20101026k0000e040064000p_size5以前のブログで➀から⑮に渡ってメキシコ湾岸の原油流出を追った(http://nappi10.wordpress.com/ カテゴリ 史実 に収録)が、その中の➈で海上で大量にまかれた分散剤の恐怖というのを書いた。

やはりというか、すでに影響が出ているようだ。Al jazeeraの記事から抜粋加筆
メキシコ湾沿いのミシシッピ州に住む今年2歳のGavin Tillman 君は深刻な呼吸器疾患、炎症、ウィルス性疾患をわずらい、39度の高熱が続いている。両親や医師はBPが使用した原油分散材などの化学薬品の影響と信じて疑わない。
当時の記事から抜粋すれば分散材コレキシトについては 
製品コレキシトの主成分といわれる(ジ)エチレングリコールモノメチルエーテルの危険有害性情報 :可燃性液体 、皮膚に接触したり吸入すると生命に危険 、飲み込むと有害、皮膚刺激 、重篤な眼への刺激性 、生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い 、臓、血液、腎臓、中枢神経系の障害 、気道への刺激のおそれ 、長期または反復暴露による血液の障害のおそれ、水生生物に毒性あり
となっている。

この2歳児の両親、従兄弟もまた病気を抱え、その症状はこの地域の多くの人に起きている症状に同じだという。この毒性のある分散財は海上でまかれ、空からも散布され、空気中に揮発したものは雨に含まれて地上を汚染した。さらにコレキシトが放出した化学物質がほかの物質と化学合成し、別な有害物質を生成する危険性もあり、これらが今までに例の無い環境災害を起こす可能性も指摘されている。もうすでに、この辺の海中や陸上で何かが起こっていると見ていいだろう。現実にこの辺の住民の多くがめまい、ふらつき、吐き気などの不快感を感じ、離れた場所へ行くと症状が無くなる事を経験し、いずれも原油流出の起きた7~8月ころから起きている。(写真は当時の海上での分散剤散布の状況)

環境保護団体のディフェンダーズ・オブ・ワイルドライフなど3団体は2010年10月20日、英BPはメキシコ湾原油流出事故の損害を賠償し、傷付いた生態系を回復するための基金を創設すべきだとして、米ニューオーリンズの連邦地方裁判所に提訴した。ニューオーリンズ付近のエビ漁などはまだ止まっている。過去の例では、原油流出後のアラスカのエビ漁が元に戻るのは20年かかった。この地域にはベトナム戦争後のベトナム難民が多いが、言葉の問題などで補償問題もうまくいかず、生活が荒れ自殺なども増えているのが現実だ。

nappi11 at 02:00│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by よりばば   2010年10月30日 20:58
え~ぇッ!ベトナム難民の人達が多い地域なんですか…。
不幸な目に又もや遭うなんて、ようやく落ち着いた頃だったでしょうに…。

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