暗黒のメキシコ また虐殺が
暗黒のメキシコ2009年9月2日 というメキシコの麻薬抗争を書いて2週間しかたっていない。
何と前回と同じアメリカとの国境沿いの街フアレス市Ciudad Juarezの不便な郊外にある、やはり麻薬患者のリハビリセンターAnexo de Vida Rehabilitation centreがカルテルのヒットマンに襲撃され10人が死亡した。射殺された心療治療士2名、患者8名(女性1名含む)、重傷者3名は9月16日夜 10時15分頃、就寝前のお祈りをした直後に9人のヒットマンに自動小銃で射殺された。その後の20日の情報では、チワワ州にはアメリカとの国境沿いに 64のリハビリセンターがあり、そのうちの9箇所は無許可でカルテルの構成メンバーで運営され、保健省は閉鎖を決定、約80人の患者が行き場を失った。他 の施設も調査されている。
前回のリハビリセンター襲撃で18人が射殺され、フアレス市には8500名の軍隊が警戒に当っている最中の出来事。抗争を続けるカルテルが、治療中の相手方麻薬組織のメンバーを狙った犯行で、逃亡中の麻薬組織の大ボス 通称 エル・チャポ、ホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)率いる「シナロア・カルテル(Sinaloa cartel)」」と「フアレス・カルテルJuarez cartel」の対立が原因だ。ヒットマンは米国、テキサス州のエルパソEl Paso, Texasから越境して攻撃したらしい。
16日にフアレス市では、バーにいた男性5人が無差別に射殺され、その数時間後に州検事総長事務局the state attorney general’s offices前で捜査官と民間人が射殺されている。麻薬患者のリハビリセンター襲撃だけでも、2008年8月に8人、今年6月に5人、9月に18人が射殺され、今年に入ってのフアレス市での犠牲者は1657人以上に上り、昨年の年間犠牲者数1607人をすでに上回っている。
右の写真、大ボスの通称エル・チャポ・グスマン(El Chapoは英語のShorty、チビを意味する)と今回襲われた現場で警戒する兵士達。Felipe Calderon氏が2006年にメキシコの新大統領になってからでも、すでにメキシコ全体でのでの麻薬抗争で13500人が亡くなっている。2008年は5600人、今年2009年は9月中旬までですでに5000人を超している。
2010年3月13日 週末だけで50人が殺害されたメキシコで、国境沿いの町 フアレスで残忍な殺害が連続発生した。午後2時37分、妻が領事館に勤める夫のJorge Alberto Salcido Cenicerosさん, 37歳の乗った白いホンダ車が銃撃され、本人死亡、同乗していた4歳と7歳の子供が負傷した。10分後にテキサスナンバーのトヨタ車が銃撃され、米国籍の 領事館勤務の妻Lesley Enriquez, 25歳 ,夫の, Arthur Redelf, 30歳.が死亡。後部席には生き残った赤ん坊が泣いていた。両事件の被害者は米国側のテキサス州・エルパソに在住していた。