のこと、自国の構想を優先して、他国の開発行為や計画を勝手に公表するなど、なんとも思っていないだろう。ここに運河を通す計画は、遠く1677年には在ったと言われる。タイは現在、軍主導の暫定政権が、軍人のプラユット首相:左 を立て、鉄道計画などで中国寄りの政策をとっていると言われ、彼の就任以前から鉄道事業を売込み中の日本を揺さぶっている。マレー半島の先端にあるシンガポールは都市国家で、シンガポール共和国とも表記し、華僑が経済を握っている。タイの運河計画は、シンガポールの地理的優位性にマイナスの影響を与えると言われる。いろんな憶測ができるが、本土共産党のタイ軍事政権との関係強化を嫌った華僑が、わざとタイが困る状況を演出したとも、裏工作の終わっていないタイ暫定政権が公表を控えていたとも思える。はたしてこの食いちがいは、、? 


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iraq中東のメディア・アルジャジーラを基に、2015年5月23日のイラクの戦況を記録する。参照記事
5月22日までの状況は。過去ブログ:2015年5月バグダッドから東59キロで激しい戦闘 イラク
 ラマディ付近の戦況図 イラク

イラク政府は、米国主導の有志国軍の空爆が、ISの侵攻に効果を上げていないと非難し、相互が作戦協議に入っているようだ。以下の戦況は、右の地図を参考に。

ラマディRamadi~ファルージャFallijah間には、戦略上重要なハイウェイーがあり、その道路上のハバニヤHabbaniyah村南部のイラク軍基地ハバニヤ・キャンプCamp Habbaniyah(Habbaniyah military base、al-Habbaniyah military camp)に数千のシーア派民兵、イラク治安軍、スンニ派部族民兵などが終結し、ラマディ攻撃の準備に入っているといわれる。
ラマディのISは23日、ラマディの東7キロのフセイバ村Husaybah(al-Hasiba)を制圧し、更に東のカリディアKhalidiyaで(ラマディから23キロ東)イラク合同軍と戦闘状態にある。イラク側は集結拠点で作戦本部を置くハバニヤ・キャンプAl-Habaniyah military baseを防衛するため、カリディアを最前線としてISの東進を食い止め、ラマディ攻略の戦闘に早急に行移行したいようだが、ISは、イラク軍や空爆の準備が整わないうちに、イラク軍をラマディ東部で撃破しようと急いでいるようだ。23日イラク軍は5個の連隊からなる急派部隊rapid reaction forceを先遣イラク軍支援の為ハバニヤ・キャンプに派遣している。参照記事

23日遅くの別報道では、イラク合同軍は22日にカリディアKhalidiyaを、23日にフセイバ村Husaybah(al-Hasiba)を開放したとされるので、イラク軍は一気にラマディに接近したようだ。
同時にISは、アンバル県西部で唯一、イラク側が制圧している都市ハディーサHaditha方面のチェックポイント攻撃に部隊を送り込んでいる。ラマディ西部からの攻撃を防ぐためだろう。
イラク側による激しい攻撃で、21日にイラク側が制圧したといわれるバイジ石油施設Baiji refineryからハディーサHaditha間の幹線道路は5月上旬にはイラク側が制圧しており、すでにバイジから多数のイラク治安軍、シーア派民兵がアンバル県に向かっている可能性が高い。参照記事

2015 4 23イラク西部、アンバル県南西部には、ラマディからシリアのダマスカス方面に抜けるアルワリドAl-Walid(Al Waleed)国境検問所があるが、シリア側アルタナフAl-Tanaf(At Tanaf)検問所を防衛していたシリア政府軍が5月21日、シリア側ISの攻撃で敗退したと報じられた。記録映像
ISが、シリア側から支援部隊を送り込む作戦の一環と見ていいだろう。ISは空爆でかなりな損失を出しているが、地上戦では過激な自爆攻撃でイラク軍の戦線を突破してきている。スンニ派が多く、多くのスンニ派部族民兵がISに参加しているアンバル県では、イラク軍は決して有利ではないだろう。特にイラクのマリキ政権時、露骨にシーア派偏重、スンニ派冷遇の政策を取ったため、スンニ派部族民には、ISの方が信用でき、統治能力があるとする住民も多いと言われる。また、イラク合同軍内部からは不許和音が出ており,反ISスンニ派部族からは、スンニ派自治地域防衛のためにイラク政府は、十分な武器支援をスンニ派部族民兵にしていないとの不満と不信感が増大していると言われる。

イスラム過激派組織「イスラム国」がイラク西部アンバル県の県都ラマディを制圧したことについて、カーター米国防長官は24日放送のCNNテレビのインタビューで、「イラク軍が戦う意思を見せなかっただけだ」と語った。オバマ政権高官がイラク軍を厳しく批判するのは異例のことで、ラマディ陥落へのいら立ちの強さを示している。カーター氏は「数で圧倒的に勝っていたにもかかわらず、戦うことをやめ、戦場から撤退した」とイラク軍の士気の低さを嘆いた。その上で、「私たちはイラク軍に訓練や装備を提供できるが、『戦う意思』まで提供できない」と語った。参照記事 
地図の元は2015年4月AFPのものだが、筆者の判断でバイジBaijiなどをイラク政府支配のマークに編集し、加筆してある。灰色部分はIS活動地域だが、メディアによって判断が違う。シンジャルSinjarは戦闘中と修正したが、クルドが制圧したとの判断もある。

palmyrapalmyra_part_deux12015年5月24日:シリア中部ホムスHoms県の古代都市パルミラ(Palmyra:写真右)がISに制圧されたことが問題になっている。一帯は人口過疎な砂漠だが、付近にガス田のあることは、アサド政権にとって重要なことだろう。また、北に2キロ離れた al-Amiriya方面の山間部にはシリア軍の武器庫weapons depotが2ヶ所あり、東部にはシリア軍の軍用飛行場、ほかにシリア軍の刑務所もあり、この地域への攻撃が、かなり戦略的なことを思わせる。参照記事
シリア軍が撤退したパルミラ遺跡28EE343600000578-3090600-image-a-1_1432198248013のある街タドムル(タドモルTadmur=Palmyra)では、少なくても400人の住民が斬首され処刑されたと言われ、通りに横たわる女性や子供を含む遺体の写真が公表された。5月20日に街を制圧したIS組織の犯行といわれ、処刑されたのは多くがアサド政権支持者だったとされる。イラクで劣勢のISは、シリアでは支配地を増やし、アサド政権は2011年3月の民衆蜂起以降、シリアの国土の4分の3以上を失っているとされる。人口でみた場合、フランスの地理学者でシリア専門家のファブリス・バランシュ(Fabrice Balanche)氏によると、アサド政権側の支配下にあるシリア国民は、全人口の50~60%に当たり、一方、ISの支配地域には全人口の10~15% が、アルヌスラ戦線など反体制派組織の支配地域には20~25%が、クルド人勢力の支配地域には5~10%が、それぞれ暮らしているという。参照記事 パリミラの紹介映像と記事 英文参照記事 英文記事

24日付けのAFPは、イラク政府軍が23日、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が今月17日に制圧した同国アンバル(Anbar)県の県都ラマディ(Ramadi)近郊の町を奪還したと複数の指揮官の情報を伝えている。ラマディから東へ7キロのフセイバHusaybah奪回作戦にはイラク軍の他、地元と連邦の警察やイラク内務省の緊急介入部o-RAMADI-900隊、地元のイスラム教スンニ派の一部もイスラム教シーア派(Shiite)民兵組織と共に、一部地域スンニ派民兵が参加するISと戦っているといわれ、このことでイラクのスンニ派部族は、同族同士で血を流す現実に直面している。イラク軍は、フセイバよりさらに西のジュウェイバ(Jweibah)へ進撃しているともされるが、地図上で確認できなかった。
ラマディから避難した家族は、フセイバに近い、ユーフラテス川にかかるブゼビズ橋Bzeibez bridge付近で夜を明かし、当初イラク政府は橋でのバグダッド方面への渡河を許可しなかったが、現在は許可され、一部はバグダットを目指して歩いている。渡河禁止だった理由は、避難民にIS兵士が紛れている可能性があるからだったとされる。
(AFPは県や州を意味するProvinceを州と訳しているが、制度上イラクは連邦共和国だが、実際には、国内多数のスンニ派を警戒してか、クルド地域 以外には、米国の州Stateほどの自治権も無いばかりか認めようとせず、またシリアではProvinceを県と訳すのが一般的なので、このブログではイ ラクのProvinceを県と訳している。今回の全土的な紛争は、地方のイラク中央政府への不信に、ISが乗じたと言ってもよく、サダム政権崩壊後の、マ リキ政権の失政と筆者は思っている。これは、反政府派市民を一方的に弾圧した、シリアのアサド政権の失敗にも似た部分がある。) 映像
 参照記事 参照記事

Palmyra143234427100012015年5月26日:シリア軍はオアシス都市パルミラに侵攻したISに対し猛烈な空爆を続行中で、空爆は約1週間ですでに160回に及んだと26日報じられた。少なくても50人以上のIS兵士を殺害したとされるが、これで首都ダマスカスや中部ホムス(Homs)に攻勢をかけられるようになったISの、ダマスカス方面への南下を止めるまでに至っていない。ISはすでに、パルミラの南70キロにある、リン鉱石の鉱山を占拠したとされる。市内部からの情報では、26日時点で、遺跡の破壊は起きていないと報告されている。しかし関係者は、ISはこれまでにイラクで遺跡の破壊行為を繰り返しており、2000年前のシリアのユネスコ遺産が破壊される危機感を捨て切れていない。地図で見れば、シリア中央のパルミラに位置するISは、シリアの各紛争地への攻撃が有利になるが、すでに書いたように、シリア政府軍は猛烈な空爆を繰り返しているので、今後の戦況は予想がつかない。映像記録には、逃げまどうシリア軍が映っているが、なぜシリア空軍の攻撃ができなかったかの説明は無い。 映像:26日公開されたパルミラの映像 参照記事 IS側から撮影の、敗退するシリア軍を攻撃の様子 制圧された市内
nappi11 at 00:23│Comments(1)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
2015年2月21日f23eb4faアウストラロピテクス・アフリカヌス(Australopithecus africanus:A・アフリカヌス)は初期のヒト科生物である猿人の一種で、2-3百万年前の鮮新世にいた。この種より古いアウストラロピテクス・アファレンシス(Australopithecus afarensis:アファール猿人、エチオピアのルーシー "Lucy" が有名)と同様、A・アフリカヌスは体格がほっそりとしており、現代の人類の直接の祖先と考えられている。過去ブログ:2011年2月人類の320万年前の完全な二足歩行確認される。

英国ケント大学の古人類学者マシュー・スキナー氏の研究チームは、A・アフリカヌス手の骨の化石を解析することで、300万年以上前の初期人類が道具を使っていた可 能性があることを『サイエンス』誌2015年1月23日号に発表した。これまでに見つかっている最古の石器は250万年前のものとされているが、今回の結 果はそれを50万年さかのぼる。

611931ad研究チームは、現生人類(ヒト)とチンパンジー、ネアンデルタール人、アウストラロピテクスほか初期人類の手の骨について、内部の海綿質という網目構造 のパターンを比較した。ヒトのように日常的にものをつまみ、叩き石をつかんでいれば、この網目構造パターンに痕跡が残る。

この研究で、アウストラロピテクス・アフリカヌス(A・アフリカヌス)という初期人類について重大な事実が判明した。類人猿の手の骨にはなかった網目構造パターンの痕跡が手の骨に見つかった。手のひらを形づくる(第一)中手骨の海綿質に、地面に握りこぶしをついて歩いたり、木に登ったりする動作ではできず、 「道具を使うときに、親指と他の4指を向かい合わせて力を入れる動作」のパターンが見られたのだ。

200908050054250a1image17古人類学者たちは、初期人類が道具を使い始めた時期をめぐって、以前から論争を繰り広げてきた。人類特有の生存技術として最初に示されるのが、道具 の使用だ。ここ数十年の間、200万年ほど前に生息したホモ・ハビリス(「器用な人」の意)という原人が最古の石器を作ったとされていた。

01ところが2000年にエチオピアで約250万年前の道具が発見され、道具の出現時期は従来の説より50万年以上も前にさかのぼることになった。今回の研究は、石器の現物はないが、親指の骨の解析から、もっと古くから道具が使われていたという説を裏づけるものだ。研究チームによると、鋭くとがった石の破片をつまんで「骨から肉をはがす」といった、精密把握と呼ばれる動作では、骨に大きな負荷 がかかるという。人類が進化の過程で道具を使うようになった時期を見きわめるには、手の骨の外見を見るよりも、その内部構造を調べ、継続的な動作によって 形成されるパターンを見つける方がはるかに良い方法だ。これなら実際に使った道具が見つからなくても、使用していたと証明することができる。

 この研究結果は人類の祖先が少なくとも300万年前には道具を使っていたことを示すもので、考古学者が新たに石器を探す際のヒントとなるだろう。参照記事を編集

今回のA・アフリカヌスより古いエチオピアのルーシー "Lucy"に代表されるアウストラロピテクス・アファレンシス(Australopithecus afarensis:アファール猿人)の手の指の化石や石器は発見されていないので科学者は明言していないが、約320万年前のルーシーの2足歩行が確認されていることから、人類の祖先は、約320万年には立って歩き、道具を使っていた可能性が高い。しかし、アウストラロピテクス・アファレンシスが石器を使ったという証拠はまだなく、現在見つかっている*最も古い石器は約250万年前のものである:写真下olduwan-chopping-tool 参照記事 参照記事 

人類の祖先にだけこだわれば、約440万年前の地層から発見されたラミダス猿人ラミドゥス猿人:エチオピア)こそが現代のヒトの祖先と呼ぶにふさわしいとの説もある。新たな発見と解明が待たれる。

*エチオピアGona, Ethiopiaで発見されたアウストラロピテクス・ガルヒAustralopithecus garhi が使ったとされる最古の石器は、約250万年前の遺跡から出土した。レイヨウ(アンテロープ :Antelope) のスネの骨には硬いもので打ち付けた傷が何カ所も残っており、石器で骨を割って中の骨髄を食べていたことをうかがわせる。参照記事 過去ブログ:2011年11月200万年前のご先祖様の肖像画 2010年4月Missing Link(ミッシング・リンク)の発見

20150521-00000005-jijp-000-3-view20150521-00000006-jijp-000-3-view2015年5月21日:ケニア・Kenyaトゥルカナ湖Lake Turkana近くの約330万年前の地層から原始的な石器3.3-million-year-old stone tools 149個を発見したと、国際調査隊が21日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

人類最古とみられるが、人骨化石が一緒に見つかっておらず、作り手がはっきりしないという。当時は森林や低木が多い環境だったと推定され、木の実を割ったり、朽ち木を壊して中にいる昆虫を食べたりするのに使っていた可能性がある。これまで人類最古の石器とされていたのは、エチオピアで発見されkenyastoneた約260万年前の石器で、今回の発見で更に70万年さかのぼることになる。ルーシーの起源がさかのぼるのか、あるいは、さらに古いアウストラロピテクス属の祖先が存在したのか?あるいは石器の発見場所から、1999年にケニアのトゥルカナ湖西岸地域で化石が見つかった、350万年前から320万年前ごろに生きた猿人の一種 ケニアントロプスプラティオプス(Kenyanthropus platyops:学名は、「ケニアの扁平な顔の人」の意 つま先の特徴から直立二足歩行していたと推測)の残したものだろうか? 映像記事 記録映像 参照記事 英文記事 英文記事 英文記事


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B3D09D97-3EDA-433F-B797-13F17AE4D9AD_w640_r1_s南シナ海上空(CNN) 中国海軍は南シナ海上空を飛行する米軍の偵察機に対し、2015年5月20日だけで8回にわたって警告を発した。CNN取材班はこの偵察機「P8Aポセイドン-  U.S. Navy P8 Poseidon aircraft」に初めて搭乗を許可され、独占取材を行った。偵察映像

中国が南シナ海に相次ぎ人工島を建設して軍事施設を増強していることに対し、米国防総省は警戒を強め、中国の領有権に関する主張を米国が認めていないことを誇示する目的で偵察飛行を行っている。人工島の建設に対しては米国の同盟国も懸念を強める。

国防総省がメディアによる取材を初めて認めた背景には、人工島が投げかける問題や米国の対応強化について世論を喚起する狙いがある。

中国が米国の対応を歓迎していないことは即座に分かった。「こちら中国海軍。こちら中国海軍。どうぞ退去してください。誤解を避けるために"This is the Chinese navy ... This is the Chinese navy ... Please go away ... to avoid misunderstanding,"」。取材班が搭乗した偵察機は、無線通信でそう呼びかける英語の音声を受け取った。これに対して米軍側は一貫して、P8は国際空域 international airspaceを飛行していると繰り返す。この応答にいら立って、1度は「こちら中国海軍。出て行け!"This is the Chinese navy ... You go!"」という反応が返って来た。国防総省が中国の建設作業現場の映像や米偵察機に対する警告音声を公表したのは初めて。偵察機は最も低い時で1万5000フィート(約4572メートル)の高度を飛行した。米軍はこの地域でプレゼンスを高めるため、偵察機や軍艦で人工島にさらに接近することも検討中だ。

south-china-sea-cnn620日の偵察は3つの人工島の監視が目的だった。ファイアリー・クロス礁Fiery Cross Reef:左 やミスチーフ礁Mischief Reef:下 では埋め立てや建設の作業が盛んに進められている様子が見えた。数カ月前までは小さな岩が点在するだけだった海上が埋め立てられて大規模な建設作業が進められており、米国はこうした島が近いうちに軍事施設として実用配備されることを危惧する。中国はわずか2年の間に人工島の面積を8平方キロ以上も拡張した。P8の監視カメラがとらえた映像には、ファイアリー・クロス礁に早期警戒レーダー基地や 軍の兵舎、監視塔、滑走路が映っている。滑走路は中国軍のあらゆる戦闘機が使用できる長さがあり、一部では「中国の不沈空母」とも呼ばれる。

scs19この空域は軍だけでなく民間の航空機も飛行する。米デルタ航空のパイロットが同じ周波数を使って民間機であることを伝えると、無線通信の相手は「中国海軍」と名乗り、デルタ機はそのまま飛行を続けた。建設作業が進むほど、中国海軍の米軍機に対する警告の頻度や攻撃性は高まると米軍司令官は予想する。参照記事 英文記事 過去ブログ:2014年10月南シナ海の紛争地に軍事滑走路完成 中国 9月領海問題で中国人襲撃相次ぐ 1名死亡 フィリピン 2012年8月領土問題に明確な戦略を 8月世界海軍史最悪の中国海軍の蛮行と領有権問題まとめ 2011年4月フィリピンが日本、米国にSOS。南沙(なんさ)諸島問題

2015年5月22日:米国防総省のウォレン報道部長は21日、中国が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で岩礁を埋め立てて造成している人工島について、米軍機を島から12カイリ(中国主張の領海 約22キロ)内に進入させるのが「次の段階」と記者団に明言し、中国主張の領海は、あくまでも公海として監視飛行を行い、あえて挑発する意向を示したが、具体的な行動時期については説明はされなかった。後付けの中国領海の主張は別として、現状は埋め立て地域上空は公海上とされ、民間機も飛行し中国側は黙認している。「出ていけ」と言われるのは中国の方だろう。 参照記事


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