2008年01月

イラク北部クルド人自治区と国際紛争(1)修正

y1p5rpEfHAM4a40gV7gTqZ8HUGa62xilQWjj6lz4E2a1Z3s-MeJSiEhkn949FVV24KEe42KBCI8DVk 今年はイラク北部のクルド族自治区がニュースになるだろうと、自分のためのまとめ。

国を持たない最大の民族と言われ、世界中に分散している人口合計はは3000万~4000万人。独自の言語を持って、歴史的には紀元前6世紀から8世紀にまでさかのぼる。右の地図でも大きく4カ国にまたがって分布し(黄色い部分)、イラク北部の黄色い部分、南クルディスタンといわれるクルド人自治区だけで400万人ほどの人口。すでに100年以上独立と自治区の紛争を続け、今は同じ民族が1200万人住むトルコと国境紛争でもめている。今年に入ってトルコは歴然とイラク、トルコ国境付近のクルド労働者党PKKの拠点を爆撃している。日本は自治政府として認めていないが、イラク北部には党幹部300人ほどが居住しているといわれる。現在は自治区内の石油を外国資本に売って(モスールがその主要都市,韓国がすでに採掘権獲得)外貨を稼ぎ、生活レベルは現在イスラム過激派と紛争中のイラク内陸よりは格段に向上している。トルコとは犬猿の仲と 言っても、トルコはこの自治区へ食料輸出、電力供給をしてきた。自国内に多数のクルド人とその政党を持つトルコとしては、越境爆撃は決して排他的差別では なく、勢力をのばしたクルド人過激派PKKと政策面で合わないと見るのが賢明だろう。今もトルコではPKKによる爆弾テロ、国境での狙撃が頻発。シリアとは仲が良かったが、シリアはイスラエルとの紛争が継続中でクルドをかばえばトルコに攻め込まれる恐れがあり表面上クルドとは距離を置いている。クルドは石油輸出にはシリアを通過するので紛争は避けたい相手だ。イランは自国内でクルドの独立問題を抱えており、国内資源である石油を守るため、積極的に攻撃はしていないが警戒しており、今年に入り、クルド過激派PKKへの対応をトルコと協議している。トルコと組んでイラク内自治区は認めた上で、PKK組織をを壊滅させたいのが本音だろう。イラクは、アメリカの意向に沿って自治区は認めたものの、あくまでもイラク政府の管理下にあるという解釈で、クルドの独自の経済活動に神経質になっている。 アメリカはイラクの内戦で手がいっぱいの状態で、空爆開始のトルコにも自粛を求めているが、自治区から過激派PKKを一掃したいと思っているので、PKK せん滅ではトルコに手を貸す可能性がある。しかし、これだけ広大なクルド人居住地域に4つの国がまたがっていては紛争が起きて当り前だろう。今は領土問題 だが、これにアルカイーダなどイスラム過激派か絡むと収拾がつかなくなるだろう。実際アメリカはこの地域がアルカイーダの拠点見ており2008年1月現在、モスールへの全面攻撃を計画していると情報がある。クルド自治区内にはモスールキルクールイラクの2大油田があり、今はシリアを横断して地中海におくっている。この利益は今はイラクで宗派ごとに分配せれているが、将来クルド過激派PKKが独り占めする可能性が無きにしも非ず。イラクとすれば、実に厄介なところに資源があるという事実から、クルドとは紛争を避けたいのが本音だろう。文字通り四面楚歌のクルド過激派PKKは自らをクルドの獅子(Kurdish lions)と名乗る過激派を編成し山岳部に配置している。彼らの敵はイラク、トルコ、イラン、シリアであり、その攻撃方法はアルカイーダと酷似し、自爆テロ、待ち伏せ、暗殺などである。過去ブログ:2007年11月クルド族分布図含む:平和が遠のいたイラク情勢とクルド人 クルド労働者党(PKK)、闘争の23年間  クルド人についての他の記述は 当ブログ カテゴリ 中東 にて閲覧できます


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2008年01月21日  国内問題 政治 

ここにも馬鹿がいた。

a693c910-s25円の暫定税率について町村信孝官房長官が2008年1月17日の記者会見にグラフ入りのボードを持 ち込み 「日本のガソリン価格は諸外国に比べて安い」などと約8分以上にわたって説明した。ってことだが、これを財源とする公共工事の受注先であるゼネコン守りに躍起だとしか見えな い。暫定は暫定だ。元に戻せ。通勤や仕事で必要な人は、同時に車を取得、維持するだけで各種の税金や車検代を払う。高速道路を使えばまた高い料金をとられる。特に交通網が限られる地方の人の負担が大きく、不公平になっている。なんで外国と比べる必要がある?こんな政治家いらないね。人をバカにしているとしか思えない本末転倒な説明。そんなに比べる のがお好きなら以下の数字をよく見てほしい。ここでの公務員給与が高すぎるという根拠のひとつ。

人事院が公務員の給与を決定するときに用いるのは企業は従業員100人以上の企業のみを対象にする、これを従業員10人以上に直すと次のような結果が。
                     公務員   民間   格差 
青森県   734万  450万  284万
長崎県   726万  463万  263万
長崎市   726万  463万  263万
大分県   743万  483万  260万
秋田県   723万  466万  257万
山県県   736万  486万  250万
岩手県   715万  472万  243万
別府市   716万  484万  232万
沖縄県   703万  471万  232万 
東大阪市    886万  657万  229万
日田市   713万  484万  229万
大分市   701万  484万  217万
島根県   706万  491万  215万
熊本県   715万  501万  214万
、、、、それでは、これを世界の公務員給与と比較するとどうなるか。そのほかに、全国に数百万の天下り、特殊法人の準公務員がいる。ここには含んでいない。次に世界と比べるととんでもないことになる。 日本は国民所得の2.15倍!

一人当たり公務員平均給与 世界ランキング (主要先進国)

1 日本 64,661 (2.15)
2 カナダ 29,807 (1.48)
3 アメリカ 44,688 (1.40)
4 イギリス 32,082 (1.36)
5 イタリア 27,229 (1.35)
6 フランス 24,895 (1.03)
7 ドイツ 24,348 (0.95) :単位:ドル *( )内はその国の国民所得に対する割合
、、、、ドイツは平均国民所得より低めに抑え、日本は米国の1.5倍!多少のデータの誤差はあるだろうが大体こんな比較になる。国力や景気の低迷などから見ればべらぼうだろう。え?町村議員殿。これを役人天国と言わずしてなんという
。役立たずの国会議員に何を言っても無駄だろうが、、。 参考資料1 参考資料2 参考資料3


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ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相を殺したのは誰か

jj2007年12月27日、翌年の総選挙で有力視されていた野党PPPのブット元首相が遊説中に衆人の中で暗殺された。ほぼ資料などが出揃ったので検証する と謎だらけ。パキスタンの与党、軍事政権側は銃による暗殺ではなく、銃声に驚いてサンルーフから身をかがめる際に頭部を打撲したのが致命傷という。弾は当 たっていないというが、遺族側は猛反発。2bhutto発を首と腹部に受けているという。サンルーフは前席で、後部の人の証言では声も立てずにストンと落ちたというか ら、ほぼ即死だったのだろう。病院側も銃弾によると発表。軍政権側はすぐにイスラム計アルカイーダのテロと発表し、日本のマスコミもそれに沿って報道して いるが、アルカイーダ側は2度にわたり無関係を主張したり別な組織から犯行声明が出たり混乱している。すべてがかみ合わない。実はパキスタンでは過去の数 度の暗殺事件すべてがうやむやにされている。今のところマスコミの報道内容もバラバラで一部は間違って報道している。

af5154c0写真右上は撃たれる直前の車上のブット氏、4WDのサンルーフから上部を出している。銃撃後犯人 は手りゅう弾で自爆し(一部報道では白いベールの別な男とある)、犯人を含む16人から20人が巻き沿いにあって死亡したとされ、車の左側面が損傷してい るが、防弾ガラスでガラスは割れていない。犯人はサングラスの男で車の左斜め後部、数メートルの距離からピストルで撃ったとされているが、写真を薄くして よく見ると銃が異常に大きく見える。

調べると同じような疑問を持った人が世界中にかなりいる。アメリカやイスラエルの護衛が使う短機関銃ではないのかと指 摘がある。、暗殺の動機についてもいくらでもあり、パキスタンでは複数の情報機関、数十のイスラム武装勢力、数百の部族、さらにパキスタンの暮らしの隅々 に浸透する65587315-benazir-bhutto陸軍などが暗殺の動機を持っており、実はブット氏は暗殺前に英国政府にメールで3名の軍事政府高官の実名入りで、彼らによる自分の暗殺の計画が あると英国政府に伝えたことが確認済みで、それ以前には英国に民間会社の護衛を依頼しているが軍事政府側が入国を拒否した事実もある。暗殺の数週間前にも 暗殺目的の自爆テロがあり、状況から見て故ブット氏は余りにも油断しすぎだったろう。

個人的にはアルカイーダの犯行、または政府高官、または落選を恐れ た与党政治家の陰謀などが想像できる。軍が関与でも、実権を握る軍から、現在のムシャラフ大統領が知らされていなかった可能性も十分あり得る。もしアルカイーダの犯行であれば、軍事政権 側は事実関係ををねじ曲げて報道すMan-pointing-a-gun-at-BBる理由は何もないが、軍情報部が暗殺に過激派を利用したり、便宜を図った可能性は十分ある。

この暗殺で落胆しているのは英米両国だろ う。いずれも総選挙で首相になった際には故ブット氏にアフガニスタン、パキスタン、インドを反イスラム攻撃で取りまとめてもらおうと物心両面で支援してい た。特に英国は情報機関を張りつかせていたはずで、英国情報機関の失態ともいえる。暗殺の危険があるのに亡命先の英国からパキスタンに戻ったのも英国、及 び米国の指示なのは確実だから、今回の暗殺は特に亡命していた英国政府の責任が重大だが、当然日本のマスコミはそんなことは書かない。ブット家で処刑、暗 殺、不審死に遭ったのはこれで3人目になる。19歳の長男が母親の後を継ぐというが、英国の情報機関の支援では頼りない。何せ過去にロシBenazir-assassination-11アのスパイに英国 情報員が暗殺されまくった脇の甘いスパイ組織だから。

書いた後で驚きのニュースが飛び込んできた。ブット氏とは対立関係にあった軍事政府のムシャラフ大統領が事件の調査を対立関係にある英国ロンドン警視庁に依頼した、!ということは、自分の身内を疑っているのか?あくまでも軍事政府は無関係と言いたいのか?  その後の経過:2011年11月5日:パキスタンに政変は起きるか?


nappi11 at 12:50│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック