
2012年ロンドン夏季五輪のセーリング競技が開催される英南西部ドーセット州ウェーマスWeymouth, Dorset,で昨年夏、斬首された51人の人骨が出土した。考古学調査団体オックスフォード・アーキオロジーは3月12日、遺骨が約1000年前に英国を襲撃し、惨殺されたバイキングのものだとする調査結果を発表。(地図の赤い点が発見場所Weymouth )
人骨の発見現場は競技会場に近い道路の建設現場で、歯の形状からバイキングと判明。放射性炭素年代測定法により、ノルマン人のイングランド征服以前にあたる890─1030年のものと断定され、バイキングの侵攻が始まった980年頃と符合する。
英地質調査所の同位体化学者が10人の遺骨を分析し、歯から遺骨の人物が飲んでいた水の産地を調べたことろ、英国より寒冷地であることが分かった。食事もスウェーデンなどにみられる高たんぱくの内容だった点から、スカンジナビア方面から襲来し、アングロサクソンAnglo-Saxonsに惨殺(あるいは斬首刑)されたバイキングである可能性が浮上した。
刀による打撃は強力で、あごから鎖骨にかけて切られていた。あるバイキングの手の傷からは刀を手で掴んだことが分かる。遺骸数より頭骨が少ない事は、3体の頭骨は火で焼かれたと推測される。切り付け方や首の切り方に一貫性が無く、余り乗り気でなかったか、刑の執行には熟練していた様には見えない。恐らく、まだ相手が動いていて、斬首はかなり厄介だったろうと推測できる。場所は、アングロサクソンの典型的な処刑場で、主要道路沿いで領地のはずれにあり丘の近くという場所だった。・・・・・・・・いろんなことが分かるものです、その後11世紀から12世紀にかけて北方ゲルマン系のバイキング(ノルマン人=北方系ゲルマン)は英国に一時的に念願のノルマン朝王国(1066~1154年)を築きますが、その少し前の、まだアングロサクソンがブリテン島で勢力を持っていたころの出来事でした。と言う事で、英国紙の地図には7世紀から9世紀にかけて存在したゲルマン系アングロサクソン人のマーシア王国が記入されている。戦いに明け暮れた野蛮なマーシア王朝の仕業とおもえば虐殺も理解できる。