2007年10月

twbomb28戦争に使用するクラスター爆弾(米軍制式名称はCBU( Cluster  Bomb Units:クラスター爆弾ユニット:集束爆弾(しゅうそくばくだん))と呼ばれ、SUU(Suspension Underwing Units:翼下懸架装置)などのディスペンサーと、搭載される子弾の組合わせにより、様々な種類がある。) 民間人、特にばら撒かれた跡での不発弾による子供の死傷率が高いのでノルウェーが中心的になって禁止条約の制定に向けて活発に活動している。日本の航空自 衛隊も防衛のためとして総額148億円のクラスター爆弾を保有している。アメリカ、ロシア、中国は保有大国で、アフガン、コソボ、イラク紛争などで実際に 使用されている。ノルウェーの呼びかけに、すでに使用禁止に同意46カ国、賛同80カ国に及ぶが、日本は「それに変わるいい武器がない」として廃棄の考えは無いとしている(久間防衛相の発言、2007年5月当時)

imagesClusterBomb300__300x2111発の親爆弾から約200発~250発のソフトドリンク缶ほどの子爆弾がばら撒かれ、その種類にもよるが、地上の兵士、装甲車、戦車などを攻撃し、サッ カー場2面ほどの対象物をほぼ全滅させる。この投下地点にいると四方八方からの子爆弾の炸裂によって兵士ならば粉々になり、小部隊なら1発で全滅する。最 近ではアフガニスタンのイスラム反政府勢力攻撃に多用されている。右は空中拡散型のクラスター爆弾Cluster Munition。このタイプは砲弾としての発射も可能で、親爆弾の爆発後、数百個の子爆弾が飛び散る。このタイプには、頭上で爆発する子爆弾もある 参照記事

AP_061109057200_90035182_434ac034-ee24-4dba-b6af-ed12879b1846さらに危険なのは、投下された子爆弾のうち5%ほどが不発弾として地上に残り、紛争終結後に子供が触ったりすると炸裂する事故が多数起きていることだ。過去24カ国で使用され、不発弾の死傷者約1万3千人のうち98%が民間人で、その35%が子供と確認されている右は2006年、イスラエルがレバノンに投下したクラスター爆弾の不発弾。中に詰まっているボール型の子爆弾が、地上で破裂するタイプ。一個で写っているのは、2016年6月、ロシア軍機がシリアで使用し、地上に残ったボール型子爆弾で、不発のまま地上で見つかった。中に火薬があり、小さな破片を飛び散らす。 参照記事

GettyImages-113623234-1500x986大体一般的な報道はこのようなもので、読者はすぐに日本の対応に不満を持つだろう。決してこの種の爆弾がいいとは思わないが、国防が必要なことは多くの国民が認めているのも事実。確かに敵が上陸した際での水際作戦には、核兵器などが禁 止されている以上は有効な武器なのであろう。写真左の3歳児は、2011年4月、リビアのミスラタMisrataの自宅付近でクラスター弾に遭い、腸が飛び出す重傷を負っている。

ここに参考になる情報がある。民度の高い北欧のフィンランドでも国防のための兵器としてこの爆弾を保有してい る。ソビエト時代はソビエトから規制を受けていたが、今は対ロシアに向けての防衛力の充実に力を入れている。平和な国の印象があるが、昔から積極的に NATO軍に兵士を送る国でも有る。この国の解釈も今のところ防衛に必要な武器とのことだが、子爆弾に自爆装置をつけて地上で不発弾に成らないようなこと を検討している。せめて日本もこのような対応が必要なのではないだろうか。当時の久間防衛相などは勉強不足で、とてもこんな発想にはならなかったのだろう。一番いいのはこんな武器を保有しなくてもいいことなのだが、残念ながら日本海にミサイルが打ち込まれる現実を見ればやむをえないのかもしれない。この 爆弾を製造している企業を調査するベルギーの団体(ネットワーク・フランデレン)は、日本の金融機関 三菱東京UFJ、三井住友、みずほ の3行がこれらの企業へ資金融資していることを告発している。融資するにしても、爆弾の製造メーカーへの融資は企業のモラルとして不適切ではないのか? どうなんだ、銀行よ !。儲かればいいのか?そうではないだろう。


nappi11 at 20:21│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加