2015年04月
そんな矢先、フィンランド国防省は2015年4月28日、同国海軍が首都ヘルシンキ(Helsinki)沖で潜水艦とみられる物体を発見し、警告したことを明らかにした。国防省発表によると、ヘルシンキ沖の領海内の領海線近くで巡視活動を行っていた海軍艦艇が27日正午(日本時間同日午後6時)ごろ海中に不審な物 体があるのを探知した。夜になって再び不審な物体を発見したため翌28日午前3時(日本時間同日午前9時)ごろ、水中爆雷を発射した。2014年10月にはスウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)近海で外国のものとみられる「謎の潜水艦」が目撃され、同国海軍が大規模な情報収集活動を展開したが、その正体は特定できなかった。写真はフィンランドの沿岸警備艇
フィンランド側は調査結果待ちとしているが、北大西洋条約機構(NATO)に加盟していない両国に、NATOとの距離を置くよう促すロシアの警告メッセージなのは歴然としている。現在世界で、こんな行動を取る、あるいは取れるのは、核保有国のロシアと中国、米国くらいしかいない。特に中露の「憂慮」は自身の軍事行動を正当化し、チンピラまがいの威嚇行動に出るのは過去の事例が多く物語っている。フィンランドのスポークスマンが、あえてどこの国の潜水艦か分からないと発言することで、フィンランドの政治的立場の複雑さが分かる。
もしこの不明な潜水艦がロシアのキロ級潜水艦Venäläinen Kilo-luokan sukellusveneだとすれば、全長約70m、高さ15mで、ロシアはこのクラスを2隻バルト海に配備しているといわれる。
フィンランド政府はロシア潜水艦とは公表していないが、写真はフィンランドの記事から、ヘルシンキのマンネルヘイム通り Helsingin Mannerheimintieにこの潜水艦を置いた場合の合成写真。発見場所は浅い海域といわれるが、それでも深さは40~80mあるとされる。 参照記事
すでに公開された中国側のパキスタンでの事業投資には、石炭などの資源開発、火力、水力、太陽光、風力発電の発電所建設、鉄道、道路整備などの大型投資が 計画されている。この計画では、パキスタンからヒマラヤ山脈を抜ける道路整備が必要になり、すでに環境破壊が懸念されている。急速な経済発展で、とくに国 全体で67%台の電力供給率は深刻な問題で、一部で天然ガスは産出するがパキスタンは資源輸入国で、インダス川を利用した水力発電の充実が期待されてい る。現在インダス川 Indus River(インダス川本流の93%
石油施設があるバイジ近郊は依然としてISにされていて、イラク軍は再攻撃を準備している。激しい戦闘はバグダッドBaghdadの西、砂漠地帯が広がるアンバル県AnbarのラマディRamadiなどで継続している。バグダッド市内では相変わらず車爆弾テロが多発し、市民が犠牲になっている。参照記事 過去ブログ:2015年4月爆破テロ相次ぐ首都バグダッド、ラマディ陥落か?イラク
イエメン紛争は、戦闘が南部Adenに集中している状況で、解決は程遠く、難民、食料問題が深刻となっている。参照記事 過去ブログ:2015年4月イエメンの大混戦の状況と米国の苦悩
シリアでは、反政府府側イスラム組織(ISは含まず)は合同軍ファタハ、ファトフAl fatah軍を結成してイドリブ県のイドリブ市dlib、Jisr al Shurgurを占拠し、さらに近くの軍事上重要なシリア軍の軍事基地al Qarmid military camp(al-Kurār Military Camp)を攻略したしたことは、シリア軍の弱体化を象徴するといわれている。反政府側は、アサド支持のアラウィー派(Alawite:シーア派に分類)の拠点であるラタキアLatakia,激戦地アレッポSAreppo,両地域への攻撃が有利になった。反撃するシリア軍は、イドリブなどへ塩素ガス弾を投下し、民間人からの犠牲者が報告されている。過去ブログ:2015年4月首都ダマスカス数キロにISが侵攻 シリア 映像;ヌスラ戦線Jabhat al-NuṣrahによるalQarmid military camp(al-Kurār Military Camp)攻撃 2015年3月シリアの反政府側を支援し続ける米国 ラタキアで攻防戦か 2013年10月反政府側は分裂か再編成か?シリア 2013年7月アラウィー派攻撃を予告する反政府組織 シリア 参照記事 参照記事
2015年4月29日:イドリブ市dlib、Jisr al Shurgurの反政府側の占拠に際し、トルコが、物流や武器支援で便宜を図ったとして28日シリアTVが避難する報道をしている。反政府側への武器支援は、ヨルダン側とトルコ側からと以前から言われている。現在国家として、公にシリア支援を表明しているのはイランしかいない。共に反スンニ派、IS、イスラエルで協調関係にある。シリア軍は現在ISと東部ハサカHassekeh(Hasakah)市郊外で戦闘中 参照記事 参照記事
27日のAFPは、今回のネパール地震Nepal Earthquakeでのネパールでの死者は2430人、負傷者は約6000人。インド当局によると、同国では67人が死亡。また中国国営メディアは、チベット(Tibet)地方で18人が死亡したと伝えた。人的被害は今後さらに増えるといわれ、ロイターは27日、死者数が3218人に達したと報じ、外信で3350人以上の被害を報じている記事もある。大規模な雪崩で日本人1人を含む17人が死亡したエベレストでは、外国人など数百人の登山者がなお下山できずにいる。ネパールでは1934年に8500人の犠牲者を出した大地震が発生しており、今回はそれに次ぐ規模となっている。地震発生から1日後の26日に、カトマンズ出身のキショール・ラナさんがドローンを飛ばしてカトマンズ上空を撮影した動画が27日に公開された。参照記事 地図は震源地と、各国の位置 参照記事 参照記事 参照記事 MailOnlineによる写真報道と英文記事 映像つき英文記事
震源の断層は首都カトマンズ一帯の東西150キロ、南北120キロに及び、場所によっては4.1メートル以上ずれたとみられることが26日、八木勇治・筑 波大准教授(地震学)の解析で分かった。エネルギーは同じく都市直下型だった阪神大震災の約30倍だったうえ、カトマンズ直下が最も大きくずれたため、被 害が拡大した可能性がある。地震は陸側のユーラシアプレート(岩板)と海側のインド・オーストラリアプレートの衝突帯で起きた。米地質調査所(USGS)によると、震源はカトマンズの北西約80キロ、深さ約15キロだった。参照記事 参照記事
日本時間の27日夕方ロイターは、死者、死者が3726人になったと明らかにした。政府当局者の間では、死者が5000人に達するとの見方もある。同国の震災規模としては81年ぶりの大きさと報じている。明日28日、生存の限界といわれる、地震後72時間を迎える。 参照記事
2015年4月28日:国連(UN)は28日、ネパールで25日に発生したマグニチュード(M)7.8の大地震による被災者は推定800万人に上ると発表した。ネパール内務省によると、死者数は28日までに4310人を超えている。 国連の報告によれば、140万人以上が食糧支援を必要としており、水やシェルターなどの支援も不足している。ネパール首相スシル・コイララSushil Koirala氏は、できることはすべてしているが、状況に圧倒されていると語り、死亡者名は1万人の可能性もあるとしている。すべてが不足する中、暴動の発生も懸念されている。ネパールは、世界中からの支援を求めているが、首都カトマンズKathmanduの飛行場には、世界中から支援物資届ける飛行機が集中して大混雑となっており、一部の飛行機は着陸できずに引き返している。また、今後の天候によっては、地滑りなどの二次災害も心配されている。 参照記事 参照記事
日本政府は2015年4月28日、ネパール大地震の被害への対応で、ネパール政府側の要請を受け、110人規模の自衛隊を国際緊急援助隊として派遣する と発表した。医療活動などを行うことを想定している。同日深夜、同隊第1陣として20人前後をカトマンズに派遣する予定だ。このほか、医療活動に必要な物 資などを、航空自衛隊の輸送機で輸送する。 政府はすでに、26日に警察や消防など70名からなる同隊・救助チームの派遣、27日には医師や薬剤師など約45名からなる同隊・医療チームの派遣を、それぞれ決定している。自衛隊はこれらに続く派遣となる。 また、資金・物資の面では、26日に国際協力機構(JICA)を通じての2500万円相当の物資(テントや毛布など)の援助を決定し、さらに27日には10億円規模の無償での資金協力も予定している。参照記事 過去ブログ:2012年3月環太平洋火山帯周辺の火山、大型地震随時記録など
2015年1月16日、アメリカ海洋大気庁(NOAA) とアメリカ航空宇宙局(NASA)は、2014年は観測が行われた135年間の中で最も暑い年だったと発表した。NOAAによると、2014年の地表面と海面の温度を合わせた平均気温は14.57度だった。これは20世紀の平均を0.69度上回っている。世界の平均気温は地表面で1度、海面で0.57度上回っている。気象学者は明確に、化石燃料の燃焼によって発生した温室効果ガスの増加とその原因を明言している。
2015年4月24日、日本の2030年に向けての温室効果ガス排出量削減目標として、「25%削減程度(2005年比もしくは2013年比)」という数 字が大臣間で調整されているという報道があり、電力については、2030年時点で原子力が20~22%、再生可能エネルギーが22~24%で検討さ れているというその内容だ。WWFジャパンは、この目標では、日本は国際社会から「公平で科学的に妥当な」目標を掲げた国として認められることは困難であり、国際的な共通目標である「世界的な気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑えること」に十分に貢献するだけの目標とはみなせないと指摘している。
4年前、東日本大震災と福島原発事故を経て、私たちは、「このままではいけない」と感じ、エネルギーや社会のあり方を大きく変える決意をしたのではなかっ たのだろうか。しかるに今の議論では、「安定供給や電気料金を考えれば、原発を再稼働し、40年を超えて運転して、CO2の排出の多い石炭も安いから維持 するのが当然」という、以前と変わらない声が強く反映されている。現状は、不正や事故で期待通りに稼働しない原発への過剰な依存をそのままに、短期の経済性を重視した石炭の野放図な拡大によってもたらされた排出増で、他の排出削減取り組み効果が帳消しにされるという事態が起きている。私たちは、今こそ、再生可能エネルギーと省エネルギーの活用を突き詰め、低炭素社会へと、着実に移行していくべきである。そのためには、電力以外も含め た再エネと、省エネのポテンシャルをいま一度見直し、削減目標を野心的なものへと変えるべきである。それは、日本全体にとって大きなチャレンジかもしれな いが、同時に低炭素社会へ向けたビジネスチャンスをつかむことにもつながる。参照記事 参照記事
多額な国費の投資の前の、公務員削減を含む財政再建への懸命な努力をしているか?電力消費削減も恒常的にすべきだが、街灯などのLED化さえ十分ではない。ただで使える公共施設の屋上へのソーラーパネルの活用はなぜできない?ここへの設置は利潤追求ではないから、電力買取値段は破格に安くていいはずだ。狭い地域の、廃棄物利用のバイオマス発電などは推薦すべきことだが、不勉強な行政が足かせになっている。効率のよい地熱発電を輸出はしても、管轄の違いで、発電に有望な国立公園敷地内などへの設置は一向に進まない。現状維持が優先の役人発想では、野心的、挑戦的な政策遂行は望めない。
コスト面や効率からみれば、コメントのような意見もあるでしょう。十分承知していますが、上の引用記事や考え方は、狭い国土で災害の影響も多い日本での適正に問題はないかという見方です。現実に大問題を抱えたままです。人災だったといわれるチェルノブイリも同じく解決方法が見つからないままだ。公務員の問題は、給与や年金が民間平均を超えた現状で、民間への移行が可能な部分が相当にあるという見方で、まったくバッシングとは関係ありません。WWFの発言は、1997年の京都議定書の発案国としての日本の立場を再確認せよという指摘でしょう。過去ブログ:2011年4月官僚、天下り、御用学者につぶされるのか日本
シリア問題で国連は特使を派遣しているが、それが失敗に終わるのは協議前から予想がついた。その前には、ロシアの外相がアサドと交渉をしたが、アサドはその翌日には猛攻撃を各地で展開し、ロシアの面子は潰された。 そのことは 過去ブログ:2012年4月戦況悪化のシリア アナン特使の失敗 海上衝突も2012年4月破られたアナン和平提案>監視団拒否 シリア 2月和平協議翌日からの猛攻撃 非常事態のシリア に記録している。
ジョリー特使は、15の理事国からの外相会議を提案しているが、残念なことに、カギを握るのは拒否権を持つ中露の出方次第だろう。特使は「シリア難民たちはここに来ることができない。だから、あなたたちが会いに行ってください」と述べ、各国がシリアの現状を視察することを提案し、また、地中海で起きている難民の死亡事件にも触れている。また、彼女は多くの慈善事業に多額の寄付をしていることでも有名で、女優、映画監督、母親、慈善活動家、そして国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使といういくつもの顔をもつをアンジェリーナ・ジョリーさん(39歳)は、2015年の国際世論調査機関「YouGov(ユーゴブ)」の投票で「世界で最も尊敬される女性」に選ばれている。2014年末に全米公開された、第2次世界大戦中に日本軍の捕虜となった人物の半生を描いた映画『Unbroken』の監督でもあるが、願わくば、太平洋戦争史についてはもう少し研究してもらいたい。 過去ブログ:2013年4月ハリウッド女優がパキスタン少女の基金を支援 参照記事 参照記事
過去に、シリアに対する軍事制裁を唱えた人物がいる。やはり女性で、ヒラリー・クリントン氏だ。過去ブログ:2012年8月副大統領も政権離脱か?クリントンの訴え シリア そして、レオン・パネッタLeon Panetta前米国防長官は2014年10月7日発売の回想録の中で、オバマ大統領の人物像について、「理論武装のしすぎで、指導者としての情熱を欠いている」などと厳しく指摘している。過去ブログ:米国、限定的地上部隊の投入策を議会提出 イラク シリア
子どもを事故で亡くした母親や父親たちは、政府に抗議するため、集団で頭を丸刈りにし、遺族の要望で設置が決まった真相究明特別調査委員会は、調査委の構成などで政府と遺族が対立し、いまだに見通しすら立っていない。2015年4月11日には官邸への抗議行進を試みた光化門広場の集団を警察が催涙剤入りの高圧放水で鎮圧。多数の逮捕者が出たが光化門広場の熱気は衰えず、5月1日のメーデーまで異常事態が続く見込みだ。
朴槿恵大統領は1周年追悼行事として、4月16日正午に事故海域近くの焼香所で献花を予定していたが、遺族らは到着前に焼香所を施錠して面会を拒否。
2014年年11月可決の通称「セウォル号特別法」では「特別調査委員会」が設置され、中立な立場で事 故の真相を究明するはずだったが、行政当局は公務員主導とする「セウォル号特別法施行令案」を発表し、特別調査委の権限を縮小。この露骨な骨抜きに 遺族らが中立性を欠くとして猛抗議し、先の光化門広場での警察との衝突につながった。
また同法の施行令として、遺族に対する賠償・補償金の規模は、1 人当たり8億2,000万ウォン(約9,000万円)と一方的に報じられたが、これは行政当局が勝手に損害保険の保険金まで上乗せして水増しした数字で、 財源は海運会社の差し押さえで捻出され、国費は使われず、国の管理責任や事故直後の対応のまずさなどは反映されていないと遺族は主張する。
さらに、メディアは遺族が税金をせびっているというイメージをつくり、世論の分断が進んだことで遺族の不満を増加させたと言われている。実際世間の反応は冷ややかで、過激にも映る遺族と政府の、長引く対立への嫌気があるようだとも報じられている。映像:日本未公開 セウォル号 救助隊カメラの映像 ノーカット版 Korea
文筆人の但馬オサム氏は「彼らの言い分は、船の引き揚げもされず、原因の徹底究明もなされないうちに、補償の金額だけを提示する政府のやり方は、被害者たちの顔を札束で叩き黙らせるようなものだということらしい。 その気持ちも分からなくもありませんが、事故から1年、体育館を占拠し、笛や太鼓で大騒ぎしたり、政府をののしったり、彼らの行動に、当初は同情一色だった韓国世論も引き気味になっています。 これではゴネ得を狙った条件闘争とみられても仕方ないでしょう」と語っている。参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2014年7月:旅客船セウォル号沈没で、海洋警察艇長が虚偽報告で逮捕
どんなものが、どの経路で中国からタイに入るかは、過去の取り締まりの記事から見えてくる。
タイ当局は2015年2月8日夜、タイ東北部ナコンパノム県の第3タイ・ラオス友好橋の税関で、中国からベトナム、ラオスを経由してタイに入国しようとしたトレーラーの積み荷を調べ、腕時計、衣料品などの偽ブランド品約30万点、5億バーツ相当を発見、押収した。押収したのは「ロレックス」、「オメガ」、「カシオ」などのブランドの偽造腕時計約8万個、「ルイヴィトン」、「シャネル」、「エルメス」などのブラン ドのかばん、靴、ベルトなどの偽造品、アップル、サムスン、ソニーなどのスマートフォンの偽造品、違法コピーのH5N1型高病原性鳥インフルエンザ・ワク チンなど。
たった1台のトレーラーの積み荷でこれだけの摘発である。このことで、自国に入る密輸入品にも甘く、出ていくものにもノーチェックの中国の体質が読み取れると同時に、中国の国内経済の低迷が、こんなことにはけ口を求めているのではないかと思えてくる。 参照記事 参考記事:中国:偽造品根絶狙った廃棄実演、埋め立て品を地元住民が争奪 過去ブログ:2015年1月日本の首相中東歴訪と中国のインチキ商法 病死豚を大量に加工販売 合格証も役人が偽造 中国 中国の精巧な偽造硬貨欧州を狙う イタリー 英国 2014年2月中国産のカシミヤ原料にネズミの毛が、、。イタリー 2013年10月世界に偽薬を売り続け、低開発国を蝕む経済大国 中国
ホンダの航空機事業子会社「ホンダエアクラフトカンパニー」(本社・米ノースカロライナ州、従業員550人)の藤野道格社長は「現在、100機を超える受注があり、当面は年間80~100機の生産を行いたい」と語った。ホンダジェットは昨年12月20日、米国で量産型機の初飛行に成功。現在、販売に必要な米連邦航空局(FAA)の型式認定取得に向けて飛行試験などを続けている。今後、5機のテスト機で構造試験などを行う見通しで、来年後半に型式認定が行われた後、機体や生産施設が認可される。初号機引き渡し後の半年間で30機を納入する。価格は450万ドル(約3億7千万円)。米国での本格生産に向け、ホンダエアクラフトの従業員を約300人増やすことも検討している。参照記事全文
開発から25年と記事にはありますが、”HONDA”が本田宗一郎氏(左)の指揮のもと、飛行機用「HONDA倒立空冷V型8シリンダーエンジン」を開発したのは昭和30年代で、まだバイクしか作っていなかった昭和37年(1962)1月には朝日新聞紙上に『ホンダエンジンを載せた軽飛行機の設計募集』を載せていますから、実に夢の実現に50年を掛けたといえるでしょう。当時公募に作品を出した方のブログがあります。【ホンダジェット】量産型4号機初飛行映像 参考資料:本田宗一郎氏のエピソード 本田技研工業社史とエピソード2013年5月20日;ホンダの航空機事業子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニー(以下、HACI)は 20日(月)、スイスのジュネーブで開催されているビジネス航空ショー 「2013ヨーロピアン・ビジネス・アビエーション・コンベンション・アンド・ エキシビション」において、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の 試験用5号機が初飛行に成功したと発表した。 試験用5号機は、米国東部時間5月16日15時00分(日本時間5月17日4時00分)に HACI本社がある米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市の ピードモントトライアッド国際空港を離陸し、高度1万2,000フィート(約3,660m)を 速度300ノット(時速約556km)で順調に飛行した。今回の60分におよぶ飛行試験では、低速時および高速時の操縦性チェックのほか、航法用電子システムであるアビオニクスや各種システムのチェックが行われた。
HACIでは、現在、計4機の機体を同時に用いて試験を継続中だが、GE・Hondaエアロエンジンズ社製ターボファンエンジンの米国連邦航空局(FAA)に よる型式認定取得は2013年10月~12月ごろと見込まれており、ホンダジェットの 型式認定取得は2014年後半になる見込みだ。また、HACI本社の敷地内に建設中のカスタマーサービスセンターは今秋にも完成し、年内に米国連邦航空局から整備工場としての認定を取得する予定となっている。参照記事 参照記事
2015年3月17日:Hondaの航空エンジン事業子会社であるホンダ エアロ インク(以下HAI)は米国時間の3月17日に、米国ノースカロライナ州バーリントンの自社工場が米国連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下FAA)による連邦航空規則のPart 21が定める製造認定(Production Certificate、PC)を取得したことを発表した。なお、FAAがジェットエンジン用に製造認定を授与するのは23年ぶりとなる。参照記事
2015年4月23日:ホンダが発売を予定している小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」が23日、初めて羽田空港に着陸し、 報道陣にお披露目された。25日からは国内5カ所で一般公開する。 ホンダジェットは航空事業子会社のホンダエアクラフトカンパニーが開発し、昨年6月に量産1号機が米国で初飛行した。価格は450万ドル(約5億4千万円)。 ホンダによると、欧米で100件以上の受注があるという。米当局の認定を受けた後、富裕層や企業など受注客への納入を開始する計画だ。 25日からは、仙台空港、神戸空港、岡南飛行場(岡山県)、成田空港をまわって、一般公開する。 また、5月19日からスイスで開催される欧州最大のビジネス航空ショーに出展。イギリスやフランスなど欧州各国をまわり、速度や燃費性能をアピールする方針だ。参照記事 参考記事:内部設計など 映像
6人乗りのホンダジェットは1986年に研究開発を開始し、2010年には量産型機が初飛行に成功した。2006年の受注開始以来、個人事業主を中心にオーダーを受けており、ホンダが自動車販売で培ったアフターサービスなどのノウハウを持ち込むことで、事業はサービス収入も含めて、納入開始後5年目には単年度黒字が見込めると語っていた。
ホンダジェットは主翼の上にエンジンを配置するデザインで2012年10月、米航空宇宙学会から「エアクラフト・デザイン・アワード」を受賞。主翼上面配置(OTWEM:Over the Wing Engine Mount方式)はホンダの特許取得技術であり、高速飛行時に発生する空気抵抗(衝撃波)、造波抵抗を抑える効果もあり、速度と低燃費を両立させる技術として認められた。このHondaJetの主翼上面配置では胴体後部のエンジン支持構造が不要で内部スペースを最大限に利用できるため、HondaJetの広い客席と大きな荷物室が実現し、高速飛行時に発生する空気抵抗 (衝撃波) を抑える効果も生じさせる。これによって、同クラスの他機を上回る速度アップと低燃費も実現した。また主翼と機首部分に自然層流、つまりNFL(Natural Laminar Flow)技術を採用し、NFLを取り入れた機体は空気抵抗を大幅に低減させる先進的空力設計となっていると紹介している。
当時新型機開発のプロジェクトリーダーの藤野道格(現ホンダエアクラフトカンパニー社長)は、仕事中はもちろん、自宅に帰ってもエンジンのことを考え続けた。そんなある夜、布団に入って寝ようとしたときだった。こういう形なら……と閃いた。 「初めて具体的に思いついたのです。忘れてしまわないうちに書き留めようと、周りを見回したが、近くに紙がなかった。かけてあるカレンダーに目が留まったので、前の月かなんかの紙を破って、その裏にボールペンでスケッチを描いたのです」と回想している。そのスケッチが左。
ホンダによると、ホンダジェットの燃費は競合他社に比べ15~17%向上したほか、速度が約10%アップし同クラスの小型ビジネスジェットのなかで最高の最高速度約782km/hを記録、客室空間は約20%広くなった。公表データでは、7人乗り、最大航続距離は2265km、また、最高高度4万3000フィートの記録を有し、他機に比べて2000フィート(約 600メートル)ほど高度を上げて飛行できることから、天候の影響を低減できるほか、空港付近での混雑を避けることも可能にした。販売面では、北米に7カ所、欧州に3カ所のディーラーを設け、どの地域であっても1時間半以内にサービスが受けられる体制を構築。部品の供給体制や本部での24時間サポート体制を整備している。参照記事 参考記事
2016年2月7日:2015年12月8日、午後2時。「実は、今日、『ホンダジェット』にFAA(米国連邦航空局)の型式証明がおりたんです。アトランタで証明書を受け取って、今、帰ってきたところです。ランチに同席できなくて、すみませんでした」米ノースカロライナ州グリーンズボロにあるホンダエアクラフトカンパニー本社の応接室に現れた、同社長兼CEOの藤野道格氏は、インタビューの冒頭、こう切り出した。この日、ホンダは、航空機研究開始から約30年を経て、ついに民間機市場に参入する正式な許可を得たのである。すべてがゼロからのスタートだった。ホンダジェットが搭載するエンジン「HF120」は、2013年にFAAの型式証明を取得し、ホンダジェットによって市場にデビューする新しいエンジンだ。しかも、従来、航空機産業は、機体メーカーとエンジンメーカーは別々だが、「HF120」は、ホンダとGEが50%ずつ出資する合弁企業、GEホ ンダエアロエンジンズ製だ。機体とエンジンの両方を、一つの会社が手掛ける例も、これまた、世界にほぼ例がない。「HF120」の生産設備は、2015年に FAAの型式証明を取得したが、生産設備が新しくFAAの型式証明を取得するのは、実に23年ぶりのことだった。
現在、北米、欧州、ブラジルの計11拠点で販売しており、受注数は100機を大きく超えるレベルとなっている。2015年12月下旬には1号機の引き渡しも済ませた。生産台数は月産3~4機で、2年目からは5~6機に増やしていき、その後については今後の受注状況を見ながら調整していく計画だ。工場の能力としては
年間100機ぐらいまでは大丈夫だそうだ。藤野社長は、セスナとエンブレアが小型ビジネスジェット機市場で幅をきかすなか、「その2社よりもさらに良いサポートネットワークで十分なブランドを築き上げて次のステップに入っていく」と意気込んでいる。参照記事 参照記事
ISが2014年夏、イラク北部にやって来たとき、彼らISがシーア派バグダッド政府と革命的な戦いをするとして、スンニ派部族民は彼らを歓迎した。しかし1年もしないで、部族は、彼らの残虐さを嫌うものと、ISに組みするものとで分裂した。同じようなことは、イラク北部の多くのスンニ派部族で起きた。そんな部族のリーダーであるNazhan Sakhar が語る。
「彼らISが来たとき、ISがバグダッドに新政府を作ると思い、大いに喜んだ。しかし彼らは、我々を殺し始め、彼らもまたアルカイダと同じだった。」
彼は現在、しぶしぶながら、イラク軍、クルド軍と共に、300名の部族民を率いてISと戦い、一部の同じ部族民はIS兵士となって戦闘に参加している。
イラクのスンニ派部族は、横暴なサダム・フセインのスンニ派独裁政権が崩壊し、米軍が撤退してイラクはシーア派政権になり、その後のスンニ派に対する差別的なシーア派支配に不満を持っていた。このことが、2014年6月からのイラク北部、西部でのIS侵攻とその後の支配を一気に勢いづかせた。イラク合同軍、クルド軍がIS掃討に全力を傾けている現在、イラク政府は反ISスンニ派部族を支援しているが、これは、ISとの戦闘に勝つためには、スンニ派部族民兵の力がどうしても必要だからだ。しかし、部族民はこれまで、幾度も政府に裏切られた過去を持っているため、イラク政府には懐疑的になっている。
このリーダーは過去、米軍、イラク軍が2006年から始めたスンニ派アルカイダ攻撃にも参加し、多くの部族民兵が犠牲になったが、シーア派イラク政権はスンニ派部族を冷遇し、米軍撤退後は支援もされなくなったいきさつがある。
現在ISと戦う部族民兵はイラク中央政府から月600ドルのクーポンの支給を受け、武器はクルド自治政府から受け取っている。しかし武器は十分ではなく、自前で機関銃やロケット砲、車両を購入する状況になっている。リーダーは、武器が十分なら1000人の兵士も集めれるが、武器が不十分な今は、兵士には、獰猛なISとの戦闘にためらいがあると語っている。
スンニ派部族がイラク軍と共にISと戦うことは、さらに不幸を招く結果になっている。ISがスンニ派部族に牙をむく結果を招き、多くのスンニ派部族民がISの残虐さの犠牲になっている事だ。リーダー自身もISの標的になり、すでに幾度も暗殺の危機にあっている。そして彼は、ISに参加している同じ部族民と銃火を交えることを何よりも悲しんでいる。彼は「ISに参加している部族民の多くは同じ部族で、彼らが間違った選択をしたこの状況が悲しい」と語った。
*筆者:イラク政府がスンニ派に十分な武器を与えないのは、シーア派イラク政府に反乱をおこしたり、ISに売ったりすることを危惧してのことと言われている。
中国の最高指導者がパキスタンを訪問したのは9年ぶり。シャリフ首相との首脳会談の目玉は、アラビア海沿岸のグワダル港Gwadarから中国新疆ウイグル自治区Xinjiang Uyghur Autonomous Regio、カシュガル(喀什市Qeshqer,Kashugar)に至る「経済回廊」計画の本格始動だった。輸送路の整備や、周辺の発電所、産業インフラの建設を含み、パキスタン側の説明では、総事業費は約450億ドル(約5兆3千億円)で、中国側は投資や低利融資で支援する。まず、約280億ドル(約3兆3千億円)分について着手する方針だ。中国は以前、グダワル港から中国新疆地区に至る石油、天然ガスパイプラインの計画にも言及している。これら、将来的な大がかりな計画を見据えた上での、今回の大型インフラ投資と見てとれる。同時にこのことは、中国製武器による、パキスタンの軍事力強化も暗示している。 過去ブログ:2011年11月進む中国のインド洋支配 パキスタンに軍港
またすでに公開された中国側のパキスタンでの事業投資には、石炭などの資源開発、火力、水力、太陽光、風力発電の発電所建設、鉄道、道路整備などの大型投資が計画されている。この計画では、パキスタンからヒマラヤ山脈を抜ける道路整備が必要になり、すでに環境破壊が懸念されている。急速な経済発展で、とくに国全体で67%台の電力供給率は深刻な問題で、一部で天然ガスは産出するがパキスタンは資源輸入国で、インダス川を利用した水力発電の充実が期待されている。現在インダス川 Indus River(インダス川本流の93%
回廊の起点となるグワダル港はペルシャ湾の出口ホルムズ海峡に近い。南アジア各国のインド洋沿岸で中国が開発を進めるシーレーン上の拠点「真珠の首飾り」の一つとされ、中国の融資で2002年から建設が始まり、13年に管理権が中国側に移管された。港と回廊をつなぐことで、米国の影響下にあるマラッカ海峡を迂回(うかい)してペルシャ湾に至る新たなルートを確保する狙いがあるとみられる。参照記事 過去ブログ:2015年4月イエメンでアルカイダ系受刑者300人脱獄と中国の進出 2011年11月進む中国のインド洋支配 パキスタンに軍港
パキスタンを訪問している中国の習近平国家主席は4月21日、イスラマバードISLAMABADの上下両院合同議会で演説し「両国の運命共同体としての中身を充実させ、アジア運命共同体の構築に向けたモデルにしよう」と呼び掛け、パキスタンが「テロとの戦い」で「目覚ましい貢献」をしてきたと称賛、テロ対策で連携を深めていく考えを強調した。参照記事 英文記事
インド紙は、インド洋のアラビア海に面するグワダルGwadar portから、パキスタン占領地カシミールPakistan-occupied Kashmir (PoK)を抜けて中国に達する「3000キロの(経済)回廊The 3,000-km corridor建設」は、道路、鉄道、エネルギー計画、パイプライン、投資地区の規模に於いて壮大なプロジェクトと紹介しながらも、インドと領土紛争継続中のカシミール地域を抜けるこの中パの計画を決して歓迎はしていないようだ。
実はこの計画、図のような実に複雑な領土問題を抱える地域を横断する。鉄道は、停戦ラインの北側(右図のグレー色 インドの言うパキスタン占領地)を通って中国、新疆ウィグル地区に抜ける構想になっている。習近平国家主席が演説でテロ対策に触れているが、これは今後の、中国新疆地区でのテロの取り締まり強化を暗示し、国際的な同意を求めているようにも取れる。しかし、中国が新疆地区のイスラム教徒を弾圧すれば、アフガン国境沿いで活動するタリバンなどイスラム過激派が反応する可能性も高い。そんな懸念から習近平国家主席はパキスタンのテロ対策を称賛し連携すると発言したのだろう。中国が今後、パキスタン軍のイスラムテロに対する武器支援などを行えば、イスラム過激派が、この計画を妨害する可能性もあるだろう。この「経済回廊」計画には、イスラムの宗派対立や国境問題、新疆ウィグルの民族弾圧が影を落とかねない様に思われ、さらに憂慮すべきは、中国もパキスタンも汚職大国であり、先行きは決して安泰には見えない。過去に国境問題でパキスタンと対立したアフガンは、インド寄りの国家政策であるが、中国は資源開発でアフガンにも触手を伸ばしている。
インド側英文記事 過去ブログ:2015年4月アフガンでIS系が初の自爆テロ 36人死亡、負傷者多数 2014年12月ウイグル族8人へ死刑求刑 中国 2014年8月新疆ウィグル地区での宗教指導者殺害 2014年5月新疆ウイグル自治区へ過去最大の警備、弾圧開始 中国 2013年7月インド、北東部で対中国軍備増強、北部で宗教対立 2013年4月中国、アフガンの原油採掘に目途 アフガン北部 2012年10月インド パキスタン、カシミールで砲撃戦3人死亡 2012年3月インドもイランも覇権主義ではない 2011年7月インドで爆破テロ 再発 ムンバイ 2009年9月インド 2009年~ 国境問題まとめ
右派で欧州連合(EU)懐疑派のフィン人党Perussuomalaisetは38議席を獲得して第2党に躍進。一方の国民連合は37議席、社会民主党が34議席でこれに続いている。シピラ氏が最初に取り掛かるのは、連立相手の選定になる。従来通りならば、第1党から首相が指名され、議会で過半数を確保するため他の優勢の党と連立政権を樹立することになる。シピラ氏が連立政権を樹立するまでには数週間厳しい交渉が続けられる見通し。同氏はまだ、どの政党を連立相手に選ぶのかも発表していない。参照記事
シピラ氏は選挙戦で、自らのビジネス経験(主にIT関連)を強調し、これまで3年続いた不況と緊縮策、改革の失敗を経て、ユーロ圏内の同国の経済を回復させることを公約に掲げてきた。ストゥブ首相は4党からなる左右連立政権を率いてきたが、内部不和で機能不全に陥り実質的な政策転換を行うことができず、有権者の不満を買っていた。参照記事(c)AFP/Hugues HONORE
フィンランド経済を押し上げたのは、ノキアNOKIAに代表されるIT産業と実績の長い製紙業だが、一時はその安さと丈夫さで携帯電話の世界市場でシェア70%を占めたノキアは、韓国のサムスンの低価格に押されて、すでに携帯電話事業をマイクロソフトに54億4000万ユーロ(72億米ドル =8 592 億円)で売却し(2014年4月25日に買収手続きが完了)、現在はWindows Phone(ウィンドウズフォン)の開発に注力している。ノキアはしかし、携帯電話の通信設備では世界第2位で、日本でも使用されているはずだ(世界第1位はスウェーデンのエリクソン)。フィンランド製紙業の低迷が何年間も続いていて、主な原因として、eメールの普及、デジタルファイルの採用、雑誌や新聞など紙媒体の発行量の減少などが言われるが、主に高級紙を輸出するフィンランドの製紙業へのITの影響は少ないと思える。参照記事
2015年7月2日:フィンランドの主要政党は、2015年4月19日に行われた選挙直後から連立交渉に入った。5月29日にようやく誕生した新政権は、議席数を多く勝ち取った保守派の中央党、ポピュリスト(人民主義)のフィン人党(The Finns:Perussuomalaiset)そして穏健保守派の前政権与党だった国民連合党による3党から構成されることになった。フィンランド議会の定数200議席のうち、124議席を獲得した3党は過半数による優位を享受することになる。
新首相を務めるのは、中央党のユハ・シピラ党首(54)。2011年の選挙で初当選し、翌年に党首の座を任された。
成功を収めた実業家として知られ、政界に入る直前はIT大手のCEOだった。中央党は2011年選挙で敗北したものの、今回は35議席から49議席まで伸
ばし、与党に返り咲いた。過去18年間フィン人党党首を務め、今回の選挙で議席を第2党の39にまで伸ばしたティモ・ソイニTimo Soiniが外務大臣に就任した。第3党として連立入りしたのが国民連合党だ。前政権最大の政党だったが今回は敗北に終わり、7議席減らして37議席のみとなった。今年4月まで首相を務めていたアレクサンデル・ストゥブは財務大臣に「降格」した。
シピラ首相率いる新政権は、外交と防衛政策において現行維持を目指している。フィンランドは正式には「非同盟」の立場を貫く一方、将来的には北大西洋条約機構(NATO)加盟の可能性も残しておきたい意向だ。スウェーデンとの軍事協力は強化される。
隣国ロシアとは、良好関係維持を目指しながら、EUによる対ロシアの経済制裁も承認し続けている。一方、ウクライナ危機によってバルト海域の安全保障が弱 体化したというのが、専門家の見方だ。新政府の任期中に、現況についてより深く調査されることになる。新政府のプログラムによれば「フィンランドの安全保 障・防衛政策について報告書をまとめ、これに関連してフィンランドがNATOに加盟した場合の影響について評価する。また防衛力の維持・開発・行使に関す る防衛政策ガイドラインを定義した防衛報告書も用意する」ことが予定されている。
また新政府のプログラムには、EU政策に関連する3つの重要な声明が含まれている。
1) EUは最も重要な課題に焦点を絞らなくはならない。すべての政策において統合を深める必要はない。
2) 政府はユーロ危機に関して、フィンランドの負債を増やしかねない対処法には反対する。
3) EUはフィンランドにとって重要な安全保障共同体である。フィンランドはEUの共通安全保障防衛政策の強化と、安全保障戦略の改革を支持している。
フィンランドが連立交渉をしている真っ只中、欧州委員会から悪い知らせが舞い込んだ。ユーロ圏全体における来年度の経済成長率が1.9%と予測されているのに対し、フィンランドの経済成長率はたった1%だというのだ。フィンランドへの投資も、4年連続で減少している。
欧州委員会によれば、フィンランドは安定成長協定が定める基準を順守できない。年間財政赤字は3%を上回る見通しで、政府債務残高も国内総生産(GDP)の60%を間もなく越えそうだ。
新政府は公共部門の財務を強引に見直す予定だ。40億ユーロを捻出するための項目はすでに列挙され、防衛以外の公共部門すべてがコスト削減を強いられる。とくに社会保健サービス、教育、ビジネス助成の分野でのカットが想定される。政府の概算によれば、フィンランドの競争力は主要な競合国と比べて10~15%ほど下落した。再び競争力を高めるためには、労働組合との社会契約の見直しによる事実上の賃金カットなどが含まれるが、そう簡単にいきそうもない。新政府の船出は荒波にもまれそうだ。参照記事から抜粋 英文記事
動画に映っている破壊行為があったのは、おそらく2015年3月中旬から4月初旬の間と考えられる。動画では、戦闘員が破壊行為を行う前に「われわれが支配下に収めた土地では、多神教のシンボルは必ず根絶し、一神教を広める」と述べている。
タウヒードTawheed, Tauheed (一化の原理)と呼ばれる概念からくる、現在、スンニ派系ワッハーブ派(アラビア語: وهابية, Wahhābiyyah)に代表される一神教の理念は古代からのものではなく、18世紀のイスラム教の復古主義・純化主義的改革運動から浮上した理念であり、それが「慣行・規範・先例」を意味するスンニ派Ahl as-Sunnah (wa’l-Jam?‘ah)に原理主義として広まり、特にその積極的な実践を唱え、他教徒を異教徒として敵対視し排除する行動を取るのを教義とするのがIS(イスラム国)といえる。当然この集団の世界観と存在論からくる、すべてに対する価値観はイスラム教の中でも異質なものになる。いくら学術的に貴重なものでも、アラー以外の権力者、宗教者や物などを神格化した偶像崇拝は、戒律に厳格でシーア派を否定するサラフィー主義SalafismのISにとっては無意味なだけでなく、破壊することが教義の実践であり、信者の証なのだろう。行動は破壊にとどまらず、イスラム教スンニ派サラフィー主義者以外の宗派の人間すべてを、斬首などシャーリア法に沿って排除すべき標的としている。彼らの最終目的は、カリフ(Caliph;預言者ムハンマド亡き後のイスラーム共同体、イスラーム国家の指導者、最高権威者)の下での、武力によるイスラム世界の統一である。写真は、自らをカリフと称する、ISのアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者
米コロンビア大学の専門家クリストファー・ジョーンズ氏によると、ISはイスラム教で「シルク(shirk、多元性)」と呼ばれる偶像崇拝を断罪することで、預言者アブラハム やムハンマドなどを含む偶像破壊者の正当な継承者としての地位を築こうとしているという。ハトラHatra遺跡の破壊を報じる英文記事
ISがシルクとみなす対象は、ニムルドのようなイスラム教誕生前の史跡だけではない。その範囲は、みずからが従うスンニ派の厳格な教義解釈にそぐわないイスラム教の宗教遺跡や、ヤジディー教徒、クルド人、キリスト教徒など、地域の宗教的少数派の遺跡や墓地、施設にも及ぶ。最近ISにより破壊されたそれらの大部分はシーア派やイスラム神秘主義スーフィー教で、これまでにイラク北部におけるおよそ80カ所の「意図的な破壊」を確認しているとされている。ISは、こうした破壊をすることで「信仰の強さ」を誇示し、地域住民の分裂を煽ると同時に、考古学研究を外から持ち込まれた害悪と考え、それはイス ラム世界をカリフ(預言者ムハンマドの後継者、最高権威者)国家として統合するというISの目的を妨げる存在とみなしている。また、ISの考えでは、イスラム教誕生以前の遺跡は偶像崇拝者の国家を象徴するものであり、当然「嫌悪と憎しみ」の対象とみなされる。遺跡の破壊は国際社会の怒りを集めるが、ISは「それ(その行為)自体がアラーに祝福される」と述べている。 しかし、彼らがいくら宗教を装っても、彼ら「イスラム国」が現実にしていることは、彼らがカルト集団でしかないことを証明している。 参照記事を編集、加筆 過去ブログ:2015年4月イラク最大の精油施設をISが攻撃 貯蔵タンク炎上 2015年3月IS脱走兵の証言 イラク 2月貴重な文化財を破壊し尽くすIS モースル イラク
過激派組織「イスラム国」は2015年4月19日、エチオピア人キリスト教徒Ethiopian Christiansら約30人をリビアLibyaで殺害したとする映像をインターネット上に公開した。公開された映像のなかでは、「イスラム国」の戦闘員と見られる人物が海岸で、15人ほどの人々を首を切るなどして殺害。さらに残りの15人を灌木地で、頭部を銃撃して殺害する様子が映し出されている。貧困なエチオピアからは、各国への出稼ぎが多く、エチオピア国民の60%以上がキリスト教とされる。 2月には21人のエジプト人キリスト教徒がリビアで斬首されている。 ニュース映像 参照記事 過去ブログ:2015年4月アフガンでIS系が初の自爆テロ 36人死亡、負傷者多数 2月リビアでエジプト・キリスト教徒21人斬首される アフリカ 2014年10月イスラム国を導くアラーの予言と終末論
動物番組を制作するため、無人機を使ってチンパンジーの群れを撮影したときの出来事だった。霊長類学者Primatologist expertsは、Tushiは無人機を怖がったのではなく、音を立てる飛来物への好奇心curiousからの行動だと説明した。無人機が1本の木に近づいた瞬間、木の上から鋭い目でカメラをにらみつけるTushiの姿が捉えられ、直後にTushiが、用意していた長い枝を振りかざして、無人機をたたき落とした。もの珍しそうに壊れた無人機に近づいたチンパンジーたちは、カメラをのぞき込んだり、もてあそんだりし、その様子も記録された。動物園は「枝を隠し持って侵入者を待ち受け、一撃を加えたようだ。チンパンジーがいかに賢い生き物か改めて分かった」とコメントしている。映像は4月14日公開された。壊れた無人機は、一機約25万円about 2,000 euros ($2,100)だが、それ以上の収穫があったようだ。参照記事 参照記事 参照記事
アフガニスタン Afghanistan東部、パキスタンに近いナンガハル(Nangarhar)州ジャララバード(Jalalabad)で2015年4月18日に発生し、少なくとも36人が死亡、110~115人が負傷した無差別自爆攻撃について、同国のアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領は同日、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」系のグループが犯行を認めたと明らかにした。犯行声明が事実なら、IS系グループがアフガンで起こした初の大規模で最悪の自爆攻撃となる。記録映像
自爆攻撃は軍人や一般公務員たちが給与を引き出そうとして並んでいた銀行の前で発生し、銀行前の市場には血だまりの上に犠牲者が倒れ、吹き飛ばされた身体の一部があちこちに散乱する惨状を呈した。実行犯は、市民が並んでいる付近にバイクで近づき強力な爆弾で自爆した。この件に対し事件直後、アフガンのアルカイダ系反政府過激組織タリバンTalibanのスポークスマンが、事件とタリバンは無関係であり、市民に対する爆破テロを非難する声明を出している。同日早朝、市内の聖堂近くでも爆発があったが、死傷者は出ていないとされている。
今回の犯行声明を出したISのスポークスマン Shahidullah Shahid;写真左下 は、2014年10月頃まではパキスタン・タリバンPakistan Taliban (TTP)のスポークスマンだった人物で、ISに忠誠を誓ったためにタリバンから追放された人物といわれる。彼の追放に際しTTPの有力な指揮官クラス5名もISに忠誠を誓ったとあり、ISは以前から、アフガンのタリバンやパキスタンのTTPへ勧誘を行っていたとされる。彼らが離脱した理由としては、タリバンの最高指導者Mullah Mohammad Omarの指導力に疑問を持ったためと説明され、主な要因として、2014年6月から始まったパキスタン軍によるTTP掃討作戦で、TTPは相当数が殺害されて弱体化し、拠点だったパキスタン北西部、北ワジリスタンから敗走したといわれる。このことで内部で、指導部への不満が高まった可能性がある。タリバン内部の過激メンバーがISに参入したことから、アフガン、パキスタンで、より過激なテロが多発する可能性がある。今回の自爆テロはその始まりかもしれない。 参照記事 英文記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2014年12月149人死亡のテロで死刑制度凍結を解除 パキスタン 殺戮が殺戮を呼ぶパキスタン北西部 2012年5月米軍、ハッカニ・ネットワークを集中攻撃 パキスタン
2015年4月22日:タリバンTalibanは22日に発表した「イスラム首長国会議:Council of the Islamic Emirate 」名の声明で「2015年4月24日午前5時(日本時間同日午前9時半)、『Azm(決断)“means resolve or determination,”』の名のもとに春の攻勢を開始する」と、「アフガニスタン・イスラム首長国Islamic Emirate Of Afghanistan」のウェブ上の機関紙「Voice of Jihad」で表明した。「一連の作戦の主な目標は外国の占領軍、とりわけ彼らの恒久基地、さらに、かいらい政権の高官と彼らの軍事集団、特に情報機関、内務省、国防省の高官らだ」と述べた。北大西洋条約機構(NATO)軍が前線から撤退を始める中、アフガニスタンの治安部隊が米軍主導の外国軍部隊の全面支援を受けずにタリバンと戦うのは、今年の攻勢時期が初めてで、今年の攻勢は、過去10年で最悪の死傷者が出ることが懸念されている。参照記事 英文記事 英文記事
*「アフガニスタン・イスラム首長国:Islamic Emirate Of Afghanistan」は、ムハンマド・オマル師Mullah Mohammed Omar (ムラー・オマール Mullah Omar:写真右 を指導者とするが、彼の生死は長く不明。タリバンの上級指揮官 senior Taliban commanderとしては、カリ・ナスルッラ氏Qari Nasrullahの名前が過去に浮上している。彼はアフガンの再統治を主張していたが、上記のIS系との関係は不明。 過去ブログ:2013年10月暗黒時代に戻るのかアフガニスタン