外を見ていないが,外は雪なのだろうか.いつになく部屋の中が寒いようだ.いつもより早くフーが布団に入ってきたのはそのせいかな.
今は布団の中で,わずかの場所を見つけて熟睡している.たまに寝返りを打つたびに,フーの柔らかい毛が足元をくすぐる.そんな時,縁あって一人と一匹が身を寄せ合って生きていることに感謝する.
起きていても,まるで小さな道化者のように笑わせてくれる.
随分器用に物の上を渡り歩いているな と思うと無様に落ちたり,寝ているはずなのに薄目を開けてこっちを意識している.多分次にはおなかを見せて寝返りでもするのだろうと思っているとその通り に演じてくれる.しかし,決して演じているはずも無く,もし,演じているならすごいコメディアンだろう.
何も演じなくてもいいんだよ.今のままでいい.好きなときに寝て,食事して,触られるのが嫌なときは不機嫌な顔をしてもいい.合図さえしてくれればいつでも窓は開けてあげるし,寝ているときはなるべく邪魔しないからね.
できればオジより長生きしてこんな小さな我が家でも楽しんでくれればそれでいい.短命だった猫の写真を見ながらこんなことをつぶやいていた.
フーに聞こえたのだろうか.布団の中で,その温(ぬく)もりをちょっと強めに押し付けてくる.幸せだな.お互いに..また聞こえたのか,今度は尻尾を振っている.
まだ明け方だ.フー,もうひと寝入りしましょう.それからだ,今日のことを考えるのは..