2014年7月20日：19日、イラクの首都バグダッドIraqi capital of Baghdad周辺5か所で爆破テロがあり、3つの爆発は約10分間以内に連続して発生し、少なくても26人が犠牲になった。場所はほとんど、シーア派住民の居住区だった。その後「イスラム国」グループは、爆破テロの犯行を認める声明を出し、そのうち2か所はシリアとドイツからの兵員による自爆テロだったと公表し、さらに強力なテロを予告している。参照記事

2014年6月からイスラム過激派「イスラム国：ＩＳ」に制圧されている、イラク第2の都市モースルMosulでは、リーダーの アブ・バクル・バグダディIslamic State's leader, Abu Bakr al-Baghdadi：写真左　が、市内に残っているキリスト教徒に向け、イスラム教に改宗するか、税金を払うかしなけれなば、シリアのラッカRaqqaで起きたように十字架に掛けて処刑；写真左　すると説教で発言したとされ、できないものは財産を置いて市から退去せよとも命じている。制圧前に3000人ほどいたとされるキリスト教徒の大半はすでに市から退避したとされ、市内の教会や関連商店は破壊されている。参照記事　参照記事　過去ブログ：2014年7月イラク軍の報復処刑も表面化　マリキ首相は政権維持に固執
アブ・バクル・バグダディによる、スンニ派は蜂起せよとの発言に対し、その影響はアジア圏にまで波及し、イスラム教徒の多いインドネシアでは、反政府活動で拘束されているイスラム指導者が、「イスラム国」の闘争に参加するように教徒に呼びかけたとされ、すでにイラクで多くのインドネシア人が戦闘に参加しているといわれる。識者は、このような連鎖が拡大し、新たな世界的な連携が誕生するのではと懸念している。写真は、インドネシアでのイスラム教スンニ派教徒の集会　背中に、国際イスラム原理主義を唱え、反米主義だったオサマ・ビン・ラディンの絵が見える。　参照記事

中国元最高指導者江沢民の身辺に対する調査が着々と進めら、江の愛人とされる海軍政治部歌舞団(海政文工団)の 団長、ソプラノ歌手の宋祖英(４８)は個人コンサート開催のため軍事費及び文化部予算を不正流用した疑いで最高指導部の調査を受けている。　党員の腐敗などを監視する共産党中央規律検査委員会と、軍の最高機関・共産党中央軍事委員会の規律検査委員会は同時に、宋に対する調査を行っているという。台湾紙「東森新聞」もこの情報を報道した。大手ポータルサイト「新浪網」のミニ・ブログ(微博)など中国国内のインターネットでもこの情報は出回っていたが、いまはほとんど削除されている。写真は、お茶くみのお姉さんにも色目を使う江沢民として紹介されたもの。

海政文工団の団長とはいえ、本来なら、一介の軍部のソプラノ歌手が取り調べを受けてもそれほどの話題にはならない。しかし、宋は江の愛人とされる女性 で、その寵愛を一身に受けてきたことは世間に知れわたっている。かつては女王的な存在であった彼女に調査の手が及んだことは、共産党国家では決して尋常で はない。様々な憶測が飛び交っている。
宋は２００２年１２月２０日に豪州のシドニー・オペラハウス、０３年１１月２３日にオーストリアの有名な「黄金のホール」、０６年１０月に米国のジョン・F・ケネディ・センターで個人コンサートを開催した。不正資金流用の調査の対象はこれらのコンサートとされている。現時点において、中国の政府ルートでのこの情報の信憑性はまだ確認できていない。2012年の歌唱映像　参照記事

それにしても、写真の撮った時期が違うとは言え、写真左はコンピューター処理のし過ぎだろう。江沢民の略歴は以下。過去ブログ：2014年4月中国の汚職Ｇメン　30名が暗殺、行方不明　2014年4月四川省の大実業家は黒社会のボス　政治家の２割がギャング　2014年3月中国軍部、公安で、過去最大の汚職摘発か？　2014年2月豪州企業買収の富豪は犯罪組織のボスだった　中国　2013年12月習体制の弱った虎退治　中国

＊1926年、中国江蘇省揚州生まれ。中国共産党中央委員会総書記、中華人民共和国主席などを歴任した。鄧小平(トン・シァオピン)の時代に党内での地位を固め、上海で市長や党幹部として力を振るった。89年に総書記に就任し、翌90年に国家中央軍事委員会主席を兼任、更に93年には国家主席も兼任、2002年まで全権を掌握した。国家主席時代の1990年代、当局が強化した教育重点事項。小中学校で愛国を題材にした映画や歌、本それぞれ100作品を推薦することが決まり、毎学期に数回は抗日を題材にした映画上映会も開かれるようになった。胡錦濤政権時代も江沢民の庇護の下でその影響力を行使し続けた人民解放軍制服組のトップの徐才厚：右　も2014年6月30日、汚職などで党籍剥奪の処分が決定されたと報じられている。これで習近平国家主席体制は軍部を掌握し、要職から江沢民派のほとんどを排除したといわれ、残るは、江沢民本人の排除である。参考記事：軍に忠誠を誓わせた習近平 江沢民派との権力闘争の行方
2015年3月15日、中国紙は中国軍元ナンバー２の徐才厚（シュイツァイホウ）・前党中央軍事委員会副主席：写真下　が 膀胱癌で死亡したと報じた。徐氏は部下らに昇進などの便宜を図る見返りとして、直接または家族を通して巨額の賄賂を受け取ったことが分かっていた。参照記事　過去ブログ：2014年3月中国軍部、公安で、過去最大の汚職摘発か？

内戦が続くシリアで2014年7月18日までに、イスラム過激派「イスラム国：ＩＳ」が中部ホムス県の天然ガス田al-Sha’er oilfield in Homs provinceを制圧、アサド政権側部隊との交戦で、政権側兵士ら少なくとも115人が死亡した。フランス公共ラジオがシリア人権監視団（英国）の情報として報じた。

　制圧は17日。人権監視団は、イスラム国がシリア内戦で台頭した昨年以降、政権側に対する「最大」の作戦だと指摘した。死者にはガス田施設の従業員や警備員も含まれるという。イスラム国は今月上旬、シリア東部の油田を相次いで制圧するなど勢力を拡大。闇市場を通して巨額の資金を得ているとされる。参照記事　参照記事　参照記事　参照記事

何をもって最大の作戦か不明だが、映像記事では、ガス田のシリア政府側犠牲者は少なくても270名となっている。遺体が集まっていることから、恐らく集団処刑したのだろう。イスラム国ＩＳが、シリアでも資源地帯を重点的に攻撃しているようだ。このガス田での戦闘で、イスラム側は大量の武器弾薬、戦車などを手に入れたとされる。　映像記事：遺体が多いので閲覧注意[Graphic] ISIL attack on Syrian gas field leaves 270 people dead　ISIS takes over the al-Sha'er gas field in Homs - Close ups of dead Assadists

シリア内の戦闘は止む気配はなく、ホムス、ハマ、アレッポ、ラタキア、ダマスカス周辺、油田地帯ラッカ、レバノンに近いヤブルードYabroudのあるQalamoun地区などで報告されている。ダマスカスでは、「イスラム国：ＩＳ」の脅威に、住民がデモをしている。北部でクルド勢力へ向けて、過激派が化学薬品の入った爆弾を使用したとの報告もある。また、ＩＳとほかのイスラム組織の抗争も起きているようだ。北部コバニKobaniには、トルコ側から100人ほどのクルド人が集結している。　映像記録

右の図では、最近の戦闘地域や戦略上注目地点へ赤いしるしをつけたが、ほとんどシリア全域に広がっており、数年前と変わらなくみえる。変わったのは、イスラム勢力が、イスラム国ＩＳやヌスラ戦線、ほかのセクトに分裂したことだろうか？作戦によっては、組織同士が連携する場合もあるようで、イスラム側の勢力範囲は把握が難しい。図は今年2月のもので、緑が反政府イスラム勢力圏、ピンクがシリア政府側とされていた。過去ブログ：2014年2月和平会議の失敗と戦闘が過激化するシリア　2014年2月

2014年7月26日：約10日間イスラム側に占拠されていたAl-Shaar ガス田が、シリア政府側により奪還されたと26日の記事で報道された。このイスラム側の制圧で犠牲になった270人のシリア兵士の多くが処刑されていたと、人権団体から報告されている。写真は、奪還を喜ぶシリア軍兵士。参照記事

過去ブログ：2014年7月マレーシア航空ＭＨ17便　ウクライナで撃墜され295人死亡　からの継続記事

墜落当初の資料からみて、ウクライナ西方から侵入したマレーシア航空のボーイング７７７型旅客機ＭＨ17便Boeing 777、Malaysian Airlines fight MH17を、ウクライナ軍が敵機とみなして撃墜したという親ロシア側、ロシアの主張は理解しがたい部分がある。
英国紙は2014年7月18日の記事で、反政府が支配する、墜落地点に近いトレーズ Torez市内で17日、隠れているＳＡー１１地対空ミサイル（呼称「Buk：ブーク」：「Бук」9K37）の姿をスパイが撮ったとされる写真で公開した。写真では、4基搭載のミサイルのうち2基がすでに無くなっている。また、撃墜する様子を撮影していた反政府派の「やったぞ！煙をあげている」などの、ミサイル命中に歓声を上げる様子も紹介し、限りなく反政府派の民間機誤認撃墜の可能性を紹介している。参照記事

上の地図はマレーシア機の飛行経路と墜落地点など。
下は、オレンジ色が反政府派支配地域で、トレーズ市がミサイル発射疑惑の場所と、その上付近が墜落地点の大体の場所。いずれも筆者が自分の判断で特定し、書き込んだ位置です。
記事では、以前ロシア空軍に在籍した将校の証言で、ブークBUKの操作は親ロシア派民兵には無理で、ロシア側のエキスパートが操作した可能性を示唆している。

写真のブークは、撃墜のあった以降にトレーズ市内で秘密に撮られ、攻撃に使用された可能性が高く、ミサイル2基は使用された状態で、マレーシア機は2発のミサイルで攻撃された可能性もある。場所は墜落地点から十数キロの人気のない市内の道路わき。本体は台車の上に乗せられていて、車で牽引することで、装備されたキャタピラーでの移動より相当早く移動することが可能だ。写真のミサイル発射装置は、すでに南方向、ロシア方面に移動したとされる。映像：移動する映像　旅客機撃墜数時間前、トレーズ市を移動するブークＢｕｋ　移動するブーク　参照記事
オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで緊急記者会見を開き、ウクライナ東部で墜落したマレーシア機は親ロシア派支配地域から発射された地対空ミサイルによって撃墜されたことを「確信している」と明言し「言い表せないほど非道な行いだ　Outrage of Unspeakable Proportions」と強く非難した。米国防総省のカービー報道官も同日の記者会見で、ロシア製のブーク地対空ミサイル（ＳＡ11）が使用されたことを示す「非常に強力な証拠」があると指摘した。参照記事　参照記事

マレーシア航空旅客機の墜落現場に入った欧州安保協力機構（ＯＳＣＥ）の調査団の先遣隊が18日、親ロシア派武装勢力の妨害を受け、撤収した。ＯＳＣＥによると、墜落現場では親ロ派による執拗な妨害が続き、機体の残骸にもほとんど近づけなかった。威嚇射撃に及んだ戦闘員もいたという。　ＯＳＣＥ要員は19日も現場入りし、親ロ派に協力を促す方針だ。ウクライナのポロシェンコ大統領は18日、キャメロン英首相、ドイツのメルケル首相と電話し、英独の専門家を調査団に派遣するよう求めた。すでに米国では、ロシアが親ロシア分離派を支援しているとして、ロシアへの制裁強化の発言が出始めている。写真は調査を妨害する親ロシア派民兵と、アムステルダムから離陸直前に乗客がMH17便機内をiphoneで撮影し、機内から転送されたとするビデオからの画像。撮影したのは、マレーシアへ休暇で里帰りする大学生だったとされる。　参照記事　参照記事　参照記事

世界には、5万8,000以上のフライトルートがあり、旅客機は毎日、紛争地域を通過している。比較的平和なロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、東京間を行き来するために、リビア、アフガニスタン、スーダン、ウクライナといった紛争地域の上空を通過する。マレーシア航空17便が墜落したとき、少なくとも、シンガポール航空351便(ボーイング777)とインド航空113便(ボーイング787)の2便が、事件現場から15マイル(約24キロ)以内を飛行していた。参照記事

ＢＢＣ18日の記事は、死亡犠牲者数を298人と報道している。以下、国籍別犠牲者　Netherlands: 189、Malaysia: 44 (乗務員15名含むincluding 15 crew)、Australian: 27、Indonesia: 12、UK: 9、Germany: 4、Belgium: 4、Philippines: 3、Canada: 1、New Zealand: 1、Unverified不明: 4　墜落地で回収された各国のパスポート　オーストラリアでのエイズ学会参加の約100名の研究者も犠牲になった。　参照記事　映像：遺体の状況が映っているので、安易な目的では見ないようにお願いします。

2014年7月20日：１９３人と最多の犠牲を出したオランダの大使館やマレーシア大使館があるモスクワ中心部の通りは、市民が供えた花やろうそくで埋め尽くされていた。子供の犠牲（約80人）が多かったため、ぬいぐるみやおもちゃも置かれている。「私たちを許してください」「戦争はやめて」などのメッセージが書かれたカードも置かれている。 　こうした様子は、ロシアのテレビなどではほとんど報じられていない。参照記事

2014年7月21日：マレーシア航空機の撃墜では約80人の子供を含む298人が犠牲になった。このうちオランダ国籍の乗客は193人を占め、オランダ 国内では衝撃が走っている。オランダのルッテ首相Prime Minister of the Netherlands Mark Rutte：右　はプーチン大統領President of Russia Vladimir Vladimirovich Putin:左　に対して「協力する姿勢を世界に示す機会は終わろうとしている」と述べ、追加制裁への「最後通告」 とも取れる発言をした。ロシアと経済関係が深いオランダはこれまで対ロ制裁に消極的だったが、国民感情の高まりを受け、強硬な 姿勢に転じ始めた。参照記事
すでに米国が2014年7月１６日に打ち出した追加制裁：左一覧　は、エネルギーと金融分野の主要４社、軍事関連の８社などが対象だ。エネルギー・金融の４社は米金融市場 での資金調達が制限された。軍事８社には米国内での資産凍結や取引の禁止が発動された。マレーシア機撃墜に使われたと指摘される「ＢＵＫ：ブーク」を 開発した、ロシアの防空システム製造大手「アルマズ・アンテイAlmaz-Antey；露 Алмаз – Антей」も含まれている。米国が事件に先立って発動した制裁は、直接の効果は限定的ながら、ロシアの経済界に不安を広げている。参照記事

2014年7月18日：オランダのアムステルダムからマレーシアのクアラルンプールAmsterdam to Kuala Lumpurへ向かい、高度約1万メートル33,000 feetで飛行していたマレーシア航空のボーイング７７７型旅客機ＭＨ17便Boeing 777、Malaysian Airlines fight MH17は17日17時15分頃（現地時刻）ウクライナ東部上空で墜落し、乗客２８０人と乗員１５人の２９５人（一部報道は乗客283人、乗員15人の298人と報道　同機には、オーストラリアの国際エイズ学会に参加の研究者約100名が搭乗していたとされる）全員が死亡したとされる。米当局は「空中で爆発した」として、地対空ミサイルによるものとの見方を示した。マレーシア航空は、「機体が最後に確認された地点はウクライナ上空だった」と明らかにした。１７便にはオランダ人173人、オーストラリア人27人、マレーシア人44人（乗員15人含む）、インドネシア人１2人、英国人9人が搭乗していた。参照記事　記録映像　映像記録

墜落地点は、現在親ロシア派支配のドネツクDonetsk市から東に50キロで、ロイターの記者は、ロシアとの国境からは約４０キロ離れたグラボヴァ Grabovo村で、墜落した機体の残骸と遺体を確認した。

ウクライナ当局は、親ロシア派武装勢力がロシアの軍事諜報当局者の支援を受け、ソ連時代に開発されたＳＡー１１地対空ミサイル（呼称「Buk：ブーク」：「Бук」9K37 1970年代のロシア製、レーダー誘導型地対空小型ミサイル　射程高度25キロ、迎撃可能範囲50km；写真上）により撃墜されたと非難。

ポロシェンコ大統領Ukraine's President, Petro Poroshenkoは、今回の事件は「事故ではなく、テロリストの攻撃によるもの」と断定した上で、親ロシア派武装勢力に対する軍事行動を強化すると言明した。

一方で親ロシア分離独立派 pro-Russian separatistsの「ドネツク人民共和国Donetsk People's Republic」の指導者は関与を否定、ウクライナ空軍のジェット戦闘機Su(スホーイ)25型機が撃墜したと指摘した。Andrei Purgin代理首相は、過去にウクライナ機を攻撃したが、所有するミサイルの射程距離は4000ｍで、マレーシア機の高度まで到達しないと発言している。 ただ親ロシア派は、地対空ミサイルを入手したことを認めており、１４日にはウクライナ空軍の輸送機を撃墜した。新ロシア派はすでにブラックボックスを回収し、解析のためモスクワに送る予定だと発表している。ボーイング777型機は、インド洋沖で消息を絶って、乗客乗員239名が依然不明なマレーシア航空（Malaysia Airlines）MH370便と同型機である。同政府系航空会社は現在、インド洋での遭難を機に、経営危機に直面していると報じられている。　参照記事　参照記事　参照記事　参照記事　過去ブログ：2014年6月MH370便捜索再開か？オーストラリア

これより先、ウクライナのゲレテイ国防相は7月15日、同国ルガンスク州の上空を飛行していたウクライナ軍のAn２６型輸送機が、ロシア領内から発射されたとみられるミサイルによって撃墜されたと発表していた。ウクライナ大統領府の公式ウェブサイトによると、輸送機は高度６５００メートルを飛行中に撃墜されており、同国防相は、ロシア領内の強力なミサイル兵器が使用された可能性が高いとの見方を示している。
地図のオレンジ色は、ドネツク州とルハンスク州にまたがる反政府組織支配地域。参照記事　その後の経過：ミサイル発射の場所特定か？ウクライナ

パレスチナ自治区ガザ地区を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスなどとイスラエルとの戦闘が続く中、国連は2014年7月１６日、ガザへの人道支援を目的とした現地時間１７日午前１０時（日本時間同午後４時）から５時間の攻撃の一時停止を提案し、イスラエル、ハマス双方が受け入れた。

　提案は、国連を含む人道支援機関がガザに水や食料など生活必需品を運び入れるためのもの。イスラエルは、ガザ側から攻撃があれば「毅然（きぜん）として反撃する」としている。

イスラエルの報道では、停戦直前までガザから7発のロケット攻撃があり、4発が平地に着弾し、残りはミサイルで迎撃し、イスラエル側も17日早朝、37回の空爆を行ったとしている。

17日には、ガザ地区南部からのトンネルでイスラエル側に侵入し、スファ・キブツ’（集団農場）Kibbutz Sufaを襲撃しようとしたハマスの集団が確認され、イスラエル側は空爆で8人を殺害し、撃退したとしているが、ハマス側は、そのような攻撃はしていないとして否定している。

従来からハマスは、キブツはイスラエルの軍事キャンプだと主張し、キブツを攻撃している。地図はガザ地区の拡大図と主なキブツの位置とスファ・キブツ。参照記事

ガザ地区はイスラエルと地中海に挟まれた、長さ50km、幅5〜8kmに渡って細く延びる区域で、南端をエジプトに接している。種子島と同じぐらいの広さで、中心地のガザが東京駅の位置だとすると、北は足立区の北千住から、南は神奈川県横浜市までを斜めに囲むほどの大きさとなる。

ガザ地区の人口は約150万人。約120万人が難民で、さらにそのうちの約50万人が、ガザ地区にある8つの難民キャンプ（地図中の赤いスポットアイコンの位置）に住んでいる。　ガザ地区の難民キャンプの人口密度は、世界で最も高いと言われており、ガザ市中心部にある「ビーチ」という難民キャンプでは、0.52平方キロメートルの場所に8万7000人が住んでいる状態だ。これは、東京で最も人口密度が高い豊島区の7.56倍にあたる。下の地図左は、ガザ地区の地図を東京に重ねたもので、小さな地区なのが分かる。右の地図は、緑色のイスラエルの国土を日本地図に重ねたもの。イスラエルの人口は815万人。意外なほど小国である。　参照記事　過去ブログ：2014年7月ガザ地区北部にイスラエルに地上部隊が侵攻

2014年7月17日；イスラエルのネタニヤフ首相は１７日、同国軍にイスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザに対する地上作戦を命じた。首相府が発表した。一般市民を含む多数の死傷者が出る恐れがある。参照記事

写真は2014年7月16日のセイヤちゃん。尻尾も幾分きれいになり、目印の白い先端がはっきりしてきた。
この日は6時ころ、こちらの姿を確認して、外は明るいのにあくびをしながら庭から出てきたので、おそらく庭の一角で寝て待っていたのだろう。ピンボケになったが、まだ距離はあるが、頭を上げてしっかりこっちの目を見るようになり、自分への警戒心は薄れたようだが、繋がれている我が家のアイヌ犬は苦手なようで、常に警戒している。
過去に、犬に追われたトラウマがあるのかもしれない。毛色もだいぶ赤くなり、緑色の景色の中ではっきりと確認できるが、人や車が来れば素早く隠れてしまう。残飯の減り方から、行動は夜間が主なようで、１ｍ以上に茂ったアシ原の中を自由に走っているようだ。我が家へは休みなく、多少の雨でも毎日訪れている。最近は周辺で野ネズミが多いと聞くが、我が家では捕獲には昔ながらの網のかごを使い、禁止されている毒餌は使用しない。幸い我が家の敷地にキツネが出入りするせいか、我が家の付近にはネズミの害は少ないようだ。セイヤちゃんにも、ハンターとして頑張ってもらいたいものだ。

約2年前の冬、餌の取れない冬だったせいもあるだろうが、一時は4匹を確認したが、今確認できるのはセイヤちゃんだけになった。少なくても2匹は病気のせいか、衰弱した姿を最後に見かけなくなった。

2014年7月16日：2014年2月の記事で、メキシコ治安当局はバイクで旅行をしていたアメリカ合衆国人Harry Devert氏１人が行方不明になっていると発表していた。彼は麻薬カルテルと自警団の抗争が頻発しているミチョアカン州の友人宅を訪問し、ミチョアカン州検察広報官マグダレナ　グスマンは、2013年1月25日から行方が分からなくなっているアメリカ合衆国人旅行者Harry Devertの行方を捜索していると述べていた。Devert氏は2014年１月２２日にシタクアロ市の友人宅に到着し、３日間過ごした後に太平洋沿岸のゲレロ州のリゾート地シワタネホZihuatanejo市を目指して出発していたが、その後の行方が分からなくなっていた。旅の目的はブラジルでサッカーワールドカップを観戦することだと語っていた。

この行方不明は、同じころ南米をバイクで南下していた友人がいたので気になっていたが、最近の現地記事では、Devert氏は友人宅に向かう途中で事件に巻き込まれ、太平洋岸のミチョアカン州とゲレロ州の州境付近でDevert氏（32歳？）のものと思われる緑色のカワサキバイクと遺留品、切断されバッグに入れられた遺体が発見され、7月14日、DNA鑑定の結果、遺体はDevert氏と確認された。麻薬組織の犯行と推測されている。　当時、そして今もこの付近は、麻薬カルテル間や自警団との抗争、軍の攻撃、殺人、誘拐事件の多発するかなり危険な地域で、2月には家族が捜索を依頼する嘆願書を米国政府にも出していたが、結果は最悪の結末となった。地図は彼のバイクでの走行予定ルートと赤い印が遺体の発見場所付近　写真は見つかったバイクなど　彼は行方直前のブログで、予定ルートが危険なので、ルートを変えたり友人にエスコートしてもらっていると書いていた。地図の予定コースからずれているのもそんな理由かもしれない。　参照記事
友人はバイクで米国を南下し、メキシコを抜けた後、荷物の紛失から南米アルゼンチンで、延べ987日でバイクでの世界一周の旅を断念している。　英文参照記事　参照記事　参照記事　過去ブログ：2014年5月友人のバイクで世界一周が987日で終わった

「アフリカの中国人は、悪習が身に染みている；我們的人惡習纏身！」――。

　中国紙・南方都市報（電子版）は2014年7月13日、中国の呂友清・タンザニア大使：中國駐坦桑尼亞大使呂友清　が、アフリカへの進出がめざましい中国企業や中国人に自省を促す異例のインタビュー記事を掲載した。　

呂大使は、タンザニアで中国人だけが空港で荷物検査を受けた り、路上で警察に呼び止められたりするのは、実際に中国人による違法な象牙製品の持ち出しが絶えないからだと暴露した。また、同国内では中国製の粗悪品が 出回っており、タンザニア国内で請負工事が許可されなかった中国企業が、周辺国で安価で道路工事をしているとも指摘。将来、問題が発生した場合は「どこそ この企業ではなく、中国が造った道路だと言われることになる。我々は利益より国家のイメージを優先すべきだ」と語った。参照記事　参照中国語記事

左の図で、赤い丸が象牙の密輸出国だが、象牙は赤い丸の国の周辺国で密猟されたものが多く、ゾウはほとんどの生息地、保護地域で密猟されている。中国では、青い丸（押収量）より、持ち込まれたと推測される量（緑の丸）が大量なことで、その規制の緩さを証明している。アジア圏に密輸出されたものの多くが加工されて、さらに消費国中国へ輸出されているとみていいだろう。

大使は「我々は利益より国家のイメージを優先すべきだ」と語るが、彼もまた現状認識の甘い、一介の大国主義に染まった共産産党員でしかない。今更中国のイメージが良くなっても世界には何の足しにもならない。メンツや軍事力、体制維持こだわったソ連連共産主義は自ら崩壊した。中国の環境破壊や麻薬材料の密輸出、違法物資の密輸入が世界的なことを思えば、中国が優先すべきは「野生生物を含む自然や環境保護、人命、人権尊重、国際犯罪の撲滅」であろう。一介の役人の手の負える問題では到底無いほどに、この問題の根は深い。この問題に抵触して中国に直言したのは、最近ではドイツのメルケル首相だけである。大使よ、スーツ姿でソファーでぼやいている場合ではないのだ！　世界中がそれを知っていて、知らないのは中国人だけだろう。　過去ブログ：2014年7月アフリカのテロの影に中国　2014年5月南沙諸島でウミガメを違法採取　中国　2014年2月日本の経済進出を「侵入」と書く中国の非常識　参考記事

 アフガニスタン南東部パクティカ州ウルグンUrgun（Orgun) district of Paktikaの市場で2014年7月15日、4輪駆動車に仕掛けられた最近では類のない大量の爆弾が爆発し、地元警察によると少なくとも89人が死亡、42人が負傷し、20以上の店が破壊され、多数が下敷きになった。

警察幹部は、情報から車を制止した直後、運転していた男が自爆したと話している。死者の数はさらに増える恐れがあるという。負傷者はヘリや救急車で州都Sharanへ搬送された。国境で接するパキスタンの北ワジリスタンNorth Waziristan region ：下地図左　では、パキスタン軍のタリバン掃討が行われ、タリバンがアフガン側に退却、侵入しているといわれる。タリバン側スポークスマンは声明で、そのような市民を狙ったテロは命じていないとして、「アフガンのイスラム教国聖戦士：Mujahedeen of the Islamic Emirate of Afghanistan」の行為ではないと犯行を否定し、暗に、パキスタン側組織の犯行と言っているようだ。英文記事　過去ブログ：パキスタン北部のタリバン掃討作戦　主要地域制圧　英文記事と映像

また、首都カブールでは同日、大統領府職員が乗っていた車が攻撃を受けた。警察の報道官はＣＮＮに、広報部門の職員少なくとも２人が死亡、５人が負傷したと語った。この攻撃については反政府武装勢力タリバーンが犯行声明を出し、３人が死亡、５人が負傷したと主張している。

アフガンでは今年末に予定される駐留米軍の完全撤退を前に、治安状況の悪化が懸念されてきた。先月実施されたカルザイ大統領の退陣に伴う大統領選の決選投票を巡る混乱も続いている。候補者のガニ元財務相とアブドラ元外相はともに、決選投票で大規模な不正があったと主張。１２日にカブールを訪問したケリー米国務長官は、すべての票を再調査することで双方が合意したと発表した。参照記事　過去ブログ：2014年6月アフガンで決選投票終了　47人以上死亡、指切断多数　パキスタンは国内混乱

2014年7月17日；アフガンAfghanistanの首都カブール近郊の国際空港Kabul International Airport が17日、重武装した集団の攻撃を受けている。彼らは隣接する空港北側の無人のビルから、ロケット弾や手りゅう弾、銃器で攻撃を仕掛け、現在特殊部隊が包囲している。まだどこからも犯行声明は出ていない。警備が厳重な地域に簡単に侵入を許したことで、警備上の問題が指摘されている。映像　参照記事　参照記事

米国防総省国防高等研究計画局(DARPA：(Defense Advanced Research Projects Agency) )は2014年7月１０日、一度狙ったターゲットを追いかけていく自動追尾の機能を搭載した「EXACTO弾： (Extreme Accuracy Tasked Ordnance)直訳：超高性能弾」の開発に成功したと発表、その発射試験の映像をユーチューブで公開した。　映像には、弾頭が飛翔中にライフルの照準線を外れ、目標に向かって自動的に進路を修正し、弾道が激しく曲がる様子がはっきりと映っている。正確な狙撃を 妨げる各種の要因を相殺し、弾頭を目標へ正確に導くことが出来るという。銃弾は一度発射されたらまっすぐ飛んで行くだけというこれまでの常識を覆した。　同局の発表によると、EXACTO弾は普通の大型ライフルや重機関銃から射撃できる５０口径弾であり、ライフルに搭載した特殊な光学システムによって進路誘導が行われる。

　動きまわる目標に対してもっとも有効であるという。DARPA は「初の小口径誘導弾」と説明され、EXACTOシステム ：EXACTO systemによって天候や風、目標の移動などの影響をレーザー光のガイドLaser-guideで補正して狙撃精度を向上させることで、より長距離からの狙撃が可能になり、初弾有効性の向上によりスナイパーの安全性も高まる(外して位置を知らせて反撃されることが減る)と述べられている。外部誘導式であるため、銃を持つ人と、弾を誘導する人は別々であることも可能で、兵士の役割を大きく変化させる武器ともいわれ、レーザー光の特性上、夜間の攻撃に、特にその追尾有効性を発揮する。　DARPAとその出資会社が２０１２年１月から共同で開発したもので、早ければ２０１５年にも実用化される見通しである。この、超小型誘導ミサイルともいえるシステムの、移動車搭載型や海軍での応用も検討されている。　参照記事　参照記事　参照記事　補足映像：EXACTO Demonstrates First-Ever Guided .50-Caliber Bullets

　目標を自動追尾する銃弾「スマートブレット」（Smart Bullet）としては、ロッキード・マーチンが出資する米サンディア国立研究所が２０１２年にレーザー誘導式プロトタイプの弾頭を開発したが、狙撃手と 観的手が発見されやすく、スモークなど光を拡散させる障害物に弱いという欠点が指摘された。2013年4月レーザー光線砲を実践装備　米国海軍（動画）　2012年9月韓国武器輸出世界5位に浮上　　　2011年10月K11複合型小銃にまた欠陥　韓国

ニッサンNissanは2014年7月14日、ロシア市場向けに開発した新型ファミリーセダン『on-DO（ダットサン・オンドー）Datsun on-DO』の生産を、パートナーシップを結ぶアフトワズ社のトリアッティ工場で開始した。on-DOは、モダンで広々とした室内空間を備え、安全かつ充実した装備も配したクルマで、ロシアの路面や天候状態に対応できるように開発した。厚木市の 「日産デザインセンター」でデザインし、ロシア、日本、その他の国々から集結した豊富な経験を持つエンジニアの国際チームによって共同開発した。長さ 4337mm long,幅 1700mm wide 車高1500mm tall. 大きめのトランクを持ち、1600ｃｃガソリンエンジンのみ1.6-liter naturally-aspirated gasoline engine developing 87 hp and mated to a 5-speed.　名前は日本語の道路の道や、動きを指す動や英語のDOから取ったと説明がある。

on-DOの生産には、5000名以上の従業員が携わり、工場内で勤務する管理職は、アライアンス生産方式である「アライアンス・プロダクション・ウェイ」のトレーニングを受けている。YOUTUBE映像：Datsun on-DO sedan: First Look

生産組立開始を記念した式典で、ダットサンのグローバル責任者でアフトワズ取締役会のメンバーであるヴァンサン コベ氏は「アフトワズ工場でダットサン on-DOの生産を開始したことは、ロシア市場におけるダットサンプロジェクトが本番を迎えたことを意味している。on-DOは、モダンで、高品質な、日 本車を求めるロシアの顧客への新しい選択肢となる。私はロシア市場でのダットサン on-DO の成功に自信を持っている」とコメントした。ダットサン on-Doの価格は32万9000ルーブル（約97万円）からとなり、7月後半に25のダットサンブランド店舗で予約注文を開始。納車は晩夏頃となる予定だ。参照記事　画像記事　参照記事　ニッサンは既に2013年、インドでDatsun GO hatchback：右下　の生産を開始している。参照記事：日産、ルノーに“吸い込まれる”技術とカネ？提携から15年目の新局面と、ゴーンの去就
過去ブログ：2013年11月メキシコを拠点に米国へ販売攻勢　ニッサン　メキシコ

中国銀行（中國銀行）の一部の支店は海外移民を希望する顧客のためにマネーロンダリング（資金洗浄）を行っていると国営中央テレビCCTVが2014年7月９日に報じた。政府メディアが国有銀行を批判するのは極めて異例なことであり、深刻化する資金の海外流出にまもなく政府のメスが入るとみられる。

　２０分に及ぶCCTVの番組は、銀行関係者、移民仲介会社への秘密調査に基づいて制作されたもの。それによると、中国銀行は「優匯通」という海外送金 サービスを通じて、投資移民または海外で不動産購入を計画している顧客のために無制限に送金しているという。中国では、個人の海外送金額は５万ドルに制限 されている。このサービスは規定に抵触している可能性が出ている。

　「優匯通」は銀行が顧客から預かった人民元を海外支店に送金し、現地で外貨に両替しているため、監視の目が届かない。銀行関係者は同サービスについて、 「宣伝しない、資料を公開しない、自ら顧客に薦めない」と話し、「違法スレスレのグレーゾン」とその違法性を認識しているという。さらに、高額海外送金に 必要な収入証明がなくても、同行の支店は架空取引を行うよう顧客に提案し、書類の偽造を手伝っている。「どんなに黒いお金でも、洗浄できる」とも豪語して いる。

　同サービスは現在、同行の広東省内の支店でメインに取り扱われている。同省の越秀支店の関係者は番組で、今年に入ってすでに６０億元（約９８４億円）を 送金したと話し、「それでも業績は省内５位」と語った。「顧客には多数の政府関係者がいる。汚職で得た収入でも書類を偽造すれば送金可能」としている。

　近年、中国では毎年２０万人の富裕層が海外へ移民しているとされている。投資移民や不動産購入で居住権を得る場合、数十万から数百万ドルの投資が求めら れるため、その送金ルートが疑問視されている。この１０年間で中国から海外へ不法に流出した資産は計１８兆７０００億元（約３０７兆円）に達したと中国メ ディアが昨年３月に報じ、その大半が腐敗幹部による資産の移転だという。

　大物政治家が相次ぎ汚職で失脚するなか、政府メディアによる国有銀行への批判報道はこうした不正所得の流出に政府がまもなく取り締まりに乗り出すと米VOA（米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ）は分析した。参照記事より抜粋　上の図で行くと、東京の支店がフル活動し、支店から海外へ振り込む流れになっている。参照記事

、、以前から知られていたこととはいえ、国有銀行が顧客サービスで行っていたとは驚いた。これを使えば、犯罪者であろうと海外へ送金し、外貨で受け取ることも可能だし、逆も又可能である。中国マフィアが自由に海外で活動するのも無理はない。この報道に対し中国国有の中国銀行は９日、広東省の一部の支店が顧客による海外送金を通じたマネー・ロンダリング（資金洗浄）の手助けをしていたとするテレビ報道を否定した。同行は資本を海外に移転するための合法的な業務を行っていたと説明しているという。支店の所在地を広東省としているが、おそらく所在地は広東省香港で、中国本土で違法でも、香港で合法の可能性もある。香港にペーパーカンパニーを置けば、かなりなことが可能なのは昔から知られている。
前述のように、中国では、個人が１年間で海外に持ち出す資金の上限は５万ドルに定められているが、実際には、多くの国民がそうした規制を迂回する方法を見つけてきた。もしこうした「抜け穴（違法送金など）」をふさぐことに中国規制当局が本腰を入れれば、銀行やカジノのみならず、海外の不動産市場も打撃を受けることになると推測され、資本規制の抜け穴の１つだった、同じ広東省の中華圏特別行政区マカオ Macau、Macaoのカジノ業界も影響は免れないだろうといわれる。マカオは独自の通貨マカオ・パタカを持っている。マカオは最近、本土発行のクレジットカードをギャンブルに使うことを制限する方向に出たとされるが、これも中国本土の資本規制の指示だと言われる。　参照記事　参照記事；中国銀行、マネーロンダリング疑惑、公式発表差し替え

2013年のシリア・アレッポでの市街戦の映像　この映像には、目前でシリア軍を攻撃する反政府側の兵士が、ロケット砲か戦車砲で一瞬にして死亡する様子が映っている。
同じ映像の先には、接近戦の合間に、裏通りでネコと過激派兵士が戯れる様子が映っている。いろんな映像を見ているが、シリアの激戦地でネコが出てくるのはこの映像以外記憶がない。残虐で獰猛な過激派兵士も人の子。無邪気なネコに表情を崩している。

イエネコの起源を調べると、シリアなどがある中東が必ず出てくる。文明の発祥地もまた同じ中東であり、イエネコはここから世界へ拡散し、その名残は、ペルシャネコPersianやシャム（またはシャームSham：シリアや地中海東部を指す）ネコの名に見ることができる。
我が家のフー：左　は、白い毛に青い目、耳に茶色の入ったシャム系の面影残る雑種ネコで、大昔のフーの先祖はこの辺の出身かと、シリアの情勢を追いながらフーを眺めている。フーも、最近のシリアの状況には不満のようで、内心お怒りのようだ。

いまだに混乱の中東情勢の表舞台には出て来ないが、非常に困難な位置にあるヨルダンのことを書いておこう。
西は、ヨルダン領をイスラエルに実効支配され、パレスチナ人西岸自治区と接している。

北はシリアと接し、ヨルダンは既に多数のシリア難民を受け入れているが、最近は不法入国も目立ち、ヨルダン国内に流入したシリア難民は１００万人以上との推計もある。一部は厳格なイスラム原理主義者「サラフィスト」で、難民を偽装して流入。ヨルダン内部で政府に不満を持つ若者や過激派と連携し政権打倒や混乱拡大を狙う動きを見せているという。また、シリア反体制派に加勢する外国人兵士約１万１０００人のうち２０００〜２５００人はヨルダンのイスラム過激派で、ヨルダン・タイムズ紙によると、その８割が昨年までＩＳＩＬと共闘してきた国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」に参加していた。
難民を国内に抱えて経済の悪化が進み、過激派に共鳴する貧困層の若者も増え、2014年6月には南部マアンMaanで、穏健派で知られるヨルダン国王を名指しし、ISIS（ISIL）の旗を手に「アブドラよ去れ」などと批判したデモも起きているが、高失業率など経済政策への反発やISIS’（ISIL）の「イスラム国」支持のデモと言われている。（ヨルダンは産油国ではなく産業が乏しい）参照記事
シリアとの国境沿いでは、米軍が反アサドイスラム過激派に戦闘訓練を行っていることは知られており、スンニ派国家として、イスラム系の反アサド行為は容認はするものの、常にシリア軍からの報復の危機に直面している。

北東部はイラクと接し、王政国家であるため、スンニ派であっても原理主義ＩＳＩSの流入を武力行使してでも阻止する構えを見せ、ヨルダン政府は6月末検問所を閉鎖し、イラク国境沿いに特殊部隊を派遣、国境沿いに戦車やミサイルを配備し、ISISの流入に神経をとがらせているが、自ら積極的に戦闘を仕掛けたり、攻撃に出る意図の見えないことは留意すべき点だろう。オバマ大統領大統領は6月22日、「ＩＳＩSの脅威はイラクだけではなく、次期に周辺のヨルダンなどへも影響する」と語っているが、現在クルド地域を経由して、イラク内の制圧地から略奪した原油crude oilをイランやトルコに闇で販売し、1日約1億円$1 millionの収入を得ているといわれるISISが戦闘を拡大する可能性は十分にあり、決して根拠のない憶測とは言えないが、今のところISISがヨルダンに向けて敵対行為をするとも思えないし、その根拠も見えないので、オバマ大統領の発言の意味は不可解だ。しかし、多くのヨルダン人の若者がISISに参加していることから、ISISから支援を受けてヨルダン国内で反体制的な行動に出る可能性は秘めているだろう。ヨルダンは経済的にも日本と関係が深く、親日国として知られている。　写真は、イラクとの国境検問所を警備する兵士＝ヨルダン東部ルワイシェッドRuwaished近郊で２０１４年６月２５日、ロイター　参照記事　参照記事　参照記事