
ブラジルBrazilの大都市リオデジャネイロRio de Janeiro 周辺にはファベーラfavelasと現地で呼ばれるスラム街があり、岡の上までびっしりと住宅が密集し、その中でもVila Cruzeiro地区はギャングや麻薬組織の巣窟になっている。
2014年サッカーワー ルドカップ、2016年オリンピック開催が決定したブラジルでは、麻薬犯罪組織の撲滅に向けて軍隊、警察が作戦を遂行中だが、2010年11月21日の先週日曜から激化した抗争で、す でに住民から23人の死亡者、153人の逮捕者が出ている。政府側はスラム地区に装甲車、ヘリコプター、戦車まで投入して取締りを強化しているが、ギャン グは銃撃、一般車両、バスへの放火などで抵抗し、政府側は取り締まりに苦戦している。
リオ(リオデジャネイロ)には1979年刑務所で結成された「赤い部隊 Red Command」と名乗る麻薬組織があり、多くのファベーラを支配していると言われている。今回の抗争には、すでに収監中の組織のリーダー Marcio Santos Nepomuceno( Marcinho VP)と Marco Antonio Pereira Firmino( Mv Thor)の二人が刑務所から暴動の指示を出したと見られている。他にAmigos dos Amigos (Friends of Friends)と呼ばれる麻薬組織があり、今回の騒動に参加していると警察は見ているようだ。右下は今回逮捕された「赤い部隊 Comando Vermelho (Red Command)」のメンバーと思われる容疑者。ファベーラの住民には、暴力的な警察や軍の取り締まりに不満が多く、ファベーラはこういう非合法な組織に守られているという意識が存在する。
2010年11月26日:ブラジル警察の先週日曜から5日間にわたるスラム街のギャングに対する制圧作戦で、警察はスラム地区をギャングから奪取したと公表した。少なくても30名のギャングメンバーが死亡し180人が逮捕され、その間ギャングは機関銃を撃ち、20台のバスを含め60台の車を炎上させた。ギャングの多くが車やバイクで逃走し、警察の言うように制圧できたと言うには疑問が残ると住民は言う。多くが、もっと悪い事が起きるのではと心配している。現在も、他の多くのスラムがギャングの支配下にある。200万人のリオデジャネイロの人口の3分の一がファベーラという、市内に1000箇所もあるスラムに住んでいる。(左下は警戒中の警官)
2010年11月27日:軍、警察は7日間で45人が殺害され逮捕者192人、約1トンのコカイン粉末、薬物、ほかに武器多数を押収したと公表した。Alemao(右)という8万5千人が住むファベーラを1000人ほどで包囲し、逃げ込んだギャングの逮捕が進行中。
2010年11月28日;ブラジル軍、警察はスラム街Alemaoでのギャング一掃の作戦終了を公表した。左はスラム街の高台にブラジル国旗を掲げる警察。しかし、ギャングの多くは逃走しており、スラム街の平和も一時のものでは無いだろうか?問題の根底には貧困があり、そう簡単な問題ではない。スラム街の豪華マンション ブラジル リオ
