2015年03月







米ベンチャー企業「セルラーダイナミックス・インターナショナル(Cellular Dynamics International, Inc:CDI)」社については2010年5月7日、iPS(人工多能性幹)細胞に関する京都大の知的財産を管理する「iPSアカデミアジャパン」(京都市上京区)と、特許利用のライセンス契約を結んだと発表されている。CDI社は、山中伸弥京大教授(2012年ノーベル賞受賞:左)と同時に2007年


今後のシリアでの展開に大きな影響がある戦果だが、今後の反政府側の展開には、より多くの支援が必要といわれている。イドリブからは、北部で戦闘中のアレッポAleppoと、南部の首都ダマスカスDamascusへ向かうハイウェイが伸びている。シリア国営TVは、市の南部に部隊を再配備すると報じている。記録映像:Idlib 'captured' by Islamist re

2015年3月30日:3月28日には反政府側が市内に接近したが、その際シリア治安部隊は、拘留中だった逮捕者十数名を殺害したとされ、その映像も流れている。また、多くのシリア人が(反政府側の?)報復を恐れて市の郊外の地域へ脱出していると内部からの情報がある。一方で、市の人口は16万から18万人と言われ、反政府派の攻撃を避けて周辺から住民が流入し、市の中心部の人口は以前より膨張していると言われる。 参照記事


ルビッツは彼女との結婚まで考えていたが、彼女は彼の「ジリルとハイドJekyll and Hyde」的な2面性に不安を感じて別れたとされる。参照記事
操縦室のボイスレコーダーの記録によると、機長は墜落する少し前、乗客たちの悲鳴が聞こえる中、「頼むからドアを開けてくれ」と叫んでいた事が新たに判明した。さらに機長がおのを使ってドアを壊そうとし、返事をしない副操縦士に向けて「ドアを開けろ」と絶叫する声が録音されていたという。ドアは防弾ドアで、ルビッツは内部から、暗証番号での開閉を無効にしていた。 参照記事

信じがたい状況が推測される中、ルビッツ容疑者は仲間に、将来はボーイング747型機(約700人を収容)Boeing 747のような大型旅客機のキャプテンになって、長距離を飛ぶのが夢だと語っていた。そんな彼の夢のためには、より高度な適性が要求されると彼も知っていたはずだ、、。参照記事
2015年3月30日:ドイツ大衆紙ビルト German newspaper Bildは、フランス南東部でジャーマンウィングス機を故意に墜落させた疑いのある副操縦士、アンドレアス・ルビッツ容疑者(27)が、視力に深刻な問題を抱えていたと報じた。同紙によると、ルビッツ容疑者は網膜剥離 retinal detachment surgeryを患っており、今年6月にジャーマンウィングスの親会社ルフトハンザによる身体検査で、旅客機操縦に不適格と判断されるのではないかと悩んでいた可能性があるという。
ルビッツは二人の医師から視力障害vision problemsを指摘され、飛行には不適格と言われたと思われるが、医師には患者の秘密保持patient confidentialityの建前から、雇い主に報告の義務はないとされる。すでに容疑者が精神的な疾患で治療を受けていたことが判明しているが、犯行と視力の問題との関連は明らかになっていないという。参照記事 参照記事
2015年3月31日:独ジャーマンウィングスの旅客機墜落で、デュッセルドルフの州検察当局は30日、機体を故意に墜落させた疑いが持たれているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が、自殺傾向のために過去に治療を受けていたと明らかにした。 発表文によると、副操縦士はパイロット免許を取得する前、数年間にわたり心理療法を受けていたことがあった。それ以降の診断では、自殺行動や他者への攻撃傾向は確認されなかったという。参照記事
彼には来年の結婚を視野に同棲していた女性がいたが関係を解消しており、酷くふさぎ込むようになっていったという証言が多々出ているのだ。
英 メディア「dailystar.co.uk」は、彼が地元・ラインラント=プファルツ州ヴェスターヴァルト郡モンタバウアー近くにある、ドラッグクイーン や小人を売り物にしているナイトクラブ「Agostea」に顔を出していたとの情報を得たとしている。また、ルビッツ副操縦士はかつて、操縦士の資格を得るまで客室乗務員 flight steward をしていた時期があったことに触れ、その頃パイロットや仲間から“Tomato Andy”(同性愛者の軽蔑的表現)と呼ばれ、ひどく傷ついていたことを友人が明らかにしている。参照記事 英文記事

2015年4月1日:アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士(27)は2009年、ジャーマンウイングスの親会社ルフトハンザ航空(Lufthansa)に対し、過去に重度のうつの症状があったことを自己申告していたと、ルフトハンザ航空が3月31日発表した。 ルフトハンザ航空は「さらなる内部調査」を経て、ルビッツ副操縦士の医療・訓練関係の追加文書を独西部デュッセルドルフ(Duesseldorf)検察当局に提出したことを明らかにした。ルフトハンザ航空が出した声明によると、新たに提出した文書の中には同副操縦士が飛行訓練学校に送った電子メールも含まれているという。同

ルビッツの精神障害を見過ごしたのではなく、放置したルフトハンザの責任は重い。写真は、 アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士(27)が生前、自殺の方法Suicide Methodsや操縦室のドアについて、3月16日から23日にかけてインターネットで検索していたことが判明し、独検察当局が4月2日発表した。 独西部デュッセルドルフ(Duesseldorf)検察当局によると、同市にあるルビッツ副操縦士のアパートで見つかったタブレット端末に、「内科治療方法」や「自殺の方法」に加え、「操縦室のドアとその防犯対策」といったキーワード検索の履歴が残っていた。参照記事 英文記事

イラク政府国防省からの依頼で、最近米国、有志国軍が初めてティクリート空爆に参加したが、2015年3月27日の大学Tikrit University付近への空爆で、イラク治安軍ISFに誤爆による負傷者が出たとイラクメディアが報じ、米国側、さらにイラク国防省もそれを否定する事態になっている。参照記事
それ以上の詳細は不明だが、市内にISを追い詰めたとされていた最近の状況が正しくないことが分かる。市内のISはすでに、殺害や敗走で数百人規模にまで縮小したとされていたが、実際は周辺各地で抵抗が続いているようで、ISは多くのトンネルを掘り攻撃に耐えているとされる。攻撃の映像 有志国軍の空爆で破壊されたIS車両 有志国軍の空爆の映像:地図の、チグリス川を東から渡った西岸の橋付近を空爆している。 過去ブログ:2015年3月敗退するISと2015年3月の戦況図 イラク 2009年10月シーア派、スンニ派 今度はイランが、、。また複雑に、、分布図
この戦闘には、イラク北部地域のスンニ派Sunni アル・ジャブーリal-Jabouri tribe部族も参加しているが、彼らは実に悲惨な歴史を持っている。フセイン政権時代は、スンニ派アルカイダ系に参加し、フセイン軍との戦闘で300人以上が戦死した。フセイン政権崩壊後も、イラクのマリキ政権のシーア派偏重に抵抗してイラク治安軍と戦闘を繰り返した。2014年6月からのISのイラク侵攻では、部族民はISに参加するか死かの選択を迫られ、一部スンニ派部族民はISを歓迎し、参加しないDuluiyah地域のアル・ジャブーリ部族al-Jabouri tribe村民は異端者としてISから半年にわたり攻撃を受け、多数が殺害され村は破壊された。この時期の2014年

アル・ジャブーリ部族民兵al-Jabouri tribeは2014年12月になって、やっとイラク合同軍、シーア派民兵と共闘してISを自分たちの地域から撃退した。現在ティクリートでの戦闘には、約200名の アル・ジャブーリ部族民兵が参加していると言われ、これほどの悲惨な歴史を抱えながら彼らは、イラク政府が部族再建に力を貸せば、イラク政府に協力すると語っている。写真はスンニ派部族民兵 最近までイラク政府は、彼らに自衛の武器さえも渡さず、今も十分ではないと言われる。 参照記事 参照記事
イスラム教スンニ派といっても、筆者の分け方では3種類ほどあって、世俗的スンニ派では、クルド人の様に比較的欧米文化も取り入れ、女性にベールなども強制せず、女性の教育も認めている。
穏健派スンニ派は、原理主義的ではあっても、刑罰などで厳格にシャーリア法を適用しなかったり、極端に異教徒を敵対視しない。シリアのスンニ派の一部がそう呼ばれる。
そして、「イスラム国:IS」やアルカイダ系に代表される原理主義過激派がいる。彼らは厳格にシャーリア法を守り、異教徒、背教者を敵対視し、偶像破壊や異教徒の宗教施設も破壊する。日本の宗教が比較的個人の内面的精神修養を重要視するのとは違い、イスラム教では、戒律に沿った行動が重要視される。時にはその戒律が、そこの国の法律よりも重要視される。このことが、イスラム教国が、なかなか法治国家になりにくい原因の一つだろう。過去ブログ:2014年6月イスラム教とバグダッド シーア派 スンニ派 そして日本への影響
日本人も戦前の日本帝国時代、一種の戒律に沿って生きることを強いられ、それを疑うことも許されなかった。疑うことも許されない社会は、社会そのものが間違っている。社会の間違いを見抜くには、人は賢くならなければならない。発明は難しいことだが、賢くなるのは難しくはない。多くの真実を知るだけの事だから、、。多くを学ぼうとしない、させないISは賢くない。賢くないから間違いにさえ気付かず、いずれ滅びる。残念にも、この歴史の真理に逆らう国や体制が日本の近くにもある。「イスラム国」は国家でも政治体制でもなく、カルトcultでしかないが、軍事独裁国家との差は紙一重でしかないように思える。


2015年4月1日:市街への戦闘には、約4000人のイラク治安部隊と1万人ほどの民兵らが参加し、ISは約400人程度と言われる。これまで幾度か市は陥落目前と言われたが、市内の仕掛け爆弾などで予想外の犠牲が出て、イランの特殊部隊「クドス 部隊(クッズ旅団):Quds Force」を含むシーア派民兵を指揮し、作戦の主導権を握っていたと言われるイランの指揮官ガーセム・ソレイマーニーGen. Qassem Suleimaniが市から離れ、イランの深入りに反発していたイラク政府が急きょ米国、有志国軍へ空爆を要請する結果になった。有志国軍の空爆は3月25日から始まり、現在は、イラク軍指揮下ですべての作戦が行われていると言われている。映像 過去ブログ:2015年3月ティクリートの作戦はイラン主導か? 参照記事 参照記事 参照記事
2015年4月2日:現地1日の記事は、約150人のIS兵士を殺害し、ほとんどの武器製造施設を破壊し、完全制圧まで、あと24時間ほどと報告されている。3月2日からの攻撃は、市街地での仕

イランの国営メディアは4月1日、イラクの政府軍及び義勇軍は3月31日火曜、同国北部サラーフッディーン県の中心都市ティクリートをISの占領支配から解放したと報じ、イラク軍は引き続き、西部アンバールAnbar県の中心都市ラマディRamadiで、テロ組織ISを排除するための準備を整えていると報じている。北部モースルMosulではぺシュメルガPeshmerga軍が包囲を進め、周辺から市街地への砲爆を行っている。 参照記事 過去ブログ:2015年2月イラク北部解放の作戦の流れとクルドの思惑

香港政論誌・動向も昨年、同様の内容を伝えた。李克強(り こくきょう、リー・クーチアン Li Keqiang)総理がチームリーダーに指名されたという。
香港などの海外中文メディアは2013年から、国家主席就任前後の習氏は「幾度も暗殺未遂に遭っている」と報じてきた。その方法は、健康診断時の毒薬注 射や爆弾を仕掛けるなど様々だ。中国政府系メ


過去に噂された習近平国家主席への暗殺計画では、江沢民派周永康Zhou Yongkangによる2012年8月の「北戴河会議Beidaihe sumer summit」での時限爆弾爆殺計画、2回目は、中国人民解放軍総医院(The 301 Military Hospital : 三〇一医院)での、健康診断での毒注射暗殺計画などがあり、毒注射の件では周永康の側近が逮捕されたと言われる。また、習近平国家主席は2013年8月末から9月14日まで突然姿を消し、この際は、交通事故を装った暗殺計画で背中を負傷したと噂された。 参照記事 参照記事 過去ブログ:2014年8月習体制の汚職摘発はすでに手詰まり状態か? 4月中国の汚職Gメン 30名が暗殺、行方不明 2014年4月四川省の大実業家は黒社会のボス 政治家の2割がギャング 2014年3月中国軍部、公安で、過去最大の汚職摘発か? 2014年2月豪州企業買収の富豪は犯罪組織のボスだった 中国 2013年12月習体制の弱った虎退治 中国


2015年3月25日:独ルフトハンザ Lufthansaの格安航空部門、ジャーマンウィングスの旅客機Germanwings A320が2015年3月24日、フランスアルプスFrench Alpsの高度約2000mのバルスロネットBarcelonnette付近の山岳地帯に墜落し、生徒16人を含む乗客乗員150人全員が死亡した。事故現場の映像 犠牲者のご冥福をお祈りします。
共同通信などによると、搭乗者名簿に日本人とみられる2人の名前があるという。墜落したのは4U・9525便で、予定より20分遅れて同日午前8時55分、スペインのバルセロナBarcelonaから離陸し、ドイツのデュッセルドルフ Düsseldorfに向かっていたが、同機は巡航高度に到達して1分後に降下を開始、8分間にわたって高度を下げ続けたといわれる。仏紙の記事では、午前10時47分(日本時間の24日午後6時47分)に救難信号a distress callを発し(その後否定)、午前11時20分にレーダーから消えたと報告されている。乗客144人、乗員6人が搭乗していた。フランスのカズヌーブ内相は、破損した機体のブラックボックスレコーダー1個(CVR:操縦室のボイスレコーダー)が発見され、直ちに調べると説明し、もう一個を捜索している。米国家安全保障会議(NSC)のミーハン報道官は、現時点で「テロ」攻撃を受けた兆候は確認できないとの認識を示した。
ドイツ人67人が搭乗していたとみられ、スペインのサンタマリア副首相は、乗客45人がスペイン人の可能性があると指摘した。ベルギー人1人も搭乗していた。犠牲者には、ドイツ北西部にある高校の生徒16人、教員2人も含まれるとの情報がある。現場上空をヘリコプターで飛んだ捜査関係者の1人はロイターの取材に、機体が散乱し、損傷を免れた翼や胴体部分は皆無だったと語った。同機は1991年以降24年間使用され、機長には10年の勤務経験と6000時間以上の飛行経験があった。 参照記事 参照記事 参照記事
2015年3月25日:日本外務省は25日、搭乗者名簿にいずれも男性でドイツ・デュッセルドルフ在住の永田敏さん=60代=と佐藤淳一さん=40代=の名前があったと発表した。機械商社「西華産業」(東京)は25日、佐藤さんについて、同社の欧州現地法人に勤務する北海道出身の42歳の社員だと明らかにした。一方、鳥取県琴浦町在住の永田敏さんの兄に外務省が、搭乗者名簿に永田さんの名前があると連絡したことが25日分かった。また、花王は25日、欧州の現地法人の従業員2人が事故機に搭乗していたことを明らかにした。いずれも欧州の国籍でスペイン在住という。ジャーマンウイングスの説明では当初、墜落機から緊急事態を示す救難信号が確認されたと報じられたが、実際には救難信号は発信されていなかった。離陸から約45分後に巡航高度約11500メートルに達したが、その後8分間で高度約1800メートルまで急降下。午前10時53分に交信が途絶えた。参照記事 参照記事
事故直前の高度では天候の異変も乱気流も無く、機械トラブルやエンジン停止だったとしても、墜落まで何の連絡も行われなかった説明がつかないとされている。2009年にブラジルで、自動航行の手順ミスで大事故が起きているが、そのミスがあったとしても視界が良ければ手動運航に切り替えはできたはずとされ、可能性としては、操縦室に侵入した者に操縦を邪魔された可能性もあるが、それでも何らかのシグナルは発信できたはずだと言われる。残るは、誤作動や何らかの急激な減圧や煙で、パイロットが同時に意識を失ったという急な事態や爆発、あるいは操縦士の心神喪失だが、、、。
2015年3月26日:エアバス社自身が2014年、航空当局に届け出たA320のある不具合が浮かび上がってきた。航空安全コンサルタント・佐久間氏は「パイロットが、サイドスティックSidestick(従来の、座席前の操縦レバー、操縦かんの代わり)をいっぱいに引いて機首を上げても、機体はいうことを聞かない状態になってしまった(ことがある)」と話した。A320の一部の機体で、不具合が報告されていた。機体が水平飛行しているにもかかわらず、センサーが機首が上がっていると誤った判断をすることがあるという。すると、失速防止装置という、機体を制御する装置が作動し、飛行機が自動で機首を下げ、降下が始まる。その際、パイロットがサイドスティックを引き、手動で上昇させようとしても、飛行機は降下し続ける特性があるという。誤作動が生じた際、パイロットは、制御装置をオフにして対応する必要がある。
日本航空の元機長で航空評論家の小林宏之さんは「二つあるエンジンが両方止まっても、これほど急に降下しない」と分析した上で、「機体に穴があくなどの異 常事態で機内が急減圧し、酸素を確保できる高度まで降下したものの、パイロットが意識を失って操縦不能に陥った可能性がある」と推測する。参照記事
2015年3月26日:25日、英国のインディペンデント紙が、フランスの関係者の発言から報じるところによれば、事故機が地中海上空にいた午前10時30分にはA320からの無線応答が途絶え、墜落まで何の信号も発することなく、少なくても18分でおよそ9キロもの高度を下げていると報道している。これまでの報道では高度を下げ始めたのは墜落前の8分前だったとされていた。このこの新事実から、事故機には午前10時30分から31分の間に、何か重大なことが起きたと指摘している。バルセロナのレーダー記録では、午前10時29分には地中海上空高度28.524 feet(8690m)を飛行し、同10時30分、高度を26,453 feet(8060m)に下げ、さらに1分後の高度は24,380 feet(7430m).だった。なぜか高度が違うが、時間の推移と高度を図にすると下のようになる。 英文記事
AFPの26日の記事によれば、操縦士の1人が墜落前に操縦室から閉め出されていたことが、回収されたボイスレコーダー(音声記録装置)のデータから判明した。事故調査当局の関係者によると、ボイスレコーダーには、座席のうちの1つが後方に押され(一人が退席し)、(コックピットの)扉が一度開閉された後、扉をノックする音が記録されていたが、「その時点から墜落まで会話は一切録音されていなかった」。席を立ったのが機長と副操縦士のどちらなのかは、今のところ不明という。またレコーダーには、2人が離陸直後にドイツ語で交わした会話も記録されていたが、特に不審な点はなかったとされる。また、墜落直前には地面に接近していることを知らせる警報が鳴り響いていたという。参照記
2015年3月27日:フランス南東部のアルプス山中で24日に墜落したドイツの格安航空会社
ジャーマンウィングスの旅客機を巡り、仏検察当局のブリス・ロバンBrice Robin検察官は26日、仏南部マルセイユで記者会見し、機長がコックピットの外に出た後、副操縦士co-pilotのアンドレアス・ルビッツ Andreas Lubitz容疑者(ドイツ国籍、28 写真右)が故意にintentionally機体を降下させたと公表した。検察官は、副操縦士を殺人容疑で捜査するとした。副操縦士は、。ロバン氏は「テロリストとしてリストアップされていない」とした上で、「墜落をテロとみなす根拠はない」と述べた。回収されたボイスレコーダーから、墜落前30分間の会話が判明
し、機長がルビッツ容疑者に操縦を任せ、コックピットを出た後、同容疑者が扉を開けるのを拒否、機長を閉め出した。ルビッツ容疑者は管制塔の問いかけに
応じず、墜落直前までの10分間は、同容疑者の呼吸音だけが聞こえた。機長がコックピットを出る前にルビッツ容疑者と交わした会話は、着陸についての説明
で、異変はなかった。データから、墜落直前になって乗客からの悲鳴が確認された。 英文記事 参照記事
過去に、自分の娘がルビッツと同じ学校に通っていた娘さんを持つ母親は、彼がパイロットの訓練の後、数か月の休暇を取ると話していたと語り、その理由として彼は、自分がうつ病depression(あるいは精神的な疲れ)だと説明したと語り、別記事では「燃え尽き症候群 burnout-syndrome」だったと説明されている。彼の今の所属会社は、彼が訓練後に長期休暇を取ったのは6年前(2008年あるいは2009年)で、その後の適格テストでは、パイロットの従事には心身ともにまったく異常はなかったとされている。そのときの長期休暇の理由は不明とされているが、パイロットの生活状況の把握までする会社側の説明としては腑に落ちない説明に思われる。航空会社によると、彼は2013年9月からルフトハンザのジャーマンウィングスで操縦士に就いたが、操縦士の精神面の検査は、訓練期間が終わった後は定期的に行なわれていなかった。また、訓練終了後から6年間の副操縦士の任務の中断を疑問視する意見もある。現在彼の、生活状況、財産状況、思想や宗教についてなどの調査が行われている。
彼は両親とともに、たまにドイツのモンタバウアーMontabaurに住んでいて(写真左が両親の住居、彼は別に自宅を持っている)、弟がいるが一緒には住んでいなかった。彼女がいて、ともにジョギングを楽しんでいたなど、表向きは普通のまじめな青年の側面しか伝わってこない。彼は2013年9月からA320の操縦勤務に就き、延べ飛行時間は630時間。事故後のデータから、マルセイユ航空管制Marseille air traffic control towerが墜落直前に何度も応答を求めているが、記録音声からは、彼の呼吸の音しか聞こえてこなかったと説明された。彼の両親は事件後、被害者遺族らとフランスへ向かったが、息子の容疑が浮上したため、今は別行動を取っている。参照記事 参照記事 参照記事 参照記事
ニュージーランド航空はこの事件を機に、飛行中のパイロットの片方が操縦席を出る場合、乗り組員の誰か1名が代りに操縦席に入るよう手続きを変え、安全のための強化を行うと公表した。参照記事
ドイツのタブロイド紙Bildが、 Germanwings内部の匿名人物からの発言の引用として、アンドレアス・ルビッツ Andreas Lubitz容疑者が全部で18カ月に渡り精神医学的処置psychiatric treatmentを受けていたと報じた。このことは、彼は2009年には高度の鬱病発症者severe depressive episodeで、彼には精神面での問題で、定期的な診断が必要とされる状態だったとの結論に至ったと書いている。
図は、英国紙の「いかに13分間の恐怖は推移したか」という図解を訳したものです。ブラックボックスの音声データから再現したもののようです。クリックで拡大してご覧ください。各時間は午前でGMTグリニッジ標準時間で表示されています。ドアをたたく音や警告音の入った映像 左のドアは、同型機のコックピットへ入るドアで防弾仕様。この事が災いして機長は中に入れなかった。
13分間のルビッツの息遣いが終始普通だったことで、バーミンガム大学教授Professor Craig Jackson, Birmingham City Universityは、「このことは、彼が家のコンピュータなどで 事前に練習していたと言ってもいいのではないか。彼はパイロットとして出来上がっていた」と語っている。教授の言葉はいろんな想像をさせるが、航空業界に 大きな問題を投げかけたのは間違いない事実だろう。いまだに乗客乗員239人の消息が不明なマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便でも、原因は機長の自殺ではと言われている。参照記事 過去ブログ:2014年6月MH370便捜索再開か?オーストラリア 2014年3月追記;239人乗りマレーシア航空旅客機 捜索インド洋に拡大
同紙はまた、捜査に詳しい人物からの発言の引用として、精神的な問題の原因は、ガールフレンドとの関係からの個人的破局"personal life crisis,"と説明している。(筆者:遠回しな書き方だが、失恋ではないだろうか?) 一方で親会社のルフトハンザは26日、彼は100%飛行に適格な人物だったと発言しているが、同時に彼は6年前、何の説明もなく訓練を休んだとも語っていた。これを裏付ける様に、以前の彼のクラスメートが最近ツイッターで、彼、アンドレアス・ルビッツが2009年、訓練期間中に6ヶ月間「燃え尽き症候群burnout-syndrom」で休んだと書いている。
自宅を捜査したデュッセルドルフ警察Dusseldorf Policeは、重要な手掛かりsignificant clueを見つけたとしながらも、まだ公表はできないと発言している。すでに補償問題にも言及されていて、アンドレアス・ルビッツが故意に旅客機を破壊したのなら、彼の雇用会社の過失も問われ、補償は通常よりも相当高額になるだろうと言われている。参照記事
2015年3月27日:独検察当局は27日、家宅捜索したドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅から、病気のため「勤務不可」を指示する医師の診断書などが見つかったと明らかにし、墜落した日も「勤務不可」の期間に含まれていたと明かした。診断書は破られていたという。独メディアによると、副操縦士は精神疾患を抱えていたとされている。当局は、本人が病気を会社に隠していた、と発表し、ジャーマンウィングスの広報担当は27日、朝日新聞の取材に、副操縦士の「勤務不可」の診断書について「墜落した日が含まれたものは受け取っていない」と答えたが、伝えられたところによると、過去の訓練の中断は、うつ病の治療だったとの指摘もあり、副操縦士の個人資料とパイロットライセンスには、医師による定期的な診断が必要であると記されていたも言われる。仏検察当局者は26日の会見で、副操縦士の殺人容疑も視野に捜査を進める考えを示している。写真右は、2009年9月、ハンブルグでのマラソン大会参加のもの。 参照記事 参照記事
2015年3月28日:デュッセルドルフのある病院は27日、ルビッツが過去2ヶ月間患者だったと認め、デュッセルドルフ大学病院Duesseldorf University Hospital は、彼の最後の来院は3月10日で診察の為だったとしたが、彼の病状や身体的か精神面か等についての情報公開は避けた。家宅捜索では、彼には病状があり、適切な治療を要するとの書類が見つかったとされているが、遺書らしきものは見つかっていない。隣人からは、彼の運動能力から身体的にはすぐれていたとされ、煙草も吸わず、よくジョギングをしていたとの発言がある。他の人に彼は、仕事はスリルがあると語り、幸せそうに見えたといわれている。参照記事
2015年3月29日:ドイツ紙「ウェルト」日曜版(Welt am Sonntag)の28日の記事によれば、9525便を意図的に墜落させた疑いが出ているアンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士は数人の神経科医neurologistsと精神科医psychiatristsから治療を受けていたと、ある捜査幹部が語ったという。ただし同紙は副操縦士が薬物 a drugsやアルコールに依存 alcohol dependencyしていたことを示す証拠は見つかっていないとしている。 同紙はまた、自宅捜索で見つかった個人的なメモや精神疾患 psychological illnessへの治療薬から、副操縦士は過剰なストレスoverstressedにさらされ、深刻なうつ状態severely depressiveにあったことが分かったと伝えている。写真は彼と、捜索された彼の自宅 英文記事 参照記事
ドイツのBild magazineによれば、今はアンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)と別れた元彼女の発言として、ルビッツは7年前に彼女に精神治療を受けていると告白し、今に「壮大な行動 spectacular gesture」をして、それで自分の名を人々の記憶に永遠に残す計画をしていると語ったと報じている。参照記事 この記事後の経過:2015年3月副操縦士は7年前、今に大きな事をすると語っていた ドイツ



イランの支援を受けているといわれるシーア派「フーシ(ホーシ)派」the Shiite Huthi movementは2015年1月、ハディ大統領President Abd-Rabbu Mansour Hadiをクーデターで追放し国内が分裂状態で、ハディ大統領は当初、自宅に軟禁されていたが、2015年2月、自宅を脱出して南部の港湾都市アデンAdenに逃れ、まだ自分が大統領であると宣言している。参照記事 英文記事
国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織でイエメンに拠点を置く「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian Peninsula、AQAP)」は、今回の自爆攻撃とアルカイダは無関係だとする声明を発表し、その中で「われわれは、最高指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman Zawahiri)師の指示に沿って行動しており、罪のないイスラム教徒の生命を守るため、モスクや市場などを標的にはしない」と述べた。この組織はすでに数カ月「フーシ(ホーシ)派」支持の地域で戦闘を繰り返し、アルカイダ系民兵が南部の al-Houtaを制圧したとされる。 参照記事



2015年3月26日:サウジアラビアなどの湾岸5カ国は26日、イエメンをイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」から防衛するため行動を開始すると発表し、現地午前7時から空爆を開始した。共同声明を公表したのはサウジ、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーンおよびカタール。サウジの国営通信社を通じて「われわれはイエメンのハディ暫定大統領の要請で、フーシ派民兵による武力侵攻から同国とその親愛なる国民を守ることを決めた」と明らかにした。空爆は、首都サナーSanaaの大統領宮殿や警察署に行われた。記事には、反政府組織を支援するシーア派イランとスンニ派国サウジアラビアShia Iran, accused of backing the rebels - and Sunni-ruled Saudi Arabiaの代理戦争Proxy warと表現されている。映像:The Saudi Air Force bombed Houthi positions in Yemen 参照記事
2015年4月2日:イスラエルの新聞が4月1日水曜、空軍司令官の話として伝えたところによると、イスラエルの戦闘機は、イエメン攻撃でサウジアラビを支援するために、この国の標的を爆撃した。この司令官は、「イスラエルの戦闘機によるイエメンへの攻撃は、サウジアラビアの要請によって行われた」と語った。参照記事
イエメンのメディア専門家アブドゥルホセイン・シャビブ氏が、「サウジアラビアは、イエメンのシーア派組織フーシ派との戦いを口実に、同国への軍事攻撃を開始したが、実際には民間人の殺害とインフラの破壊により、イエメンの弱体化を狙っている」と述べている。サウジアラビアは3月26日、イエメンに対する空からの侵略を開始し、イエメンの西部と北部に対するこれらの攻撃のうち、2つの事例だけで少なくとも70名の民間人が死亡し、300人以上が負傷しているとイラン側が報じている。サウジアラビアの戦闘機はこれ以前、イエメンの西部の難民キャンプなど各地を攻撃し、これにより、民間人数十名が死傷した。国連はイエメンの難民キャンプへの空爆を国際法の違反だとしている。参照記事



ティクリートTikritの北40キロにあるバイジBaiji(Biji)周辺では24日、イラク合同軍とスンニ派部族民兵によるIS掃討が続行中で、ここでの空爆はイラク空軍Iraqi Air Force IAFが行っており、IAFは、ティクリートTikritのあるイラク北部サラーフッディーン県Salahuddin( Salah il-Din)での24日の空爆で、多数の戦果をあげたと報告している。 有志国軍による空爆は、現在もシリア、イラクで継続されているが、ティクリートへの有志国軍による本格的な空爆は行われていない。別な記事で書いたが、この方面の作戦の主力がイランであり、地域の情報もイラン

米政府当局者は25日、ロイター通信に対し、イラク北部の要衝ティクリートを過激派組織「イスラム国」から奪還する作戦で、米軍など有志国が初めてイラク軍を後押しする空爆支援を行う方針を示した。
上の大きな地図は2015年3月23日公表されたもので、イラク北部の赤いラインは、2014年8月、ISが最も北進した際の戦線で、青(クルド)と緑(イラク合同軍)のラインは、2015年3月時点での戦線ラインで、青のラインは筆者が以前に作った右の地図の黄色いラインで示したクルド軍の目標戦線ラインとほぼ同じである。右の地図では一部、地名をクルド語表示で示している。
オレンジ色の丸が、IS占拠地、または戦闘中で、青がクルド軍、緑がイラク軍、紫がシリア・クルド軍YPGを示している。米国側作成資料 参照記事
2015年3月26日:25日、イラク合同軍はBaiji(Biji)南部の攻撃に出ているが、サラーフッディーン県Salahuddin( Salah il-Din)の治安責任者が、ティクリート攻撃が宗派対立になりつつあるとの懸念を表明している。この前のブログで書いたように、北部での攻撃はイラク合同軍のシーア派民兵が主流で行われており、一方のティクリートの防衛はISと地域のスンニ派部族だが、地域住民でもあるスンニ派部族民兵とISを同一視するシーア派が、抵抗の意思のないスンニ派民兵に対し残虐な行為に出ているのではと想像でき、また、そのような行為に出ていることは以前に確認されている。クルド族も世俗的スンニ派といわれ、クルド側がクルド人居住地へのシーア派民兵の介入に警戒を発しているのもこのようなことが原因だ。殺人集団と化した偏狭なシーア派民兵が、今後大きな問題になる可能性がある。同時に、北部でシーア派民兵を指揮するイランと、イラク国内の戦闘の主導権を取りたいイラク政府側との確執が生まれていると言える。米軍、有志国軍がティクリートへの空爆を決め、現地25日、空爆を開始したことで、ティクリートの完全制圧は近づいている。米国国防省は、イラク政府からティクリートでの作戦に対する連合軍による支援の要請があったとし、市の中心部4か所の空爆が確認されている。 参照記事 参照記事 過去ブログ:2015年3月ティクリートの作戦はイラン主導か?




右のイラク全図で、緑がイラク治安軍、紫がクルド・ぺシュメルガPeshmerga、赤が交戦状態を示している。2月の状況図だが今もほとんど変わらず、バグダッド市内にはISの砲撃があり、北部Sinjar、中部Fallujahにも攻撃が繰り返されている。
戦況を見ていておかしな点に気がついたが、イラクで最大といわれるティクリートの作戦で、参加兵員が2万から3万と非常にあいまいな点だ。作戦参加の組織を大きく分類すれば、キルクークKirkuk周辺、南部、西部のぺシュメルガPeshmerga、バグダッド方面から北上したイラク治安軍、シーア派民兵の合同軍と思うが、ぺシュメルガPeshmergaはキルクーク周辺のクルド人居住地域に攻撃を限定しているので、ティクリート参加兵員の把握は難しくないはずだ。

筆者の推論だが、

ISがティクリートにに侵攻した2014年6月頃、大量のイラク兵が処刑されたとされ、その総数は1700名との記事もある。数百人の犠牲者数は過去に言われているが、あまりにも誤差が大きい。現在ティクリート周辺では、ISによる多くの埋葬地が見つかり、南部ではイラク兵の軍服を着た遺体の確認が進んでいる。ISの侵攻時、多くのイラク兵が撤退し、逃げ遅れた訓練兵、数百人が処刑されたと言われていたが、実際は、撤退した多くのイラク兵もバグダッドに通じるティクリート南部などでISに捕獲されて処刑されたのではないだろうか?これを現イラク中央政府は隠したいのではと想像している。参照記事



中国北西部、キルギスとの国境に近い天山山脈Tian Shan Mountainsに生息するイリナキウサギ(学名:Ochotona iliensis: Ili Pika)は、20年以上にわたって専門家の目を逃れてきた。山地に暮らす小型の哺乳類で、テディベアのような顔をしている。1983年に偶然発見されてから30年以上たつが、ぬいぐるみのようなこのモフモフの動物の目撃例は非常に少ない。実際、生きて活動しているところを確認された個体はわずか29匹にとどまり、生態や行動もほとんど分かっていない。
しかし2014年の夏、その姿が再び目撃された。イリナキウサギと再び出会えたのは、新疆生態・地理研究所(Xinjiang Institute for Ecology and
Geography)所属の研究者で、イリナキウサギの最初の発見者でもあるリー・ウェイドン氏だ。今回、リー氏はイリナキウサギを探そうと、有志のグ
ループを結成して天山山脈に入った。ある日の昼ごろ、メンバーがカメラトラップを設置していると、お目当ての動物が現れた。好奇心旺盛なイリナキウサギが1匹、岩壁の隙間からひょっこりと顔を出していたのだ。リー氏はすぐに何枚か写真を撮った。そのうちの1枚が上掲の写真だ。下は過去の写真で、中国の研究者、リー・ウェイドン氏が1983年に発見して新種と確認され、国際自然保護連合が2008年に絶滅危惧種ENDANGEREDに指定している。体長約20cm。生息数は発見時に比べて70%近く減ったと推定され、現在は1000匹を下回るという。中国の法律ではまだ保護種に指定されておらず、公式調査も行われてこなかった。地球温暖化の影響で万年雪が減ったために生息地が縮小し、かつて生息していた標高3200~3400メートルの地点から、今では4100メートルの地点にまで追いやられた。映像記事 参照記事から抜粋 参照記事 英文記事






2015年3月23日;3月19日にこの上のブログを書いたとき、タイトルは「シリア軍の女性志願兵士とアサドの模索」だったが、今日は模索を「もがき」に書き換えた。
アサドSyrian President Bashar al-Assadは3月22日、すでに失敗に終わったモスクワでの和平交渉(2015年1月26日~29日)再開を呼び掛けている。絵に描いたような予想通りの展開だが、未だに解決の方向が見えないのは、西側の妨害によるものだとの発言を繰り返すアサドの「上から目線」の態度が問題で、彼の希望する進展は困難だろう。5年目に入ったシリア紛争(規模は間違いなく戦争だが、宣戦布告が無く、国同士ではないので紛争とされている)の経過で、幾度となくあった交渉のチャンスを無視し、妨害したのはアサドであり、国連で拒否権を連発した中露だった。アサドは無視どころか、さらに攻撃を過激化し、今では無差別な爆弾投下は日常化し、国連もシリア空軍の化学兵器塩素ガス使用の疑いを表明している。すでに犠牲者は21万人以上で難民は300万人以上とされる。恐らくロシアでさえ、アサドに国を再建する能力が無いのはわかっていて、イランが今だに付き合うのも、シリアが崩壊すれば、ゴラン高原からイスラエルが侵攻するのを懸念するからという、イランの都合からの判断だろう。 過去ブログ:2015年2月米国、限定的地上部隊の投入策を議会提出 イラク シリア 2013年11月シリア紛争を振り返る 2013年11月末 2013年9月脅しと責任転嫁のプーチン論文 シリア 2012年12月反政府組織、ロシアとの和平協議拒否 シリア 2012年3月歴史は「中ロの失策」と書くだろう シリア内戦 シリア問題で「卑劣」とまで言われた中国 3月:シリア政府軍がホムスの一部制圧か? 懸念される虐殺 2月:無差別砲撃を止めないシリア、内戦に突入か、、。 2月:中国の特使派遣に成果なし シリア 2月:中国に調停は無理

賃貸契約は、朝鮮総連の関連団体である白山出版会館管理会が、グリーン社を債務者として本部ビルに極度額50億円の根抵当権を設定した際に、一括で結ばれていたもようだ。賃貸額は月に2000万円台で、相場の半分程度だとされる。朝鮮総連は、本部ビルが競売にかけられ移転を強いられる可能性があったが、落札した不動産からグリーン社への転売を経て、賃貸契約が結ばれたことで継続使用できることになった。もっとも、朝鮮総連は慢性的な財政難の中にあるとされ、年間で3億円に迫る賃料の捻出も楽ではなさそうだ。都内の1等地に生産性のない大型物件を維持することについては、総連内部からも「組織運営を圧迫する」との懸念の声が聞こえる。参照記事
ある意味予想通りで、実に分かりやすい流れだが、日本の政治家も絡んでいるはずだが報道はない。調べた方の記事では、過去に高松市の不動産会社マルナカホールディングスが22億円で2014年に落札した朝鮮総連本部ビルを、資本金300万円とされる貸し倉庫会社「グリーンフォーリスト」が44億円で購入し、グリーンフォーリストと朝鮮総連はビルの賃貸契約を結ぶのだという。この会社の所在地は「山形県酒田市大浜1-3-14」で、2007年創業で、賃貸倉庫業として酒田商工会議所に会員登録されている。登録の際には事業の実績があるかどうかが審査され、実際に倉庫を借りている業者も存在したため会員になることができた。しかし、現在も事業実績があるかといえば「わからない」のだという。民間信用調査会社の資料によれば、グリーンフォーリストは資本金300万円で、2007年9月に設立され、年商は1900万円。参照記事 参考記事
テロ組織「イスラム国」に日本人2人が拘 束され、殺害された。救出に向けた政府の取り組みは実を結ばなかった。秘密情報の収集を担う独立した機関を創設する必要がある、とは安倍首相のかねてから の主張であった。これまで日本は戦略上の最重要パートナーである米国からの秘密情報に依存していた。換言すれば、これまで日本は、自国の機微に触れる情報 について、外国の諜報機関に依存していたのである。ところでこの情報技術の世紀にあっては、情報は国家にとって最重要の道具である。
日 本にこれまで諜報機関が全く存在していなかったかといえば、実はそうでもない。それは存在したし、存在している。たとえば公安調査庁。しかし十全に機能し ているとは言いがたく、ネット上では世界最弱の諜報機関と揶揄されている。また、防衛省には情報本部というものがある。しかし、機能は厳しく制限されてい る。それは、自衛隊が手足を縛られているのと同様である。さらに、外務省にも、内閣府にも、情報本部(*内閣情報調査室)が付属しているが、それらが統一を欠き、効率を欠き、 にも関わらず、かなりの予算が割かれていることに、批判の声が上がっている。
ウラジオストクのロシア戦略研究所アジア太平洋研究室長ピョートル・サモイレンコ氏は次のように見ている。「、、日本に限って言えば、直面する最大の危険は北朝鮮の戦略ミサイルシステム実験である。北朝鮮のミサイルは日本海を200~300km飛行している。しかし これは問題の一面でしかない。朝鮮半島全体の情勢も、いま日本が諜報部門を強化しようとしていることの理由のひとつであるだろう。、、もうひとつのファクターは、日本がいま、たとえば尖閣諸島をめぐり中国と、一般に北東アジア諸国と、緊張を高めていること。、、さらに経済的ファクターもある。海底資源をめぐる競争が激化しているのである」参照記事
報道によれば、拓殖大の川上高司教授は、「諜報機関は日本が普通の国になるためには死活的に重要である」と語っている。日本にはいまだに軍隊さえない。あ るのは憲法によって厳しく規模と行動を制限された自衛隊のみである。しかもその憲法は、日本人が自らの力のみによって策定したものではない。1947年、 第二次世界大戦後に日本を占領していた米国に、大幅に助けられたのである。憲法改定と諜報機関の創設による、軍隊の創設。それは安倍晋三の野望ということ だけでなく、主権国家の市民としての日本の民族的誇りの問題なのである。参照記事より抜粋:*は筆者加筆
以上がロシアの日本の諜報機関の必要性を説いた記事で、最後の「民族の誇りと軍隊」の関係には異論があるが、国際情勢の複雑さと緊張度、影響度から見て、日本にも本格的な諜報機関が必要な時期には来ているだろう。日本人が「イスラム国」の人質になった際、シリアの隣国ヨルダンの日本大使館に防衛駐在官(武官)が急きょ派遣されたが、良い結果は得られなかった。
現在各国の駐在武官にあたる防衛駐在官には現役の自衛官が派遣され、派遣先国の軍幹部との交流などを通して有事の際に情報収集できるようチャンネルを構築するのが重要な任務のひとつだが、アフリカだけ見ても、54ヵ国あるアフリカで防衛駐在官が派遣されているのはエジプトとスーダンの2ヵ国だけで、これではとてもアフリカ全域をカバーしきれない。(左の図は2013年時点で、上の図は2004年時点:参考記事)
設立には多くの問題があり、アメリカでは、国内を担当するFBIと国外を担当するCIAが対立し、両者の協力がほとんどなされてこなかったと言われ、時には国内の言論や通信の自由にさえ影響を与えるのは過去の米国の歴史から分かることだ。現実として、いきなりの独立機関の創設はかなり難しいだろう。駐在武官の質と量を強化するのが精いっぱいの対策ではと、筆者の個人的見解だ。
戦前の武官では、日露戦争中に、欧州やフィンランドの反ロシア帝国の革命派グループと接触した明石大佐が有名だが、彼の場合はスパイ工作と妨害工作が任務で、今後の武官の質と行動には大きな問題を含んでいる。現在武官は、外務大臣と在外公館長の指揮監督に服する位置にあるが、外務省の天下り在外公館長の下では、それほど有意義な活動はしていないだろうと個人的に思うのだが、、。
オーストラリアの情報部ASISが、日本の情報要員教育へ協力との最近の記事もあるが、内容が内容だけに詳細は不明だ。しかし、安倍政権が、第二次世界大戦以降存在しなかった対外情報機関の創設を進め、自民党は英国の秘密情報部「MI6」を念頭にしているといわれている。この事と関係するのか、ASISのモデルは英国の諜報機関MI6である。新規創設には、既存のあやふやな組織の管轄や費用の問題も整理すべきだが、問題は、今でも使途不明な予算の使い方(内閣情報調査室)と日本の官僚主義だろう。また、安倍内閣がこの件を進める理由としては、在外公館を含む既存の組織がこれまで、なんら目覚ましい活動をしていないことの証明とも言えるのではないだろうか?新設の諜報機関が、天下りの巣窟になり、情報収集が目的で、縦割り組織の中で何ら活用されないなら予算の無駄だが、その可能性が大きいだろうと苦言を呈しておこう。日本人2人が殺害された時、安倍首相は「イスラム国に罪を償わせる」と語ったが、天下りの延命に懸命な国が懲罰など、余りにも口から出まかせだろう。ましてや相手は、脅しの効く相手でもない。それとも、ゴルゴ13とお知り合いか?「罪を償わせる」のが目的なら、問題のある国に、さっさと現地採用の情報員を配置したほうが早いと思うのだが、、。 参考記事 英文記事 参考記事:我が国の戦前の駐在武官制度 参考記事:防衛駐在官 ― 「欧州」にこそ必要なのではないか